last up date 2005.03.22
渡露・在露経験のある知人・友人・親戚・教員から聞いた、ロシア話の集積場。
もちろん、ロシアに渡り、ロシアに長く住んだからと言って、それでロシアないしロシア人を一刀両断できるわけはない。何年何十年住んでも、「ロシアでは」「ロシアとは」「ロシア人は」などと大主語で語れないのがロシアである。もっとも、それは中国もアメリカも日本も同じだが。さらに言えば、発言者の悪意・偏見・誤解・誇張・恣意的な歪曲は必ず含まれているであろうことと、私が発言者の伝えんとしていることを解釈しきれていないかもしれないことに留意されたし。
最終更新日現在、私自身は未だ渡露経験はありません。
ロシアの大きな書店では、本に電子チップから貼られており、カネを払わないで出ようとすると、ゲートで警報が鳴る。出口には守衛が待ちかまえている。しかしロシアが導入した機器は精度がよくないのかレジできちんと処理をしていないのか、カネを払っても警報が鳴ることもしばしば。守衛にレシートを見せれば無事に帰れる。ただし、間違って警報が鳴って捕まえられて、無実を証明できても守衛は決して謝りはしない。
ロシア人のつくるものには、どんなくだらないものにもドラマ性が強く織り込まれている。ドラマ性のあるものがロシア的だとして好まれる。外国人向けのロシア語テキストでさえも。
例えば、私が持っているソ連製の教科書も、たった一枚の挿絵にも相当なドラマを読みとれる。ひげ面でボロをまとった男が、枯れた花束を持って時計の下に立っていて、その向こうを身なりのよい紳士と一緒に、子供を３人連れて歩く婦人がおり、彼女がヒゲ男に言うのだ。
「まだ私を待っているの？」と。
ロシア人が「さようなら」と手を振るしぐさは、「ちょっとこっちにこい」と言っているように見える。つまり、掌を相手に向けて、タテに振るのだ。
日本に来たロシア人は、トイレを流さないことがある。ロシアではどうせ水が出ないから、流さない習慣がついているのだ。公衆便所ではもう、まず水なんか出なかった。レーニン図書館からシュレメチボ空港に至るまで、便所は流れなず、悲惨な様相を呈していた。国際空港に関しては、今はキレイになっているが。
だがしかしロシアではトイレをさがすのが一苦労である。スーパーなんかに入っても公衆トイレなんかはない。カネを払って従業員用をかりるしかない。駅構内にもトイレはない。しかし乗り物に乗るときにトイレに行くのは万国共通なので、駅周辺には必ず公衆便所がある。ただし、どんなに必死に探していてみつけたのだとしても、入ったとたんに便意も失せるような有様だというか・・・。
ちなみに男性用便所はムシーナな「М」が目印。
10年くらい前まではソ連・ロシアでは盗られないようにするため、パスポートはスーツケースに鍵かけて置いておき、持ち歩かないのが鉄則だった。だが今は、常時携帯していないと取り調べが厳しい。いわゆるテロの横行とは関係がない。外国人とロシア人との平等化政策である。
ロシア人も国内パスポートの携帯が義務づけられている。取得には大変な時間と労力が必要である。しかも国内パスポートには、学生時代の成績からなにからすべて記載されている。一方外国人は、職務質問させても学生証でも出して外国人と示せばよれでよかった。それが不平等だというので、外国人にもパスポート携帯を厳しく義務づけた。
ロシアの鉄道は、未だに糞尿を線路に落とす。だから街から20分の区間は便所が閉鎖される。つまり駅にいるときと、駅に近いときは、便所は閉まっているということだ。車掌にカネを払うと開けてはくれるが。
ちなみに列車の便所の便器をはずして、そこから人を落として殺した事件が現実に起きている。
一等車はホームの最も遠いところに止まる。ホームは危険である。しかもホームの長さは日本のターミナル駅の２倍。女１人では行かせられない。タクシーさえも駅の近くまでは行ってくれない。近づきすぎると渋滞で身動きがとれなくなり、その隙に車をぶっ壊されて部品とられたりする。
だから鉄道では送迎が必要だ。送り迎えを頼むときは、何号車の入り口までとちゃんと指定しておくが吉。カネは高くなるが、そこまでした方がいい。
ついでに、ホームに屋根があることは稀だ。モスクワにはあるが、ノブゴロドなど地方都市にはない。猛烈な雨や雪のなか、スーツケースを持って長いホームを歩くハメになりうる。
ロシア人女性の凄いところは、男同士が険悪になりはじめたら、それを察して場の流れを変えてしまうことが挙げられる。私の祖母は飯場で荒くれ者がヤバくなったら、包丁ややばそうなものはさりげなく隠したという。それに近いものがある。
自己申告によれば、民警の89パーセントは不正をしているという。自己申告で89％ということは、現実にはほぼ100パーセントである。わざと書類手続きを遅れさせてカネをとるような小悪党が89％で、もっと深刻な大悪党が11％と見るべきか？
交通警官が「止まれ」と言って、ドライバーは交通警官に向かって「俺のことか！？」と叫んで確認をとる光景がよく見られる。これは警官を挑発しているのではなく、無視して走り去ったら罪に問われるから確認しているのである。そして顔を出したときに貧乏そうな奴だったら、「もういい、行け！」で、外国人連れや金持ちだったら難癖つけてカネをとる。