椎応大学祭最終日へ
2004年11月03日(水)
今日は古巣の学祭最終日。学部時代に所属していた部の演武を見に行った。もう、私が学部5年生だった頃の1年生が4年になっており、それよりも下の学年については顔も名前もよくわからない。こうなってはやはり、年に1度学祭に顔を出して、同時代を過ごした人間と久々に会うことが主になってしまう。だけれども、今年の演武はなかなか前衛的で驚かされ続けた。
腕の立つ稽古人でも熱心な稽古人でもなかった私が、技や勢いについて述べることは出来ない。だが、かつては決して許されなかっであろう技やパフォーマンスが、学祭に於ける大演武会にて見られるとは隔世の感ありだ。演武中に道着の両肌脱ぎ、あるいは殺し屋風の黒手袋を装着し、倒れた相手には六尺棒で追い打ちをかける、などなど。
これは楽しませて頂いた。仮装演武会は過去にも開かれたことがあるが、それはOB・監督には決して知られまいと、極秘演武とされていたものであった。新しいことをやってみるのも、自らが自らを拘束しすぎないのも、ちゃんと核となるものをやっている限りに於いては、わるいことではない。旧弊な権威主義やスターリン的恐怖政治など過去のものになり、現役部員が稽古や演武を楽しんでいることに、泣ける思いであったよ。権威主義やOB・監督と闘ってきた私としては。
ところで、先輩のTem氏(仮名)からいつぞや進呈した「もえたん」のお返しとして書籍を頂いた。
私は演武の最中、これを傍らに置いていた。
が、一陣の風が吹くと、ブックカバーが剥がれる。
まあ別に困りも人の目を気にしもしないけれども・・・。
なかなか実用的な書物を頂いた。これは活用させていただきますよ。
演武の後は、同時代を過ごした人々と昔同様アホなことを話しながらメシなど食った。
私が学部4年のときだったか、5年のときだったか。そにかく学食4階のシダックスが撤退して、マクドナルドが入った。私は大学に来てまでマクドなぞ食いはしなかったが。しかし今になってこのマークを見ると、メトロのマークにしか見えないのは脳が共産化してきたか。
今日もマクドなぞには入らず、昔同様生協1階でメシを食った。
通称「甘酢」。私の入学当初は「甘酢醤油定食」であって「若鶏の」などとはついていなかったこの定食。
390円の人気定食だったはずだが、430円に!
少し豪勢な気分になれる鉄板もので、最廉価のチキンソテー。通称「ソテー」。
かつては「ネギ塩」などとはついていなかったソテー。
これは400円だったはずだ。
これも430円になるとは。
300円台の定食は、いまやこの「ジューシーメンチカツ定食」だけである。昔はなかった。昔は唐揚げ・コロッケ・春巻きなど各定食の材料を寄せ集めた「コープランチ」が360円で、甘酢や冷しゃぶ定食が390円だった。最廉価の定食が380円。シャバに比べると安いのだが、こういう些細な値段やメニューの変化ひとつとってみても、もうここが自分の巣ではないと思い知らされる。いや、2週間も通えばまたこれがフツーになるのだが。
ちなみに同期のF氏によると、ラーメンの値段は変わっていないとのこと。私は5年間、生協1階ではほとんど定食しか食わず、F氏はラーメンしか食わなかった。その彼が言っているのだから間違いなかろう。ただ麺は安いものに替えられていると言っていたが。
で、私が頼んだのはメンチ定食。このメニューを見たときには「エクセルサーガ」という単語が少し浮かんだけど、それを口にするのはやめた。つまらんので。
食後にF氏が飲んだのはやはりドクターペッパー。1997〜1998年の部の飲み物と言えばドクターペッパーと決まっていた。私もかつては、希少なドクターペッパー500ml缶を大学近くの店で見つけて買い占めて、しばらく朝飯がわりにドクターペッパーを飲んでいた時期もあったものであった。ちなみのその店は、私が買い占めてからすぐに潰れてしまった。
このようにドクターペッパーが、いつ来ても当たり前に自販機で売られているのは、F氏曰く、中大か秋葉原しか知らないとのこと。我らが椎応大こと中央大の学生はやはり秋葉原の住人であり、秋葉原の住人であればドクターペッパーを飲むのである。んなアホな。
HMX-12氏(仮名)は、本屋でバイトをしている別のOBからあやしげな物品を受け取っていた。
本屋で使う、宣伝用ポップセットである。
欲しい人は欲しがるが、そうでない人にはまるで価値のない代物。
その類のものをツテを使ってやりとりする様は、やすがは我らが部。昔と変わらない。
Tem氏が取り出したのは、ショルダーホルスター入りのFNハイパワー。
ブローニング・ハイパワーと呼んだ方が通りがいいか。
そういえば、こんなメールをやりとりしていたような。
・Tem→晴天
学祭へお越しの際は、銃はホルスターに入れて隠して行きましょう←止しなさい。
でもブローニングHPを披露する好機ではあるのだが
・晴天→Tem
私はカラシニコフを持ってきましょうか?
