ロシア上映会
2007年09月23日(金)


 先日はロシア語の先輩・奥野さんのお宅にお邪魔し、ロシア関連DVDの鑑賞に参加してきました。

 ソ連時代の子供向けアニメからソ連軍のパレードの記録映像、さらには近年ロシアで作られたドキュメンタリーやファンタジーめいた映画まで、数々の映像を鑑賞することができ、また、食事をも饗されました。今回招待され、歓待を頂いたのは、本当にありがたいことでありました。特に食事は、餃子は皮から用意するなど、準備に大変な手間がかかったことでありましょう。 

 さて、今回観た映像から2点取り上げると、

・Tu-4に関するドキュメンタリー。

 ウラジオストックに緊急着陸したB-29を、いかにソ連が短期間でTu-4として自国生産するに至り、いかに運用したかを紹介する。ロシア視点だが、ソ連の産業水準を引き上げた国家事業を賛美しすぎることもなく、スターリンの「完全にコピーしろ」との命令どおり、アメリカの搭乗員が回収し損ねた私物のカメラまでコピーして、同じ位置に吊り下げるようにしたエピソードなども紹介し、比較的淡々とした語り口であった。

・米ソの洋上の駆け引きに関するドキュメンタリー。

 米国の空母機動艦隊を捕捉しようとするソ連のTu-95やTu-16爆撃機が、洋上で艦隊に極限まで接近し、また、米国の迎撃機もソ連機に接近して、威嚇しあっていた、洋上の駆け引きを描く。これは互いにとって訓練ともなり、キャノピーごしに挨拶をするなど一見友好的なムードも生まれたが、先に撃たれることへの警戒や不審感から一触即発の事態も生まれた。これについて回顧的に説明する映像であった。
 ソ連側の機体もさることながら、A-5ビジランティなど、あまり動く映像でお目にかかることのない米軍機の発艦シーンなども興味深かった。

この2点は、なかなか秀逸なドキュメンタリーであった。もちろん祖国の先人を称える論調は感じられたが、いちいちイデオロギーの優劣を論じたり、自国を完全無欠のように描くようなことはなく、淡々とした好感の持てるつくりでありました。その点、アメリカのヒストリーチャンネルなんかよりは見やすかったかも。もっとも、私の聴取能力ではごくごく部分的にしか聞こえず、奥野さんの解説に大部分依存したのではありますが……。とても聞きやすいのにも関わらず、すぐに意味と結びつかないのは訓練が足りないっす。


 なお、今回招かれた方々は軍事趣味者にしてロシア通揃いで、本当にロシア映像を楽しんでおられました。名前は出しませんが、私が愛読するライトノベルの作家さんもおられました。名前を聞いたときにもしやと思ったのですが、やはり。ロシア界は狭いです。こうした場に同席できたことは、本当に栄誉なことでありました。


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