雲の上まで遥か高く聳(そび)えるイルージアの山‥‥ 「そこを何とか頼む!」 「駄目だといったら駄目だ!」 「何故だ、お前達は闘いが見れれば‥‥なんだって良いんじゃないのか!?」 バン! 押し問答をしている片方が机に向かって拳を叩きつけた。
マナの樹は、宇宙の全ての力を感じ取り、 「俺はそういうのはあまり好きじゃない‥‥だから何とかしてやりたい。」 「‥‥‥‥。」 「だが‥‥そういう決まりだ、すまん。」 「‥‥くそっ。」
マナの樹に纏(まつ)わる伝説には以下の事が言い伝えられている‥‥ 「なんだ? 騒々しいぞ。」 「‥‥‥‥!?」 罵声には罵声と言わんばかりの呼びかけに、その場に居た者の視線がその罵声に集中する。
殺戮(さつりく)と恐怖で世界の征服を企(たくら)む 「シャドウナイトォォ!!」 ラジャはシャドウナイトを目前に確認した瞬間、全力で跳ねた。
ラジャの剣がシャドウナイトの頭部を捉えたかに見えたその刹那、 「‥‥っ!?」 シャドウナイトに襲い掛かったはずの剣は見えない壁によってその往く手を阻まれた。 「‥‥はぁっ!」 シャドウナイトの横から飛び出してきた人影に吹っ飛ばされるラジャ。
「さあ闘え奴隷ども! シャドウナイト様に最高のショウを見せるのだ!」 「‥‥ぐっ!?」 ラジャは見えない力によってシャドウナイトから後退せざるをえなかった。 「ジュリアス‥‥?」 「シャドウナイト様に剣を向けるとは‥‥。」 ジュリアスが前に差し出す両手の掌に熱気が集まってくる‥‥。
ラジャはグランス公国の闘う奴隷として仕えていた。 「無礼者がぁぁぁ!!」 ジュリアスの魔術『ファイア』がラジャを襲う!! ごおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!! 「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ラジャは楯でその炎から身を守る‥‥が、炎の勢いは凄まじく、 ばしゃっ!
ラジャが炎に包まれるか否かの瞬間、ラジャに向けて水桶が投げ込まれた。
ラジャとその仲間達は、モンスターとの命懸けの闘いを毎日強(し)いられていた。 「‥‥こんな所で火遊びしないでくれないか?」 「‥‥う‥‥ウィリー‥‥。」 「ウィリー‥‥だったな、次で百連勝の。」 「誰かと思えばシャドウナイトさんにジュリアスさん‥‥こんなところに何の御用です?」 「‥‥ふ、通り掛ったらそやつが突っかかってきたのだよ。」 かちゃり‥‥。 ウィリーが腰の剣に手をかける。
「では俺の相手もして貰おう‥‥周りは雑魚ばかりでな‥‥ 「‥‥‥‥。」 ウィリーの一言によって、その空間は凍りついたと錯覚するような沈黙に支配された‥‥。
牢屋から出されては闘わされ、 「‥‥よかろう、ジュリアス、手出しは無用!」 シャドウナイトがそう言って静寂を破った瞬間、無手でウィリーに向かって跳ねた。 ウィリーも剣は抜かずにシャドウナイトへ向かって一歩を踏み出す。 二人が交差する刹那、両手を組み合い、力比べを始めた。 「‥‥ぐっ。」 先に声を上げたのはウィリーだった、それも何か喉に詰まったような声を。 「‥‥どうした、その程度か?」 ソレに対してシャドウナイトは先ほどと変わらぬ口調で尋ねた。 「‥‥っ。」 その問いかけに答える余裕が無いと言わんばかりのウィリーは壁に向かって投げ飛ばされた。 どがっ! 「うおっ!?」
壁に叩き付けられたウィリーはそのまま壁にもたれかかってシャドウナイトを一瞥する‥‥が、
そしてウィリーの視線は天井へと強引に移動させられる‥‥
しかし‥‥ 「これで終わりにしてやる‥‥。」
シャドウナイトがその一言を放った刹那、
シャドウナイトの右手が左腰に納められている剣の柄を握った刹那、 「遊びは終わり‥‥そういうことだ。」 シャドウナイトはウィリーを解放した。
ウィリーは足の裏、膝と順に付き、
しかし‥‥奴隷達は度(たび)重なる負傷と疲れの為、次々と倒れていった‥‥。 聖剣伝説ジェマとマナと‥‥ |
あとがき こんにちは、カルネアデスです。
えー、なんか思っていたより長くなってしまいました、
丁度今年でGB版聖剣伝説(1)が発売されてから10年目と言う‥‥
攻略本も出ているらしいですが確か三冊ほどあった記憶が‥‥
かろうじて音楽CDは一枚だけ売っていたので
お約束事項として、タイトルと主役の名前‥‥苦労しています、未だに考え中です(冷汗)
あと倫子さんから御貸し頂いたMIDIを使用させていただきました。 |
Rising Sun 作曲:伊藤賢治 NTT出版/ポリスター - PSCN-5029_08 ファイナルファンタジー外伝 聖剣伝説 SOUND COLLECTIONS に収録されています。 MIDI 作成 倫子さん |
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