いまだにミナトに連行されているユキナ。 白鳥ユキナ「ちょっと放してよ!」 ハルカ・ミナト「だ〜め! まったくこの娘(こ)はおせっかい焼きなんだから……。」 白鳥ユキナ「……お姉ちゃんもでしょ。」 そこに、飲み物を買い終えたハーリーとジュンに出会う。 マキビ・ハリ「あれ、ミナトさん? こんにちは。」 アオイ・ジュン「なんでミナトさんまで……。」 白鳥ユキナ「ギロッ!」 アオイ・ジュン「びくぅ…………。」 ユキナの熱いまなざし(?)に射抜かれるジュン。 ユキナをつかんでいる手を放すミナト。 ハルカ・ミナト「あらっ、奇遇ね、ハーリー君、ジュン君。ほほほ……。」 白鳥ユキナ「ぶぅぅぅ。」 ミナトに掴まれていた手を大袈裟に振るユキナ。 マキビ・ハリ「それじゃ僕は艦長の所へ行きますね。失礼しま〜す。」 ハルカ・ミナト「ちょ、ちょっと待ってハーリー君!」 ミナトが声をかけるより早くハーリーは走り去ってしまった。 白鳥ユキナ「……これはこれでうまく行くかも。」 『がたっ』 目を見開いて跳ね上がるようにベンチから立ち上がるルリ。 記憶喪失の顔には光の筋が走っている。 身体の中にあるナノマシンが活性化している印である。 ホシノ・ルリ「あなたも……。」 記憶喪失「ごめんね、ルリちゃん。驚いただろ? 僕もA級ジャンパーだったんだ。だからさ、こういう事に……ね。」 やさしく微笑みかけるその顔にはさっきの光の筋はない。 記憶喪失「僕は、彼女を助けに行ったんだ。 そこでちょっと変な女性につかまって、一服盛られてしまったんだ……」 ホシノ・ルリ「一服?」 記憶喪失「ナノマシンを活性化させるクスリさ。 昔アキトにも一服持った女性(ひと)らしい。 でも彼女は無事だったから、もうその頃、お腹の中に子供がいたんだ。 犠牲になったのは僕だけでよかった、と思ってた……けどアキトも―――――。」 一瞬ルリの肩がぴくりと動く。 記憶喪失「もうそれは酷いものだったよ。 ナノマシンが身体中走り回る用な感覚で気が狂いそうだった。 アキトは神経が駄目になっていたから、 体中を走り回る感覚はあまり感じなかったらしいけど。 どっちがましって言われたら弱っちゃうけどね…… 彼女に心配かけたくないから、お腹の子に影響があると困るから、   セイヤさんに頼んで、僕はネルガルに……。」 ホシノ・ルリ「記憶喪失さん……。」 ルリが記憶喪失の頬に触れる。 記憶喪失は知らず知らずのうちに険しい顔になっていたようだ。 記憶喪失「ごめん、こんなこと聞きたくないだろうけど、これからが重要なんだ。」 『からん、からん、からん……』 振り返る二人の視線の先に空缶が転がっている。 その方向にはハーリーが立っている。 ホシノ・ルリ「ハーリー君……。」 マキビ・ハリ「艦長……その人……誰です?」 不意に記憶喪失の右手――サングラスにハーリーの視線が集中した。 マキビ・ハリ「!?」 無意識のうちに後ずさりするハーリー。 マキビ・ハリ「さっ、サングラス……!? もしかして黒い王子様!??」 記憶喪失「ルリちゃん、この人は?」 駆けだすハーリー。 ホシノ・ルリ「まって、この人は……。」 ハーリーは信じられないぐらいのスピードで走っていた。 ホシノ・ルリ「ハーリー君!!」 記憶喪失「ルリちゃん!」 ハーリーを追い駆けようとするルリを静止させる記憶喪失。 マキビ・ハリ「あれぇ……? 何で僕、走ってるんだろう? ……何でだろう。」 もうあの場にいられないと、身体が勝手に動きだししてしまったハーリー。 それもこんなに――自分でも信じられないぐらい速く走っている……。 不意に目の前に青白い光が漂(ただよ)いはじめる。 それはある特定の行動をした時にしか検出されない光芒(こうぼう)。 マキビ・ハリ「うわぁっ!?」 ハーリーの前にルリを抱えた記憶喪失がボソンアウトする。 いきなりの出現にバランスを崩してしりもちをつくハーリー。 記憶喪失「驚いたよね……絶対に……。」 悲しい瞳で二人を見る記憶喪失。 ホシノ・ルリ/マキビ・ハリ「単体のボソンジャンプ!?」 確かにその特定の行動とは、ボソンジャンプであった。 |
なぜかあとがき 今回、html講座の催促が(掲示板に)あったので、 ナデシコの方は無理かと思いましたが、何とかなりました =3 #09 の頭をこっちの最後に持ってきました。 どうにかして13話で終わらせたいものです。 やっぱりヒトマトメといったら13話ですから(笑) そのかわり、ファイルのサイズが大きくなっているのですが……。 書いててなんですが記憶喪失君、お喋りし過ぎになってしまいましたね(汗) 一応、第3部まで行こうかと思ってますが、 2、3部は1部(この話)の裏設定なのでどうにか行けると思いますが、 第4部は書く気なかったのですが……なんかやりたいかも(笑) DC版出る前にダイジェストみたいなの作っとくかな? <第4部 |
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