「元の切り下げ、当分ない」
経済学部の海外事情講座・矢吹教授



 経済学部の海外事情課外講座(後期)が12月19日まで開かれているが、中国の江沢民主席が来日中の11月28日、中国研究の第一人者として知られる、横浜市立大学・矢吹晋教授による「中国経済の展望」の講義が行われ大盛況だった。
 矢吹教授はまず「日中共同声明の署名が行われなかったことをはじめ、江沢民氏の今回の訪日は失敗ではなかったか、と思う」として、「中国側が『1つの中国』と『謝罪』を共同声明に明記させようとしたことは間違いであり、また日本側も中国への対応についての対外的なPRが不足していた」と説明した。
 本題の中国の経済の現状については、「朱鎔基首相のもと、着実に伸びており、GDPの年率8%増の目標は、毎年1000万人の雇用を創出するためにも必要であり、今年も目標に近い数字は達成できよう。現在の中国は“発育盛り”であり、ちょうど我が国の東京オリンピック直前のような建設ブームで、活力がある」という。
 ただし、昨今の世界的な金融不安に対し、中国が「元を切り下げずに犠牲を払って頑張っている」と言明していることについては、「実はとっくに切り下げていて、当分さらなる切り下げはあり得ない。対米ドルレートの推移を見ればよくわかることであり、中国の言うことをうのみにして報道しているマスコミは勉強不足に過ぎる」と、中国の現状を講義した。