伝統的秋葉原行軍の踏襲
2004年09月20日(月)


 大学時代の後輩・美津濃氏(仮名)がフィールドワークから帰ってくるのに合わせて、久々に秋葉原を回ることになった。同じく大学時代の後輩・П氏(仮名)にも声を掛け、3人で秋葉原に待ち合わせることとした。まずはメッセンジャーで美津濃氏と「1100時に電気街口で」と取り決め、П氏にもCメールを送っておく。




 私は1036時には秋葉原駅に着いた。電気街口改札前で待つ。
 予想よりも乗り換えがうまくいったため、20分以上待つこととなったが、遅く来るよりはよい。




 そして1100時。2人はまだ来ないのか。数分待ってから、まだ電車の中かもしれんのでCメールを送って、現在地を聞いてみる。美津濃氏から、すぐに返事が返ってきた。「現在カナヤマブックスに居ます」。
 カナヤマブックス?本当は「カナヤマ」とは少し違った文字列なのだが、これは美津濃氏と私がときどき冗談のネタに使う人物の名前である。頭文字は「カ」だ。そう言えば、メッセで待ち合わせについて協議するとき、「どこで落ち合う?」との問いに対して、「カナヤマブックス」という答えが返ってきた気がする。私は冗談だと思っていた。そして「それは却下。まあ電気街口で」と念を押したのだが。ようやく「カナヤマブックス」とは何のことだかわかった。




 「K-BOOKS」のことか!!わからないって!
 K-BOOKSは込み入っていて、私が乗り込んでいても邂逅に時間がかかる。さらに言えば鉄筋コンクリートのビル内は電波状態がよくない上に、店は携帯電話使用禁止だ。そもそも私は「電気街口」としか言っていないので、私が出向く必要はない。というわけで、電話で私は電気街改札前にいるから降りてくるよう伝えた。
 美津濃氏だけかと思ったら、П氏も降りてきた。一緒だったのか。2人して示し合わせたようにK-BOOKSに行くとは。彼らにとって「電気街口」とは「K-BOOKS」と同義なのか。私は美津濃氏とのメッセでは、「カナヤマブックス」なる文言に対しては明確に却下したのだが。少なくとも私は、K-BOOKSで待ち合わせたことはないし、そのような了解をしたこともない。さらに言えば、「カナヤマブックス」なる暗号もわからないし、暗黙の取り決めや以心伝心のような妄想は私には通用しない。


 別に何分も損なったわけではないし、大したことではないのだが、危うい出だしとなってしまった。これは秋葉行軍に我々が慣れすぎ、また、共同歩調をとることにも慣れすぎたが故の、失敗だったのだろう。何の断りもなしにK-BOOKSに入り浸り、待ち合わせの1100時を過ぎても何の連絡もよこさないと彼らばかりを責めるわけにはいかない。私も、「電気街口」とは言ったが「改札前」とは言わなかったし、メッセのやりとりでも「カナヤマブックス」を冗談と決めつけ、実際的な返答かどうか確認をしなかった。やれやれ。お互い連絡や意思疎通に甘えが出てしまったということなのだろう。


 いつまでも出だしの行き違いについてこだわっていては、せっかくの機会を潰すこととなる。気を取り直して、当初目的地のメイド喫茶へと向かう。私もメイド喫茶はメイリッシュやコスチャ、キュアメイドなど数店舗にしばしば行っているが、今回は私のたっての希望で「Lamm」へ行くこととした。2人は行ったことがあり、よく私にそこの話をするのだが、私は行ったこともないし場所も知らない。2人に案内を頼む。




 ここか。御茶ノ水方面へ歩くときはしばしば通り過ぎているはずなのだが、気づかなかった。エレベーターに乗って6階へ。さて、店内へ踏み出すか。だが美津濃氏もП氏もなかなか前に出ようとしない。私が構わず先頭を切って店に入る。
「お帰りなさいませ、ご主人様ぁ〜」
 そうそう、メイド喫茶の中でもこういったステレオタイプなメイド的言動をしてくれる店は少ない。だからこそ、噂に聞く「Lamm」へ行ったのだ。そして美津濃氏とП氏は、これを回避するために先頭を私に譲ったのだ。まあ私はこの店がいかなるものか見聞するために来たので、先頭でよかったのだが。


 メシ時ということもあり、パイナップルカレーを注文。パイナップルカレーと聞くと「ミスター味っ子」を思い出すが、かの番組のような代物ではない。茶店のランチとしては、まあこんなものであろうといったものだ。そして食後のコーヒーを飲みつつ、しばし談笑した。大学院のこと、法律のこと、ロシアのこと、最近の二次元番組のことなどなど。


 次は、ゲーセンである。ぬいぐるみ等の奪取よりも、今回は「頭文字D」が目的であった。最近П氏はハマっている。以前彼とは新宿でメシ喰いがてら対戦したこともある。けれども、私もП氏も2人とも初心者で、決してうまくはない。どこのゲーセンにもいる程度の、ちょっとやりこんだ奴から見たら、アホなくらい下手だろう。乱入されたら、惨敗すること請け合いだ。ちなみに美津濃氏は、まったくの未経験者である。
ちなみに今日の戦績は、