頂いたライフルケースがありますし。
あとは覆面とつけヒゲですね。
・Tem→晴天
学内に入れない可能性大なのでお勧め致しかねます。
秘匿性の高い拳銃にしましょう。
…って持って行くのかい!!
本当に持ってこられるとは・・・さすがは我が先輩である。
今日のTem氏の持ち物。
「法律読本」は私に譲渡済。
そして打ち上げの飲み会へ。
飲み屋へ行く電車の広告で見たのだが、ローマ字でゲロとは・・・。
下呂温泉の広告もまた。尖鋭的だ。
下呂・・・もとい、気分のわるくなったとき用の袋の詰め合わせをTem氏は用意していた。
まあ吐くまで飲みはしないが、備えあれば憂いなし、か。
それにしてもなんでこんなに持っているのですか。
最近酒を飲むこと自体なかなかなく、飲んだところでわりといい酒を少量、時間をかけて飲んでいる。飲み放題の低質サワーなんて久しぶりだ。化学の勝利のごとき味と色をつけた液体に、安い醸造アルコールを注ぎ込む。こんな代物をあまりがぶ飲みしていては脳や心肺がもたん。しーぽん・・・もといネーポンのごときオレンジサワーがピッチャーで来たときは、「こちらのお客様からです」とか抜かしつつ別のテープルに奴のコップに強制注入して始末したが。
さらにはブルーレット的な色と匂いのカクテル(と称する代物)を、芳香剤臭のする赤いカクテル(と称する液体)と混ぜ合わせ、「ではがったいさせるぞ」、「こんごともよろしく」、「ドリアードが誕生した!」などとアホなこともやっておった。この行為は、不味い缶飲料集めが趣味で、ドリンクバーでは必ず「工業廃水」を作って飲んでいたTem氏の闘志に火を付け、様々な実験を繰り返したのであった。
さて、今日は様々な人間と再会して話した。なかには卒業式以来3年も会っていないのもいた。
その話の内容を少しばかり。
・「げんしけん」を見ろ。アニメを観なくなっていても、ノスタルジーな気分になれる。
かの作品の舞台は言うまでもなく我らが中央大だし、キャンパスはサークル棟の落書きまで忠実。さらに言えば、「げんしけん」の活動は我々の日常に極めて近い。帰国子女のレイヤーなんかはいなかったが、レイヤーも後の年代には入ってきたし、見栄えのいい奴もいないこともない。
・「げんしけん」には中央大学広報部が協力しているとのこと。
これでダメ受験生が増えますな。
・「ディグダグ」の攻略法について。
銛を突き刺してからそのまま破裂させるのではなく、敵の方へ前進しながらボタンを連打して銛を撃ち続けていれば、複数の敵と相対していたも殲滅できる。特に「2」では。
・メガドライブの周辺機器集めについて。
メガCDもメガアダプタも持っていたが、残念ながらスーパー32Xは買わなかった。
・「魔法少女リリカルなのは」は私向きだから観ろ。
なんでもエロチックな「カードキャプターさくら」だとか。
・終戦直後の警察と極道との共同戦線について。
抑圧されていた中国人やコリアンが戦後報復に出て、警察署を武装して襲撃して拘留されていた同胞を奪還するようなこともであった。戦後の混乱に対処しきれない警察は、武装した極道と共同戦線で中国系やコリアン系の暴力組織と戦ったこともあったわけだ。
・「ガンスリ」のアニメで、スナッフムービーのエピソードまで描いて欲しい。
エピソードを観たいのであって、スナッフを観たいわけではない!
