2001/08/31 公開
担当:カルネアデス

ADAM THE SPIRAL FACTOR

#18 Ver.α


松乃広美「ねぇ‥‥」

江国雄二「‥‥はい?」

松乃広美「この人と私、どちらがおばさんに見える?」

江国雄二「あのね、今はそんな事言っている場合じゃ‥‥」

松乃広美「私なのね‥‥」

江国雄二「おねぇさん、しっかりしてよ」

松乃広美「ほんと‥‥おばさんよね‥‥」

江国雄二「ち‥‥んな事、言わないでください」

松乃広美「私の不注意でこんな‥‥」

江国雄二「‥‥けど大事には至ってませんよ」

松乃広美「自信無くすわね‥‥」

江国雄二「‥‥‥‥(参ったなぁ)」

 だきっ。

松乃広美「あ‥‥」

江国雄二「しっかりしてよ、天城さんが待っている」

松乃広美「‥‥‥‥」

江国雄二「‥‥‥‥」

松乃広美「‥‥‥‥」

江国雄二「‥‥‥‥」

松乃広美「‥‥ねぇ」

江国雄二「嫌だ」

松乃広美「まだな‥‥」

江国雄二「にも言わなくてもわかるよ‥‥だからい・や」

松乃広美「‥‥いじわる」

江国雄二「勝手に嫌ってくれよ‥‥ったく」

松乃広美「ねぇ‥‥キスして‥‥」

江国雄二「広美さんがまともな状態になったらね‥‥」

松乃広美「‥‥いじわる」

 松乃の腕が雄二を強く抱き締める、
「何でこんなことをやっているんだろう」そう思う雄二。
この前佐久間さんに頼まれたばかりでイキナリとは‥‥
またこんな事あったら杏子に合わせる顔が‥‥。

 雄二の胸の中で嗚咽を漏らす広美。
一度堰(せき)を破(き)った感情は止(とど)まる事を知らないように‥‥。






江国雄二「なんでしたら俺が運転しますよ?」

松乃広美「いいわ、甘えたらすっきりしちゃった」

 結局俺の膝の上にはさっきの女性が居る。
これを回避したいが為の提案だったんだけど‥‥。

松乃広美「駐車場から降りるより玄関に通すわよ?」

江国雄二「ええ、今はそっちの方が良いですね」





 監視機構本部についた。

 膝の上に居る女性を担ぎながら降りるのは骨なので
松乃さんが先に下りて手伝ってくれる。

 その時、建物の入り口から人声が聞こえた。

 佐久間さんだ、本部長さんだ、安全運転してくれたんだな。
寄り道した俺達と出会えるぐらいなんだから。


to be continued ... ?


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