П氏を祝い
2004年02月08日(日)


 本人の了承を得ていないから簡単に書くが、先日大学時代の後輩П氏(仮名)の進路が決定した。その祝いというわけでもないが、彼の予定が空くのを待ってアパートへ伺うこととした。この極めて交通の便がわるく、ロフトと称するただ作りつけの収納の上にあるという寝台、全室三方に窓があるという特異な構造などなど、見るべきところが多いП氏のこのアパートもあと数週間か。




 三方に窓があり、部屋と直結している玄関からも空気が逃げるため断熱性がわるく、П氏宅は冷える。しかも変則的なロフトのためにエアコンの熱がなかなか足下まで届かない。その苦肉の策がこのハロゲンヒーターらしいが・・・PC大丈夫かね・・・。スティールのPC筐体はまったく熱くはなっていなかったが。




 それにしても、断熱効果を高めるためカーテンを押さえているこの物体。丸山眞男の名著「現代政治の思想と行動」ではないか。なんでも古書店街にて100円で買ったとか。私は政治学を志した(そして今でも一応志している)者として、これはどうしても手元に置いておきたく、学部5年次に生協で注文して購入したものであった。大学生協がいくら数%割引が利くといっても、100円の数十倍は払ったような。いやはや。まあこういう「古典的名著」はタマ数が多いので、大学近くの古書店をあさればけっこう出てくるのではあるが。




 ちなみに、今回私がП氏からのリクエストで持ち込んだのが、「ブリッツ・ロワイヤル」1巻。世界観や設定などは映画化もした小説「バトルロワイヤル」に基づくが、具体的な物語は漫画家の富沢ひとしの手による。そう、義務教育就学年齢へのこだわりと、前衛表現に定評ある富沢ひとしだ。今作では、弱者が、本来の敵ではなく自分達の内部に「より弱い者」を造り出そうとする生々しい抑圧移譲が描かれている。さすがは富沢ひとし。華々しい蛮勇か、戦闘拒否かの二者択一になりがちだった今までの「バトルロワイヤル」モノとは視点が違う。
 また、64式小銃は皇紀で数えて「24式小銃」と銘打たれていたり、試作だけで終わった4連装106mm自走無反動砲が登場したり、「大東亜共和国」の兵器にもこだわりが現れている。




 そして私には、このような薄い本を差し出すП氏。
 いやはや、この本の作者はなかなかの変態でよろしい。




 そして晩飯はいつぞや行った、П氏宅近くの焼き物屋へ。
 コストパフォーマンスに優れ、作るのも簡単なお好み焼きを選択。私は「シエル先輩にあやかってカレー風味の、『インド』を」などとアホなことを。飲み物は、お互い帰宅してからまだまだやることがあるので私はノンアルコール・ビール、П氏はノンアルコール・カクテルとやらを注文。私の頼んだドイツ産ノンアルコール・ビールは、ちゃんとビールの味がしたし、まったく不満はない。ただし私は日本製ビールを飲まなくなっている人間なので、普段アサヒやキリンを飲んでいる人にはどう感じられるかはわからない。一方、ノンアルコール・カクテルを頼んだП氏は「これはただのジュースでは」とのこと。
 そしてお好み焼きを焼いて喰らい、喰らった後もしばらく談話などしていたものである。
 来年度から、П氏は猛烈に忙しくなることであろう。いや、来年度までにП氏は準備を出来る限り整えたいとのことで、今でも彼はヒマではない。私の大学時代の友人達は、П氏ら2000年度入学生の卒業で、ほとんど全員が学部を卒業する。これからも、こういう場をもてるのであろうか。さてはて。


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