主将閣下、最終号令
2003年12月05日(金)
本日は、大学時代の所属部に於いて今年度主将・無名氏(仮名)の最終号令による稽古が行われた。ここ2週間ほど今年度4年生による最終号令が続いてきたが、主将閣下の号令によってそれは締められる。私はもちろん、見取り稽古に参加した。他の4年生の号令は2人分しか見ることは出来なかったのは残念であるが、私が4年生だったときの1年生が、稽古の指揮をも終えるというのは感慨深いものがあった。
そして最終号令の後は、ほとんど必ず部室に於いて飲み会が行われる。こうした日常の飲み会には参加しないことにしていたが、今日だけは出ることとした。他ならぬ無名氏の最終号令の打ち上げであり、そして移転した新部室も一度ぐらいは見たかった。
エレベーターにカフェテリア。おそらくは全階に存在するパンと飲料の自販機。かつて、モノレール駅もなく、モノレール駅の売店(ファミリーマート)もない時代は、飲料は1階の自販機まで階段で降りねばならず、腹が減ってもおなじく1階にあるカップヌードルの自販機しかなかった時代とは大変な変わりようだ。
そして真っ白い壁と、統一規格で製造された表札。まるで精神病棟だ(注:旧部室棟も精神病棟と呼ばれていた。そういう意味では変わっていない)。
まず新部室で驚いたとの、空調の存在。そんなものは旧部室にはなかった。夏はひたすら蒸して、冬は調整の利かない全館暖房でやはり暑い。そしてぬかるみで濡れた靴下がパネルヒーターに掛けられ、汗を吸った道着が陰干しされ、得も言えぬ臭いが漂う空間。それが部室だった。なんて快適になったんだ。
ゴミ箱の文句はあまり変わっていない。
新しく文明的になった部室だが、面積はそうかわっていない。だが部の人数は加速度的に増えた。
今日飲みに参加した全員が入るためには、靴はこのとおり。
得物や荷物も最初から積み上げるための場所が設置されているのには驚いた。
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これでもまだ全員は写っていない。
えらい人数。足の踏み場もない。
そして用意された酒と菓子。
どこかで見たような菓子も存在した・・・。
私がこの部室を訪れることは、もう二度とないかもしれない。多分ないだろう。けれども、今の部員連中が、それなりに学生生活を謳歌して享受している様子に触れることができて、多少のノスタルジックと多少の新鮮さを味わうことはできた。
まあ、今の私には今の私の生活の場がある。もし私に享受する何者もなかったとしても、ここは私が安易に足を踏み入れていい場所ではない。ややもすると居心地の良さの依存症になって、後輩の場所と時間に介入する糞OBになりかねない。そこは自重せねはせなるまいて。今回の一連の最終号令期間は、在部中の最後の後輩の見せ場だったからこそ、訪れた。彼らが部を引退してからは、部の日常に顔を出すことは、もっと厳しく戒めなければなるまいて。