正月あれこれ
2006年01月XX日(X)
・ビンゴで折り畳み自転車当たる。
年越しは家族で温泉宿に逗留して迎えたのだが、ホテルが正月イベントとしてビンゴを行っていたわけだ。別に、賞品が欲しいわけでもないが正月の余興として家族で参加してきたわけだ。案外正月のホテルの夜はヒマなもので、まあヒマなのがよいわけなのだが、かなりの家族連れが集まってきていた。で、一番先にビンゴに至った人間には折り畳み自転車が当たる。いやはや、私が一番最初に当ててしまった。それがこの自転車である。公衆の面前で司会者にインタビューとかされたりしたけど、写真は撮っていない。それは惜しかったかも。
しかも今回は大型SUVのMDXで来ていたから容易に持ち帰れた。が、そうでなかったら持ち帰るのが大変でしたよ、これ。他にも、バスなんかではとても持ち帰りにくい景品ばかりであった。父が取った生卵40個や、うちは取らなかったけど自転車と並んで特賞とされたコンポなどは、自家用車なしにはとても持ち帰れまい。まあ近場から車でやってきている客がほとんどだろうから、よいのかもしれないが。
さらに言えば、自転車なんか貰っても川崎まで持って帰る手段がない。宅配便で送ったらエラく高額になるし。というわけで、この自転車は今でも実家のインテリアとして飾られているのであった。
・パズルを制覇
温泉宿にはよく、暇つぶし用の品が置かれている。ここでは4つの木片を組み合わせてシルエットを再現するパズルが置かれていた。これが案外難しい。が、私は1時間ぐらいで全パターン解いてしまった。いや、大した自慢にもならんが、これも正月の余興である。
・「ラリーX」
かつて正月は毎年一族郎党が温泉旅館に集まり、札ビラ切ってよい部屋と広い宴会場を借りて何日も過ごしたものであった。そういう景気の良い時代はもはや過去のものになったが。そのときに泊まっていた阿寒のホテルで子供達がハマったのが、ゲームコーナーにあった「ラリーX」および「ニューラリーX」であった。当時は車の排煙で敵を攪乱する様から「おならのゲーム」と呼称されていたものだったが。これはファミコンに移植されることもなく、平常時に街のゲームセンターへ出入りすることが幼い子供に許されるはずもなく(当時は今と違って、ゲームセンターとは不良の行くものとされていた)、阿寒でしか出来ないゲームであった。
やがてプレステでこれが収録された「ナムコミュージアム」が出ると、それがプレステを買うインセンティブにさえなったものであった。私自身は購入したプレステで何回も「ラリーX」を楽しんだが1人でやるに終始し、やがてはゲーム自体やらなくなってプレステもソフトも実家に放置されていた。が、この度の温泉旅行で姉が「阿寒でやったゲーム」のことを思い出した。実家には私が置き去りにしたプレステと「ラリーX」の収録されたソフトがある。あとはもう、実家で「ニューラリーX」のBGMが延々と鳴り続けていたのは言うまでもない。
・豚丼
私は、吉野家が「豚丼」と称して牛丼と同じような製法で調理した豚の丼飯を、好きになれない。さらには内地の人間達が、あの薄く切った豚肉を薄い汁で茹でてメシにかけた代物を「豚丼」と思い込んでいることが看過ならない。かような状況の中では、豚丼とはいかなるものであるか再確認したくなるというもの。しかし東京で厚切りの豚肉を濃厚なタレで炒めた私の言うところの「豚丼」は、なかなか食することが出来なかった(その気になれば、西武新宿駅の近くで食えるけども)。
だが、北海道では豚丼とは厚切り豚を炒めたものに決まっていた。もちろんコンビニ弁当でさえもそのようなものが売られている。結構値が張った(750円ぐらいだった)が、このコンビニの豚丼はひさびさに食う豚丼であった。
・「雲のむこう、約束の場所」
我が中大の先輩である新海誠監督の、「雲のむこう、約束の場所」。話の分かりにくさや、世界と少女を天秤にかける傲慢さ、ソ連邦に組み込まれた北海道を「ユニオン領」という妙な表現で呼称することなど、ちょっとどうかなと思うところはいくつもある。だが、基本的には割と好きな部類には入る。
温泉旅館への逗留や旧友達との再会といったイベントが終わり、姉が一足早く東京へ戻った後は退屈すると思っていた。帰省中、就中正月の実家とはそういうものだ。何か商売道具を持ち込んでも、大して捗らない。だから、アニメ映画の「雲のむこう」を観ていたわけだ。
それを年賀状の仕分けや猫の世話なんかをしながら横目で見ていた母が、この面倒な話を理解していたことには驚いた。母はかつて小学校高学年や中学生の時期にスタンダールからドストエフスキーまで読みこなし、今の歳になっても私が何気なく上の句を言ったら下の句を返すような人物なのだが、まさかSFめいたアニメ映画のストーリーを横目で見ながら把握しているとは思わなかった。大分年をとってはきたが、少なくとも脳はまだまだ大丈夫であろうて。