鍋於独身寮
2005年01月15日(土)


 高校時代からの友人ナイワン、総統(いずれも仮名)と会って、メシを食うことにした。この2人とは正月には会えなかった。1人は帰省せず、1人は帰省していたのだが釧路では会う機会を作れなかった。だからこそ関東在住者同士で機会を作ることとしたのだ。
 新宿あたりでメシでもと思ったが、それでは「ゆっくりできない」との総統の提案により、ナイワンの寮で鍋などやることとした。しかも自分の部屋は鍋をやるのには狭いので、使っていない空き部屋で行うこととした。この寮ではナイワンが最年長なので、誰かに文句をつけられることもないのだろう。
 ただ、都心部の寮の欠点として、通勤には便利だが周囲に貧乏人が住んでいないため、スーパーで鍋の材料を買うのにも苦労した。ワンルームでも月々10万近くするような土地だ。近隣にはとても我々が買い物を出来ないような高級な服屋や、入る前に財布の中とクレジットカードの存在を再確認しないと入るのを躊躇するようなメシ屋しかない。だがそれでもなんとか野菜と魚を調達することが出来た。




 早速台所で野菜を洗って切る。この台所はもちろん寮の人間共有だが、従来はただの居室だった場所に無理矢理ガスの配管と水道を引いて、でっち上げた代物。なかなか不思議なつくりであった。。だが、電気も水道もガスも無料。そもそも寮費もただ同然。まあこんなものかも。




 早速、ナイワンは空き部屋を掃除してくれていた。
 わざわざ床まで拭いて用意してくださるとは恐縮である。
 そしてそこにテーブルとガスを持ち込んで早速鍋のセットをする。




 もちろんエアコンで暖房を焚いてはいるが、人が長らく住んでいなかった部屋は冷え切っている。しかもこの寮の下の階は居住スペースではないので、底冷えする。そこで我々は、コンロの火に当たって暖を取るなどしていた。


 かくして鍋を火に掛け、野菜、魚を煮込んで食い、最後にはうどんをくべて食った。テキトーにスープを混ぜ合わせて作ったのだが、なかなかうまくいったわい。鍋なぞするのは、大学時代の後輩・美津濃氏(仮名)旧居以来か大学の部室以来か。どちらにせよ、なかなか出来るものではない。久々にゆっくりと鍋をつつく経験をした。
 高校時代はこの3人を含む9人でつるんでいたが、もちろんその内部には人間関係の濃淡はある。私とは連絡を取っていないが、ナイワンないし総統と連絡を取っている人もいる。私しか連絡をとっていない人間もいる。そうした旧友や高校時代の他の人々についても話して盛り上がったが、こうした集まっても皆が連絡を取れる範囲、詳細を知っている範囲は狭まってきたという気はした。
 だけれども、あまり親しくなかった人間の噂は入らなくなっても、ちゃんと連絡をとってたまに会って、それなりの関係を維持している人間についての話はなかなか興味深かった。誰それにはもう子供がいる。こういうことで結婚するハメになった。あいつの仕事は悪辣だ、などなど。


 総統が午後から仕事なので、ナイワン宅滞在時間は4時間弱にして立ち去った。旧友と会っても、そう何時間も落ち着いて談笑することは少なくなっているので、今回はゆっくりした部類である。だが、もうちょっとのんびりバカなことでも話していたかった気もしたね。社会人の貴重な休日を一致させ、ナイワンには寮の部屋まで開けて頂いたのだから、こうした機会とてとても貴重なものなのだけれども。なにはともあれ、同じ時代に同じコミュニティに所属していた人々とは、こうした接触を保っていきたいものである。

 


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