last up date 2007.04.26

 渡露・在露経験のある知人・友人・親戚・教員から聞いた、ロシア話の集積場。
 もちろん、ロシアに渡り、ロシアに長く住んだからと言って、それでロシアないしロシア人を一刀両断できるわけはない。何年何十年住んでも、「ロシアでは」「ロシアとは」「ロシア人は」などと大主語で語れないのがロシアである。もっとも、それは中国もアメリカも日本も同じだが。さらに言えば、発言者の悪意・偏見・誤解・誇張・恣意的な歪曲は必ず含まれているであろうことと、私が発言者の伝えんとしていることを解釈しきれていないかもしれないことに留意されたし。
 最終更新日現在、私自身は未だ渡露経験はありません。


「KGB世界都市ガイド」117ページに記されているところによると、KGB職員は「УВ」とKGB議長時代のアンドロポフを読んだという。別に影で隠語のように呼んでるののではなく、尊敬を込めて当人に呼びかけたそうな。


 誰が誰にどのようにして取った統計か知らないが、シェレメチボ空港に関する外国人の不満は、

1,照明
2,便所
3,タクシーの客引き

の順位だという。

 特に、空港に降り立つとやけに暗いのが、ロシアの第一歩としてはあまりにも衝撃だという。だが、プーチンが外国人記者からのシェレメチボの空港に関する不満を聞いて、「今から行って確かめてやる」とシェレメチボに乗りこんだら、照明は燦然と輝いていたという。そしてプーチンは「暗くなんかないだろう」と怒ったという。シェレメチボにももちろん明るい照明は存在するわけで、外国からの賓客や国家の重鎮が発着するときには明るくする。ちなみにこのとき空港が明るくなったのは、プーチンが「これから行ってやる」と言った直後だったという。これは空港にいた外国人記者が報告している。

 こういう手口はロシアでは伝統的である。これを「ポチョムキンの壁」という。つまり部下がウソをついて権力者に国情を伝えないわけだ。「ポチョムキンの壁」とはエカチェリーナが視察に行くとき、エカチェリーナが行く先々で農民が懸命に働くよう仕向け、さらには壁のような風景の絵を立てたという。これを指揮した人物の名がポチョムキンである。


 出入国管理で、モスクワやペテルブルクは大分マシになったが、ウラジオストックやノボシビルスクではまだまだ問題が多いという。PC、デジカメ、GPS付き携帯電話なんかを取り上げられたり。GPSは禁忌だとか。さらには入国の時には「申告書は要らない」としておいて、出国の時に「申告書がない」としてPCなどの高額商品を没収する手口もある。「我が国の財産を持ち出す気か」と。東芝やソニーの日本語版OS搭載のPCは、ほぼ間違いなく日本人の私物であるに決まっているのだが、それが手口である。騒いだら監獄にぶちこまれることもある。ここでどうするかと言うと、カネを払って没収をカンベンしてもらう。だがカネもモノも取る奴もいる。


 ソ連/ロシアの郵便事情はよろしくないので、文通では何通目の手紙かわかるように数字を打ったりすると言う。何通目が紛失したかわかる。ただ、ソ連時代に手紙の紛失を郵便局へ抗議に、日本人とロシア人が八重洲の国際郵便の調査書を持って押し掛けたら、日本人は客室に軟禁され、ロシア人は治安機関に捕まり、電気拷問を受けた事例もあるという。1970年代のことである。


 零下30度のときに手袋をしないで車のボディーに触れたら、手がボディーの鉄板に張り付いて取れなくなる。こういう事故は多い。ボディーの鉄板を切り取って、火傷覚悟でバーナーで熱して離すという。しかし真皮組織まで傷が付いて一生残るとか。左手が多いとか。


 налететьという語は、ロシア人特有の飛翔感覚を表す場合もある。飛び込み自殺もналететьを使う。壁にналететьして死ぬ場合もある。


 ロシアでは、心筋梗塞や脳溢血なんかで、そこいらで人がよく死ぬ。人が死んでも誰も驚かない。どこで誰が死んだという話は口コミですぐに広まる。


 ロシア語でпартизан(パルチザン)というコトバは、「ゲリラ」という一般軍事用語ではない。第一義としては、独ソ戦のときにドイツ軍と闘った民間部隊のことしか指さない。ドイツ軍の侵攻によって公称2000万人とも言われる死者を出したソ連にとって、ドイツ軍に対して決死の抵抗を試みて、その多くが戦死しあるいは残虐な方法で処刑されたパルチザンは、特別な意味を持つのである。


 ロシア人にとってコトバとは、「話せるかどうか」でしかない。日本人留学生なんかにありがちなごとだが、普段あまり話さない奴が筆記試験では出来るとカンニングを疑われるという。 


 ソ連時代、コンポートの缶詰は庶民にはとても手が届かなかった。だからコンポートは作るものである。リンゴを砂糖に漬けて、煮て、乾燥させて作る。そしてまた煮て戻す。ただしその行程で小さいゴキブリが入って一緒に食ってしまうことも・・・。
 コンポートは「甘くてまずい」とか。


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