2001/09/01 公開
担当:カルネアデス

ADAM THE SPIRAL FACTOR

#19 Ver.α


 地下駐車場から本部へ向かう佐久間たち。

 天城小次郎は氷室恭子、桐野杏子の肩を借り、階段を上っている。
その背後には少年が万が一の為の支えになるべく付き添っている。

 ザ―――――――――――――――――――――――――――。

 雨音が近づいてきた、もうすぐ一階だ。

 前を行く佐久間と甲野に緊張が走る。
内調を襲った爆弾魔が、万に一つでも追って来ていないとは言い難い。

 念には念を入れる。

 入れすぎた念に損は無い事を知っている、二人であった。
対処できる確率を確実に上げることが出来る‥‥と。

 カツ〜ン。 カツ〜ン。

 雨音に掻き消され気味の足音が聞こえた。歩みを止める一同。
佐久間が進むのを止めるのに気付いた桐野が氷室を見る。

 桐野の視線を受けた氷室はその視線を肌で感じながら、
前方にのみ注意を払う。後方への配慮は少年に任せていた。

 少年はかに歩き気味に階段を上っていた。
足場の悪い階段で同じ段に足を揃えていてもしもの事があっても、
小次郎を支え、ふんばる事がこちらの方が容易な気がしたからだった。

 それに、横歩きだと後方へも注意が向けられた。

 カツ〜ン。 カツ〜ン。

 先ほどよりも確実に近く、足音が近づいてきた。
佐久間と甲野が懐を探りながら、2段ほど階段を一瞬で駆け上がる。

 氷室と桐野と少年が階段を半歩、階段を降りる。


to be continued ... ?


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