北陸旅行
2000年09月04〜6日(月〜水)

田舎の村落には
2000年09月04日(月)昼過ぎ


 ようやく着いた目的地。ここに楓や初音がいるのか、などと妄想を語りながら周囲をうろついた。しかし、周りを歩くだけではすぐに飽きてしまう。鄙びた商店にてドリンクとパンを補給して、車に戻って少し休む。
 しかし、温泉地に大した用もなく背広で闊歩するというのは、どうも居たたまれない。我々は居るべき存在ではないのだ。逃げるように和倉温泉を立ち去る。そして、当てもなくドライブをすることとなった。


 そんなときに、たまたま迷い込んだ集落での話。
 国道が突然ぶった切れ、そこから続く、くたびれた舗装の狭い道路を通ると集落に至った。いつの時代から掛かっているのか、キンチョウ蚊取り線香の赤錆たブリキ看板が!まだあるんだな、と感慨にふけって運転していたとき、話に出たのが課長の田舎話である。幼少期、時が止まっているかのような田舎で暮らした課長は、自らの体験談をよく話した。そこに出てくる風景とかなり一致するところがあった。のどかな風景である。

 わかりにくいが、キンチョウ蚊取り線香のブリキ看板が埋もれている。

 村の消防団が捨てたのか、街から不法投棄されたのか、年代物の消防車が捨てられていた。

 この村は、随分と大型廃棄物がここそこにあった気がする。これが都市の論理、構造的暴力の終着点なのかも。


次へ

■後年記■
 私自身「三面が崖で、一面が海」という辺境の漁業集落の出自であり、課長氏も上記の通り田舎暮らしが長い人物である。都市生活が長いので、たまたま迷い込んだ集落を物珍しげに見物してしまったが、田舎をバカにしているわけではないので悪しからず。


戻る