・「パッション」こそスナッフムービーだ。
12/23発売だから、クリスマスパーディーで「パッション」を上映しろとのことか。反ユダヤ的な「パッション」をムスリムはどう見るか。旧約聖書はイスラム教徒にとっても大切な書だし。このへんの知識がまるでないからわからん。
・「レインボーマン」はゲイに違いない。
「愛の戦士」だし。
・「薔薇族」休刊。
朝日新聞に載っていた。
・「Sムソン」ばどうなんだ?
与謝蕪村?
・所得倍増計画。
消滅寸前だった部が、Tem主将2期目からは年々部員を倍増させて、現在の規模まで続く登り基調の礎を築いた。それを称していまの現役2年生から、「所得倍増計画」というコトバを聞こうとは。
・74式と85式。
生まれた年の話。一回りちがってきたのか。
・「エヴァンゲリオン」を観たのは小4。
私が高校3年の終わりに頃に1〜4話観て、1浪を経て大学に入ってから5〜20話まで観たがLDの発売がストップし、F氏に頼んで地上波の録画を貸してもらって21〜26話まで観たものであった。大学生活の前半はエヴァとともにあった。だが、小4でエヴァをみた人間が、今や大学生とは!
・児童ポルノ法はどこまで処罰されるか。
難しい問題ですな。とりあえず、「平成生まれ」は今現在でも犯罪です。
・淫行条例と東京の新条例について。
昔は長野県(一部市部除く)と東京都では淫行条例がなかったのだが、石原知事はさらに強烈な条例を策定しようとしているとか。高校3年生が1年生と付き合っていて、そのまま2年続いて、先輩の方が20才を超えたら違法になってしまうような条例を。まあ別件逮捕するための口実だろうけど。
・軽機関銃と短機関銃。
一般論として、ライフル弾やより強い弾薬をベルト給弾や大型弾倉で用いる軍用兵器が軽機関銃で、拳銃弾のごとき弱い弾薬を使用する小型の自動火器を短機関銃というのだが。銃に興味のある人でも、なかなか区別してくれない。
まあ久々にアホなことを存分に話し、聞くことが出来た。
それだけのことでも、随分贅沢な楽しみになってしまった。
願わくは、アホなことを話せる場は、いつまでも持っていたいものである。
余談だが、飲み屋において我が部の隣の区画には、私が忌み嫌う類のサークルが飲み会をやっていた。彼らの飲みには驚愕した。「一気させる歌やシュプレヒコール」を繰り返して、一気飲みすれば拍手や歓声を受ける・・・という習性については知っていたが、奴らははじめてから最後まで数時間、延々と「一気させる歌やシュプレヒコール」を繰り返していた。
この手のマスゲームは、最初の景気づけにやったり、あるいは飲んで歓談している合間にしばしば発生するのならばまだわかる。が、四六時中シュプレヒコールを連呼するとは・・・。宗教儀式ですか。まあ擬似的な一体感を手っ取り早く造り出して、シュプレヒコールを叫んでいる間は自分が皆の一部分であり、歓声を受けて一気キメている間は英雄であるような気になれるという意味に於いては、まあ有効なやりかたなのかもしれんが・・・。貴重なカネと時間と肝臓を使ってまでやることではない。話せない飲みに何の意味があろうか。誰かとの一体感が欲しいのならば、日常を離れて数日山でも登った方がよほど濃密な感覚を得られる。
まあ彼らにとってはあの飲みが意味がある行為なのだろう。話す能力や話題がない人間でもそれなりにやっていられ、間が持つというのはありがたいことなのかもしれんが・・・文明人のやることではない。私は発話能力は低いし、汎用性のある話題も乏しいが、あんなマスゲームをするぐらいならば孤独な方がよほどマシだ。複雑な言語体系という、人類を他の生物と分けるものを動物的な自動的合唱にまで貶め、独立した個人としての知識や人格、情緒といったものもすべて隠して、進んで個を捨てmassになる。それも一瞬ではなく数時間に渡って。ああ情けなや。ここまで堕落した飲みがあろうとは大学5年間の生活でも知らなかった。それに比べれば、我が部はまだマシであるのは確かだ。ま、大学生の飲みの場に邪魔すること自体はもうそうそうないことかもしれんが、我が部が「少なくとも話せる場所」であっては欲しいものだ。