last up date 2004.01.26
渡露・在露経験のある知人・友人・親戚・教員から聞いた、ロシア話の集積場。
もちろん、ロシアに渡り、ロシアに長く住んだからと言って、それでロシアないしロシア人を一刀両断できるわけはない。何年何十年住んでも、「ロシアでは」「ロシアとは」「ロシア人は」などと大主語で語れないのがロシアである。もっとも、それは中国もアメリカも日本も同じだが。さらに言えば、発言者の悪意・偏見・誤解・誇張・恣意的な歪曲は必ず含まれているであろうことと、私が発言者の伝えんとしていることを解釈しきれていないかもしれないことに留意されたし。
最終更新日現在、私自身は未だ渡露経験はありません。
モスクワではボルボやBMWが多い。トヨタや三菱も進出してはいるが距離が遠い。トヨタがモスクワあたりに工場を建てるらしいがどうなることか。ウラジオストックやハバロフスクでは、ほとんどが日本の中古車。救急車から市役所の車、個人商店の配達車まで、塗り直しもしないで走っている。モスクワではそんなものはない。
欧米でも、他の多くの国でもそうだが、ロシアでもまた、外国映画は吹き替えで上映することが圧倒的に多い。字幕はほとんどない。映画館で上映される映画では、ちゃんと役に適した声の声優が吹き替えをしている。
しかしテレビで放送している安映画や外国ドラマの吹き替えでは、男1人女1人ですべての役の声を当てていることがザラである。あたかも「まんが日本昔話」。セリフが交錯するシーンでは、誰のセリフやら混乱する。さらには、男1人ですべての声を当てていることさえもそう珍しいことではない。1人の男が、女も含めた全ての登場人物の声を当てる。男女が愛を語らうシーンなんかでも、1人の男が全てのセリフを言う。気持ち悪い。さらに言えば、ロシアのTVの吹き替え声優は、棒読みである。感情がまったくこもっていない。これらはすべてコスト削減のためである。
もちろんテレビでもきちんと複数人数の声優を用意し、気合い入れて演技している番組もあるし、映画館の映画は大抵はちゃんとしている。ただし、7年前(1996年)当時、ロシアの映画館に弁士が居たという事例も聞き及んでいる。
「スターウォーズ」なんかでは、冒頭で英文であらすじがせり上がってくる。日本だと、せり上がってくる英文はそのままで、下に日本語の字幕入る。しかしロシア版「スターウォーズ」では、英文の替わりに露文がせり上がってくる。カネのかけ方がおかしい。
ロシアの映画館の料金は、上映時間によって違う。早朝が安く、時間が遅くなるほど高くなる。早朝と夜とでは、値段は三倍ほど違う。
ロシアで上映される映画は、アメリカ映画が多い。ただし、タイトルは英語タイトルをロシア語に直訳したもの。
いくつか例示してみたい。
・Звёздные Войны
日本語に直訳すると「星々の戦争」。
もちろん「スターウォーズ」。
・Человек-паук
直訳すると「蜘蛛男」。江戸川乱歩か!
これは「スパイダーマン」。まだ簡単だが、感じが違う・・・。
・Звуки Музыки
直訳すると「音楽の音」。なんか妙な響き。
これは「サウンド・オブ・ミュージック」。そのままと言えばそのままだが。
・Люди в Чёрном
「黒に包まれた人々」。何のサイコ・スリラーですか。
こちらは「メン・イン・ブラック」。徐々に難しくなってきた。
・Корлевская Битва
日本映画。「王権の戦い」。いかなる歴史スペクタクルでしょうか。
答えは「バトルロワイヤル」。簡単と言えば簡単だが、まったくもってわかりにくい。
ロシアの郵便局の窓口には、男性はいない。
絶対1人もいないのかどうかは知らないが、ソ連時代から何十年とロシアに関わってきた人曰く、一度も見たことがないとのこと。
ロシア正教でクリスマスとは、1/7を指す。ロシア正教はユリウス暦を現在も採用しているため、グレゴリ暦とはズレがある。しかし「カソリックのクリスマス」として、12/25も祝う。さらに言えば、子供へサンタ(Дед Мороз)がプレゼントする風習は、ソ連時代に年越しと一緒にされてしまったため、1/1もクリスマスの色彩を持つ。ロシアに於ける正月の象徴は、サンタともみの木が含まれる。このように、ロシアには3度クリスマスがある。ついでに、ユリウス暦の正月は1/13である。そのため、12/24〜1/13は、お祭り騒ぎの期間になっているらしい。職場にもよるが、2週間ぐらい休みがとれたりもするとか。
モスクワの冬、-10℃なんて寒い(мороз)と言わない。寒いと言ったら、だいたい-20℃をぐらいからか?
1990年代の混乱期、ある先生(日本人のロシア語教師)がモスクワに滞在していたとき。現地での仕事を終えて、メトロで宿泊先に戻ってくる夜道で、何かにつまずいた。人らしかった。どうせウォッカが回った酔っぱらいだろうと気にもしなかった。酔っぱらいなんかは珍しくもない。
翌日再び仕事に出るためメトロ駅に向かったら、昨夜の場所に人だかりが出来ていて、ミリツィア(警察に匹敵)がなんやらやっていた。見ると、ミリツィアが脳天を拳銃でぶち抜かれた死体の検証をしていた。
ロシアの暴力は恐ろしい。何がマフィアで何がマフィアではないと簡単に言えないほど、暴力は浸透している。国会議員の暗殺などたまに耳にするし、大学の学長選挙なんかでも拳銃で殺したり殺されたりという話を聞く。(数少ないであろう)正義派の弁護士や事件記者の家が軽機関銃(短機関銃ではない)の掃射をされたり、手榴弾でフラットごと吹っ飛ばしたりなんてことも、まったく珍しくもない。さらには、ショバ代を払わないという理由で、газетный киоск(ガジエトニィ・キオスク。街角にある新聞売り場。小さな小屋)が対戦車地雷で爆破されたこともあったとか。私が習ったロシア語の先生が、ある日街を歩いていたらケシ炭のようなものがあって、「あれ、ここに新聞売り場があったよな」と思って通りがかりの人に聞いたら、対戦車地雷でやられたらしいとのこと。マジっすか。しかしありそうな話ではある。