聖剣伝説

死闘は終わった、シャドウナイトの圧倒的な力の前にウィリーは敗北を記した。 直後、ウィリーに治療は施されたが‥‥。 「ウィリー‥‥‥‥‥‥死ぬなぁぁぁ！！」 　ラジャの腕の中で意識を取り戻したウィリーは口元を緩め、軽く微笑んだ。 「‥‥ラジャか、ふふ、ざまあなかったな」 　そうこうしている間にもウィリーの包帯まみれの身体からは血が染み出している。 先ほどの闘いで受けた傷は治療の甲斐などは無力だと言わんばかりに‥‥。 「どうせ明日の相手は‥‥シャドウナイトだったんだろう、 俺の為に騒いでいたんだろう？」 「‥‥‥‥」 「‥‥ふふ、俺の身体に異変があるのを知ったんだろう？」 「‥‥‥‥」 「それで明日の俺の死合（しあ）いを先送りにする為に‥‥ 俺と変わろうとした、そうだろう？」 「‥‥‥‥」 「時として沈黙は‥‥絶対的な肯定にもなるんだぞ‥‥」 「ウィリー‥‥」 「ふふ‥‥そんな顔をするな、今日か明日かの違い‥‥それだけだ」 「ウィリー」 「‥‥俺のやりたかった事、やってくれないか」 「何を弱気な事を‥‥ウィリー‥‥しっかりしてくれ」 「マナの樹を‥‥頼む」 「よく聴かせてくれたマナの樹の事‥‥ジェマの騎士の事か、僕にそんなそ‥‥」 　ウィリーは指一本立てながら、ジェマの口元に 「それ以上言うな」と行動を静止させるように‥‥触れた。 「大丈夫だ、お前には素質が有る、俺様の太鼓判付だ、自信をも‥‥‥‥ごふっ」 そう最後に告げて、ウィリーは口から血を噴き出し‥‥息絶えた。 「ウィリ―――――――――――――――――――――――――――――！！」 「ラジャ‥‥」 　ウィリーの部屋を出るラジャの背中に同じく奴隷闘士であるアマンダが声を掛けた。 　アマンダは女である、変な言い方かもしれないが 闘う奴隷の中に女性が含まれている事は決して珍しい事ではなかった。 　『奴隷は等しく平等である！』と言わぬばかりに‥‥。 「‥‥‥‥」 「ウィリー‥‥は‥‥」 「‥‥‥‥」 　ラジャはアマンダに顔を向けることなく首を振った。 「そうかい‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 　ウィリーとシャドウナイトの死闘の時と等しい静寂が再び訪れる‥‥ 全世界がその静寂に包まれたように、静かなものだった。 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「ねぇ、ラジャ‥‥」 「ああ‥‥判っている。お前の弟には是が非でも逢ってみたい」 「そうかい‥‥絶対に成功させなきゃね」 「ああ、ウィリーの為にも‥‥な」 　現時点での最強の奴隷闘士と謳われた『ウィリー』が帰らぬ人となり、 封印されていた計画が発動されるその時がやって来た。 　ウィリー亡き今、奴隷闘士達の士気、闘争心は下がり続け、 このままではみんなが死んでしまう事は容易に想像できた。 　グランス公国のシャドウナイトとジュリアスを打ち倒す事ができれば‥‥ この計画の発動は永久凍結。しかし、それが出来ない事態には‥‥。 　ウィリーの死によって奴隷闘士達の戦闘力は著しく低下。 これにより計画は発動せざるを得なくなった。 　明日の為に計画は発動されるべきである‥‥と。

to be continued ...

あとがき 　こんにちは、カルネアデスです。 　えー、続きを書くのを忘れていました (^^; ブギーさんに掲示板で催促いただいたので気が付きました (^^; それと先を決めかねていたので手付かずでほったらかしでした。 　今回もＭＩＤＩをお借りしました。 その日のうちに返事が返ってきてしまったので驚きでしたけど (^^; 　これでも１週間ほど前から出さなきゃ出さなきゃと思いつつ、 出しそびれていたのですが‥‥ねぇ。ありがとうございました、妖星狂美さん。

Requiem 作曲：伊藤賢治 ＮＴＴ出版／ポリスター - PSCN-5029_10 ファイナルファンタジー外伝 聖剣伝説 SOUND COLLECTIONS に収録されています。 MIDI 作成 妖星狂美さん

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