編集を終えて

17回よこはま21フォーラムの企画委員会は、石井安憲教授を委員長として1998年春に成立した。主題を「ヨーロッパ統合と日本」とすることは、1998年冬に決定し、直ちに準備作業を開始した。その後、石井教授が早稲田大学に転職することになり、矢吹がピンチヒッターとして委員長に就任した(1999年秋)

2000427日、第1721フォーラム委員会が開かれ、企画委員会の進めてきた計画案が正式に追認され、同時に予算案も確定した。

ヨーロッパ統合については、ジャーナリスムその他でさまざまなシンポジウムも行われていた。そこで企画委員会としては、大学が主催するシンポジウムにふさわしいもので、質的に高度であり、かつ密度の濃い多言語国際会議とする基本方針を固めた。その成果の一端は、本報告書から読み取ることができるとわれわれは自負している。

企画委員会が終始悩まされ続けたのは予算上の制約であった。外国人ゲストの渡航費用の一部を科研費から支出することや、フランス大使館にフランス人ゲストの渡航費支援を求めるなど、さまざまの工夫が試みられた。この報告書を『横浜市立大学論叢』の1冊として刊行することも、予算上の制約を克服する試みの一つである。

シンポジウムの結果がこのような形でまとめられた機会に、内外のゲストの諸先生、シンポジウムの共催団体として財政的支援を賜った()横浜学術教育振興財団をはじめ、ご芳志を頂戴した各位・各団体に対して厚くお礼を申しあげたい。

「興味深い議論に参加できて幸いであった。できれば後日、討論をさらに深めたい」という趣旨のメールがいくつか外国から届いた。この報告書によって、今回の討論の論点が明らかにされ、後日これらの論点がさらに深められることを期待して擱筆する。

 

なお、シンポジウムの進行状況は終始、大学ホームページに『ニュースレター』として、逐次公表された。いまそのタイトルを掲げておけば、以下のごとくである。

21フォーラム『ニュースレター』「ヨーロッパ統合と日本」

第1号「ニュース創刊」 / 2号「多言語国際会議としての21世紀フォーラム」 / 3号「ゲストへの手紙」 / 4号「ケルブレ教授からの手紙」 / 5号「ヨーロッパ史における戦争と平和」 / 6号「第3セッションの主題と方法」 / 7号「MITピオーリ教授への招請状」 / 8号「21世紀フォーラムの問題意識」 / 9号ダベーヌ教授レジュメ「フランスとヨーロッパにおける多言語主義の問題」 // 10号メルレル教授レジュメ「『国民国家』というパラダイムの背後のethnos問題」 / 11号ケルブレ教授レジュメ「ヨーロッパ諸社会の収斂」 / 12号ユルゲンス教授レジュメ「収斂か多様化か?:ヨーロッパの生産システムと労使関係」 / 13号「21世紀フォーラム会議通訳について」 / 14号フランク教授のサマリー「ヨーロッパ統合の経験から何か学ぶことは可能だろうか?」 / 15号「シンポジウムの核心を手短に要約すると(記者会見用資料)」 / 16号「MITピオーリ教授のレジュメ(西島益幸試訳)」 / 17号総括セッション・レジュメ「阿部謹也学長の『総括と論点』」/ 18号「シンポジウム参加者ご紹介」 / 19号「List of Participants / 20号「配付用レジュメ(日本語) / 21号「Index and Resume(non-Japanese) / 22号「グローバリゼーションとヨーロッパ統合に関する考察(千葉大学、雨宮昭彦) / 23号「阿部謹也教授の総括報告」 / 24号「歴史セッション・廣田功教授のコメント」 / 25号「歴史セッション・小野塚知二教授のコメント」 / 26号「歴史セッション・永岑三千輝教授の総括」 / 27号三浦信孝「フランスから見たヨーロッパ統合の諸問題――移民・言語・経済」 / 28号野村正實「第1セッションへのコメント(英文) / 29号フランク教授「ヨーロッパ統合の他大陸にとっての含意(英文) / 30号メルレル教授「第3セッション報告(イタリア語) / 31号ケルブレ教授「第2セッション報告(ドイツ語) / 32号石川文也助教授「第3セッション総括--通訳と多言語国際会議」 / 33号西島益幸教授「第1セッション総括--その1 / 34号吉田誠助教授「第1セッション総括--その2 / 35号デュムラン教授「第2セッション報告(フランス語) --Trois petits font-ils un grand ? / 36号小島健教授「第2セッション報告--ヨーロッパ統合におけるベルギーの役割」 / 37号高鮮徽助教授「第3セッション報告--外国人労働者と留学生」 /38号野原光教授「第1セッションコメント--冷戦体制崩壊とグローバライゼイションの時代における社会批判の能力回復を模索して /39中岡哲郎教授「第1セッションコメント /40 松井道昭教授「第4セッション総括--統合と多様性/41 新原道信助教授「第3セッションの総括--統合しないヨーロッパ・願望のヨーロッパ/ /

20001221

企画委員会を代表して    矢吹晋(横浜市立大学教授)