美津濃氏、物品処分
2004年02月22日(日)


 大学時代の後輩、美津濃氏(仮名)が、いよいよ長年暮らした部屋を引き払う。DKを含めて、6帖*3部屋という一人暮らしの学生としては怒濤の構成をもつこのマンションでは、幾度となく集会が行われ、私自身かなり入り浸らせてもらった。大学時代はもちろん、私が大学を卒業してからも、この部屋は私の生活にとって小さからぬ舞台となった。しかしこの部屋も、もう終わりか。そして今日ここを訪れたのは、引っ越しの手伝いなどではなく、美津濃氏が処分する予定の物品を回収するためである。




 玄関を開けると、台所にあった巨大な食卓テーブルがない!
 かわりに部屋にあったガラステーブルが食卓代わりをしていた。




 PC回りの立体造形物は大分間引かれて、残ったのはこれだけである。
 鏡餅の下にある手足は、さっちんの部品。





 テレビの上には、整理に際して差し当たって置かれた銃に、パブミラー、それにセーラームーンぬいぐるみ。



 数日前にぶっ壊れて、修理から戻ったばかりのDVDコンポ。
 一般世帯の茶の間にありそうな大型テレビも含めて、そうした電気機器の類は次の部屋ではどのように配置されるのであろうか。6帖*3から、確か1Kへの引っ越しだったはず。まあ考えるのは私のやることではないが、気にはなる。




 先日、秋葉原まで大荷物抱えて売りさばいたはずの同人誌だが、まだ結構な数が残っていた。
 欲しいものがあれば持っていってよいとのことなので、一冊ずつ吟味。




 そして今回もまた、美津濃氏は夕飯なぞ用意してくれた。
 彼曰く「製法を間違って伸びた上に、つゆの配分をはかり忘れた」とのことだが、私がふだん食っているメシよりもいくらも上等ですよ。


 物品を回収した後は、「なるたる」の録画なんぞ(特に11〜13話を執拗に)見ていたが、もちろん明日は月曜。休みではないどころか、今時期は実際かなり忙しい。終電には確実に間に合う時間に帰途に就いた。
 雨の中、美津濃氏宅に余っている傘を接収して差して駅まで歩いたが、暗い小道の向こうから、争い事とも叫び声ともつかない奇声が断続的に響き渡り、二人の男がもみ合い、あるいは濡れたアスファルトの上で転がりあっているのが見えた。ケンカか!?危険回避の観点から言えば、遠回りが正解である。しかし、終電の時間がやや怪しい上に、美津濃氏宅から駅までの道に選択肢はほとんどない。ポケットの中に武器になりそうなものを握りしめつつ、努めて何事もないように歩みを進める。もちろん異常者たちにも近づいていく。
 アスファルトに転がり、民家の塀に奇声を上げながら体当たりする男。それを追い掛けて捕まえようとする男。そして、暴れている男は、ずいぶんと白かった。白いというか、つまり裸同然なのだ。完全な素っ裸ではないにせよ、外で、それも2月の雨の中にはあり得ないはずの光景だ。そしてその裸男の服らしきものを抱えて、暴れる男を追い掛ける男。・・・仲間が酔っぱらって暴れ出したのか、酒以外の理由によっておかしくなったのか。それはわからん。目を合わせないように、出来る限り道の端に寄って、私は何事もないかのように通り過ぎた。
 いやまったく、この近辺には私も大学時代住んでいたが、いかれたやつが増えたものだわい。




 さて、これらが今回の鹵獲品である。もともとは私が美津濃氏に進呈したもの、美津濃氏宅の他の来客が意図的に置き去りにしたもの、美津濃氏宅ですでに熟読したものも含まれている。だが、手に入るというのならば、とりあえずはもらっておこう。中には、美津濃氏がオンラインの繋がりから手に入れた同人誌もあるが、次の部屋が狭いために、持っていけるものはそう多くない。彼は少し迷っていたが、結局は私に進呈してくれた。「大学教授になる本」とかいうマニュアル本は、どんなおそるべき内容か確認するためにもらいうけた。これらの本を、三月中になんとか読破したいものである。


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