○晴天(ホンダS2000、AT)vs●П(トヨタ・セリカGT-Four、AT)
○晴天(ホンダS2000、AT)vs●美津濃氏(トヨタMR-S、AT)
●晴天(ホンダS2000、AT)vs○П(トヨタ・セリカGT-Four、AT)

 これは2店ハシゴしてのことである。混み合う秋葉原のゲーセンでは、人気ゲームを同一グループで独占することは出来ない。ちなみに私は、レースゲームではMTと決めているのだが、この山あり谷ありの「頭文字D」ではとてもMTでは勝負できない。S2000でATなんて格好悪いことこの上ないのだが、人と会ったときしかやらないゲームなのだから、まあこんなもんか。
 ちなみにП氏がセリカを選んだ理由は、「名前が萌える」とのこと。さすがである。そういう観点では、私が以前買ったラファーガは、あまりにもよくないイメージがある。だからと言って、今度車を買うときにアリアやティアナを買いはしないと思うが・・・多分。いや、経済性や使い勝手の観点からアリアは非常にありそうな気もしてきた。




 さて、次はメイリッシュ。メイド喫茶のハシゴじゃ。と思ったが、混み合っていて、とても入れなかった。連休のため、秋葉原のここそこでオフ会とおぼしき集団がいた。そうしたオフ会の人々が雪崩れ込んだのかもしれない。そうでなくても、休みで秋葉原に来たその筋の人々は、我々同様メイド喫茶にも行くだろう。メイド喫茶は断念して、薄い本を売る店やゲームを売る店を回ることに。


 その筋の店内には、今日はなぜか白人の姿が目立った。「Oh,childish!」とか二次元本を手にとって叫ぶ奴らもいたし、熱心にその筋の薄い本を探索する連中もいた。さすがは二次元の世界的中心都市秋葉原だ。国際的・・・なのか。18禁本をめぐって、なんかの国際問題にならなければよいが。
 二次元店はともかくとして、秋葉原は外国人が多い。旅行で日本に来て、免税の日本製電気製品を買い漁るのは昔からのことだ。近年は、中共からの買い出しツアーも盛んだ。外交官ナンバーの車もここそこに路駐しているのが見られるし、日本在住の外国人にとっても買い物などで訪れる機会の多い街なのだろう。


 で、私がちと必要があってビルの写真を撮っていたら、突然背後から「Почему фотографировать!?(なんで写真なんかとる必要あるんだ)」とババアに叫ばれた。中年のロシア人女性だった。風景として水平にカメラを構えることもしばしばあるが、今回はビルを撮るたけ上を向いて構えていた。ロシア人にカメラを向けたわけではない。さらに言えば秋葉原は、CanonのデジタルビデオやSONYのデジカメを構えた外国人が、ここそこで街並みを撮影しているではないか。日本人が街を撮って悪ということはあるまい。
 もっとも、日本人はカメラ好きで、近年は特にデジタルカメラとカメラ付き携帯の普及で、どこでも構わず写真を撮る様子を見ることが増えた。外国でも、日本人観光客はどこでもカメラを向けたがる(日本人に限ったことではないが)。それを好ましく思わない人もいるだろう。特にロシアはソ連時代、公然と写真を撮ると民警がやってくる様な国だったし、他人にカメラを向けられることを嫌う傾向もある。だから、そこいらでカメラを出しているアホな日本人に、わからないと思ってロシア語で嫌味の1つでも言ったつもりなんだろう。それがわかるんだな、私は。
 Потому что мне нравится это здание.Поэтому мне захотелось фотографировать!Это моя работа!とでも言ってやってもよかったけど、議論好きで話好きなロシア人のこと、質問攻めにあっても面倒なんで、黙っていたが。


 これから予定があるП氏と別れ、私は美津濃氏と、(一般的な)茶店に入って足を休めることとした。




 普通の店で開いたら、店の品位を下げるとして威力業務妨害にならなるかも。
 それからは2人で数件本屋を回ってから、各々帰路についた。


 さて、今回はたまには、それこそ月に1回ぐらいは会合を持とうとのことで、その舞台に秋葉原を選び、伝統的な秋葉原行軍を踏襲した。メイド喫茶、二次元本屋、その筋のゲーム屋・・・行けばそれなりに面白いし、共通の話題でもある。けれども、以前ほど熱烈に薄い本探しに邁進したり、莫大なカネを立体造形物やゲーム、映像媒体に投資することもなくなった。自作パソコンも最近組んでいないが、現有のものでスペック的には何一つ更新しないでもよい。
 まあ、昔からの行事を踏襲するのもわるくないし、二次元本もゲームもコンピューターも好きな部類には入る。だが、これからはもっと別のことを考えてみてもいいかもしれない。まあ、何をやるかはわからないけども。とにかく、集まるにしても同じようなことしかしていないので、たまには違ったことをしてもいいだろう。集合時のミスコミュニケーションも、そうした習慣的な惰性行動に原因があるのかもしれない。ま、これは今後の課題にしておきましょう。


 ちなみに、今回の戦利品。




 まあ私は昔から、それほど薄い本にカネをかけない人間ではある。


戻る