アジアとカラオケ
2008年03月07日(金)
またしても研究室のメンバーによって、カラオケ&メシへと行って来た。私は先月の発熱・気管支炎以来、どうにも呼吸困難や咳が続いていたが、研究室でのこうした機会は大切にしたい。その為、夜の飲み会は欠席することにして、昼の昼食とカラオケだけ参加することとした。
今回は、参加者のうち日本人3人、中国人2人、台湾人1人である。日本人の1人はかなりのレベルで北京語を出来るので、この集団における公用語は日本語と並んで北京語も話される。私はマイノリティですわ。しかしこうした多言語、多民族、多国籍による会合は、大学院を出るとなかなかないかもしれない。だからこそ、こうした機会は大切にしたかった。
昼飯は池袋の焼肉店へと行った。1470円食べ放題。台湾人の先輩御用達の店だそうで、安い食べ放題の割には、肉の質がわるくない。リーズナブルな焼肉屋かと思いきや、客が例によって日本語以外の言語を話していたり(隣のテーブルの若い女性のグループは台湾人だった)。ここもまた、外国人が多い店のようでした。在日外国人というよりは観光客が多いようなので、単にガイドブックなどに載っているというだけなのかもしれないが。メニューが特殊なわけでもなく、在日外国人のサロン状態というわけでもなさそうなので。
そして次はカラオケ。今回は「クラナド」の曲を覚えて行きました。ただ、呼吸器の調子がわるいので、息切れしがちだったのが難点でしたが。留学生のうち台湾人の先輩は、やはり古典から最近までのアニメ、特撮、ゲームの歌を熱唱するが、いつもながら、普段の会話よりもあまりにも流暢な日本語。もちろん日本語で論文を書いて博士課程まで来ているのだから、日本語レベルは非常に高い。が、やはり発音はネイティブとは差異が出る。しかし歌だと遜色なくなるのだから、音楽は偉大である。中国人留学生や北京語の出来る日本人の先輩は、中国、香港、台湾などのポップスを歌う。このように、カラオケはもはや大衆文化として娯楽としてアジアで普及しているが、留学生曰く「昼間から酒も飲まずにカラオケに行くなんて信じられない」とのこと。まあ大学院生だから、平日真っ昼間からカラオケするのであって、日本人もたいていは飲んで夜行くことが多いはず。
というわけで、貴重な一日でありました。しかし体力が衰えており、さらには焼き肉の煙、タバコの煙でかなり呼吸器がダメージを受けており、飲み会はキャンセルして正解でした。これ以上は持たなかった……。やはり体力と健康は維持しないとダメですね。しかし無理をする価値はありました。
ちなみに中国人留学生から法輪功の文言が書き加えられた1元札を見せて貰いました。紙幣に共産党批判の文句をもあたかも印刷であるかのように書き加えている代物。もちろん紙幣の加工は違法な上、共産党批判もあまり目立つ形で行うのは危険である。しかしカネはその性質上、広く出回る。自販機の普及が頒布しやすくしている。そして1元という定額なので気軽に見せびらかしたり、ネタに使ったりできる。高額だったら然るべきところに届け出て、交換したりするはずだが、低額紙幣だからこそ広まる面もある。向こうでは珍しいものではないらしいのですが、こうしたものを見るのも留学生との接点があってこそでしょうね。
以下、今回聞いた話をもう少し列記。
・大連にもコスプレ喫茶のような店はあるらしい。だが、日本のメイド喫茶とは違い、酒を出し、カネがかかり、いかがわしいサービスをしたりする店だとか。日本人駐在員向けのガイドブックに載っていた。しかし駐在員向けの店は高くてエロい店ばかりらしい……。
・日本で今後児ポ法に抵触しかねない本は、台湾ではもっと厳しい。某留学生が帰国する際は同人誌等のコレクションを持ち帰るのが大変である。しかし爆薬でも麻薬でも金属でもない。本だから入国の際のチェックが緩い。学術書に混ぜれば多分大丈夫。むしろ台湾では共産党関係資料の方が危険だそうな。台湾は曲がりなりにも民主国家だが、20年前まで戒厳令が敷かれ、反体制派と目された人間が投獄され拷問されていた国。共産主義関係についてはまだ抵抗が大きいとか。
・台独(台湾独派)は、かつて国民党政府に弾圧され、大陸が台独を支援していた。奇妙な構図である。台湾では礼状も通知もなし人がしょっぴかれて処刑され、そのへんに埋められることがかなりあった。逮捕・処刑については家族にも知らされず、突然人が消える。それが台湾国民党の暗黒史である。
・日本人の先輩が東南アジアへ調査旅行へ行くと、成田で必ず止められるとか。
「一人で行ったんですか」
「何しに行ったんですか」
「一人で観光したんですか」
「(地名)で何をしたんですか」
やはりある程度の年齢になって、社用でもないのに一人で外国をうろつくのは不審がられるそうな。
・別の日本人院生は台湾入国の際、「1973年生まれで学生だってよ」と係官が隣の係官に笑って話したそうな。もちろん北京語を理解する先輩は、「でもまあ院生なんですけどね」と返すと苦笑いしてたそうだが。
・香港のドラゴンエアラインは安心できる。アテンダントは中国語をしゃべるし、にこやかである。一方、キャセイの中国人アテンダントは中国語しゃべらない。中国語で話しかけても返事は英語。冷淡である。しかしドラゴンエアラインのアテンダントもモノを投げるし謝らない。アメリカと中国大陸のアテンダントはとにかく謝らない。
・武漢の旧空港は、もっとも危険な空港。二番目に危険な啓徳空港はオーバーランしたら海。しかし武漢はマンションへ突っ込む。さらに着陸誘導装置がない。
・整備は香港がいちばん優れている。アモイで飛行機のレーダーが故障したとき、香港でないと修理できなかった。「レーダーが使えないから啓徳へは目視で着陸する。落ちても知らんが、乗りたけりゃのれ」と航空会社。日本人団体の通訳をしていた某留学生は、「空港設備の問題で香港に行く」としか通訳できなかった。