ザ―――――――――――――――――――――――――――。 佐久間裕一「ぶ‥‥部長」 懐から手を抜き、安堵の笑みを浮かべる佐久間。 部長「雄二君から連絡があったから、準備は出来ているわよ。一応」
一応、と言う単語に若干、何かの感情が含まれていた。 部長「少し処置が甘いわね、佐久間君にしては‥‥」 振り返り、二階へと歩みだす部長。数段上った後、振り返る。 部長「走りながらでもしたのかしら‥‥ね」 ザ―――――――――――――――――――――――――――。 部長「‥‥いつまでそうしているつもり。迅速に(はやく)なさい!!」 先ほどまでの柔らかい口調とは一転して、厳しい口調になる。 桐野杏子「は、はいぃぃぃ!!!!!」
その科白に速答したのは桐野杏子、ただ一人だった。 ききききききぃぃぃ!!!! 部長「これで準備はすべて整ったわね」 その科白は雨音と車の音で掻き消され、聴いた者はいなかった。 |
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