有明3カ所詣
2005年08月14日(日)


 行く余力があるかどうか前日まで逡巡していたが、今回も有明へと行って参りました。
 早朝から並ばなければならぬような本を買う予定はないので、昼過ぎに悠々と到着。




 今年のりんかい線の国際展示場駅は、神々しかった。
 早くも帰途に就く人々の流れがまた、巡礼のようで。




 この時間に来ると、会場外にはあんまり人がいなかったりする。
 ときどき帰る人とはすれ違うけれども。


 そして会場の中に入ると、相変わらずの熱気と湿度で。
 私は暑さそのものは摂氏40度ぐらいまでならば平気なのだが(Dixie大学短期研修で実証済)、湿度が高いとたちまちいつまでも蒸発しない汗や、そこで繁殖する菌の老廃物が放つ匂いで、一気に堪えがたくなる。砂漠のユタ州から帰ってきた降り立った成田で覚えた不快感は、今も忘れられない。そしてここ、夏の国際展示場は、人々が密集して大変な惨状である。去年あたりはマスクをしてさえ呼気することそのものが苦痛になり、一刻も早く帰りたくと願っていたものであった。だ、今年は案外平気であった。はて、この変化はどういう事なのか。今回は、滞在時間が短かったからか。


 今まで私は、人付き合いと聖地巡礼そのものが目的であったので、買い物はほとんどしなかった。そして集団行動なので、どうしても滞在時間は長くなる。だけれども私は去年の冬からは単独だ。皆、仕事や研究で忙しくなってきたので有明まで来なくなったのもあるし、そして私は今までとは打って変わって、どうしてもご挨拶して本を購入したい人が何人か出来たわけで。


 今回、回ったのは3カ所だけ。
 3カ所を回って、挨拶などを済ませると、すぐさま会場を出たのであった。




 そして、帰りはわざわざ東雲駅まで歩いてから大崎行きに乗る。
 座りたいというよりも、並びたくないんですよ。
 歩くことは大して苦にならない上、趣味みたいなものだ。
 だけれども、たどり着いた東雲駅の自販機は無糖コーヒー以外のすべての飲料が売り切れであった。これは、単純に暑いから一般客の飲料購入が増えたのか、それともわざわざここまで来て電車に乗るコミケ帰りが多いのか、それとも国際展示場から電車に乗ったが暑さと脱水症状で堪えきれず東雲で降りて飲料を買う客が続出したのか。何はともあれ、コーヒーでノドを潤したのであった。カフェイン飲料は量を採るのはよくないのだが、手持ちの水が途中で尽きたので飲むしかない。無糖なのはまだ好都合。


 というわけで、短い有明への買い出しは終えたのであった。





 今回訪れた3カ所のうち1カ所は、我らが祖国・日本ソヴィエト共和国(Японская Советская Республика)の偉大なる指導者たる速水螺旋人閣下が主催されている、「ボストーク通信社」!


 以前紹介されていた「磁気カードにパンチ穴を開けるバス」の進歩(というか混乱)、ホイールが飛び走行中に故障するが自力で何とかするロシア的自動車事情、現代最後の秘境の1つ・トルクメニスタンのニヤゾフ大統領、「1984」と「未来世紀ブラジル」、そしてトカレフとカラシニコフとフリントロック銃!今回の新刊も、まさに速水閣下の趣味が余ることなく発揮されておりました。


 そして今回はmixiで出されていたリクエストに私も書き込みした。私のリクエストは、「ワイロを要求するГАИ(交通警官)を!!」の一行。そうしたら今回の新刊には強請りたかりを働くГАИが載っていましたよ!その小悪党ぶりは、таракан(ゴキブリ)の異名をとるГАИそのもの!もしかしたら偶然かもしれないけれども、私のリクエストを採り入れてくださったのだとしたら、これ以上の栄誉はございません。


 さらに、今回の新刊にも私と面識のある方が2人登場しておりました。さすがは知人の知人レベルでは全員と繋がるとさえ言われるロシア界。1人は語学学校の先輩で、1人はその語学学校へしばしばмилицияの制服でマカロフを吊してやってくる謎のお方。新刊では「田中邦衛に似ている」と書かれている人。向こうは私など覚えていないと思われるけれども、マカロフを抜いて射撃していた姿は昨日のことのように私の目に焼き付いていますよ。いやはや、ロシア界の恐ろしさ。


 だけれども今回心残りだったのは、タイミングがわるく、先生にご挨拶できなかったことですか。いやはや。面識が限りなくゼロに等しい方にご挨拶する為、出店で待ちかまえるわけにもいかず。これに関しては、残念でした。まあまた冬ですかな。
 繰り返しになるが、今回立ち寄ったのは「ボストーク通信社」を含めて3カ所のみ。私はもともと同人誌をほとんど買わない人間なのだが、それでも是非に買いたいと思う方が参加しておられると、やはり行きたくなりますね。


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