登場人物紹介

「影の戦闘隊」隊員

和城達也

 主人公。「影の戦闘隊」で最高クラスのエースパイロットだが、表向きは東亜高校の高校生。任務のために高校は欠席がちで、気の弱い少年と思われている。だが、その実はあらゆる軍用機を乗りこなし、日本を守るために戦いに身を投じる愛国心溢るる戦士である。
 日本のためならば多少の汚い手は躊躇なく使うが、ある一線を越えたことは決してやらず、戦いに於いてライバルとの決闘にもこだわる。血の気の多い「影の戦闘隊」では、わりと理想肌なのかもしれない。

藤本

 東亜高校の番長。戦死した自衛官の父を持ち、国民意識・国防意識が極めて強い。和城の戦いを見て、「影の戦闘隊」に入隊する。物語の進展と共に、単独飛行を果たし、支援任務や戦闘任務をこなすようになる。
 非常に血の気が多く、精神的弱者や外敵の存在を許さず、何よりも日本や同胞へ弓引くことを許さない。和城の行動に憤り、和城に銃口を向けることさえも。だが、和城の理想肌に対して、目的を見失わず、そのためにあらゆる手段をとるという冷徹な一面も見せる。

立花美樹

 司令官の孫娘。本職はルポライターとのことだが、米軍中枢施設の取材に行ける立場にあるようだ。戦闘機乗りとしての腕は優秀だが、最初は人間の乗る敵機を攻撃するのに躊躇する。だが、一度撃墜してからは完全に吹っ切れたようだ。
 その理由は、仲間への負担と仲間が傷つくこと。彼女は「影の戦闘隊」では、例外的にさほどナショナリストでもないようで、戦う理由は仲間や人々の命といった、目に見えるものが第一義にあるようだ。異色なキャラと言える。

司令官

 レギュラーの中では唯一名前がない人物。あごひげはないが、もみあげと口ひげが繋がるという、奇特な外見をしている。
 戦闘部隊の指揮官として、非情な選択をし、好まれざる情報を常に見聞きするが、年のせいか、情に弱い。自己の葛藤を顔に出し、情に流され、部下の独断専行を許すなど、冷徹な指揮官とは言い難い。さらに情報をあくまで情報としてではなく、事実か否かで捉えようとするのもいかがなものか。だが、クセの多い隊員に任せるところは任せ、能力を引き出すという意味に於いては采配に優れると言える。

ダブダブ

 「影の戦闘隊」整備士。褐色の肌にアフロ。名前といい、日本人ではないと思われるが、なぜラディカルなナショナリスト集団たる「影の戦闘隊」にいるのかは不明。日本や戦いに対する思想めいた発言は、一切ない。ただ、任務のためには機械のように働くべきだという姿勢を持っているようだ。もしかすると、仕事と割り切って働いているのかもしれない。
 年齢は不明だが、子供のように見える。

今井

 「影の戦闘隊」パイロット。隻眼というハンディキャップを背負っているが、編隊長を務めるベテランパイロットである。勝ち気で、気取った態度もとるにくい男。それだけ腕に自身があるのだろう。目的のためならば手段を選ばない冷徹さが、和城との対立点となる。
 日本人としてのナショナリティ意識はそれなりに持ち合わせているようだ。

吉村

 「影の戦闘隊」今井隊のパイロット。

野沢

 「影の戦闘隊」パイロット。隊でも指折りのベテランパイロットらしい。

片桐

 「影の戦闘隊」パイロット。和城と並び称されるエースパイロットだが、影として戦いそして死ぬ自分たちの在り方に疑問を抱き、また自分たちが守るべき日本人の危機意識のなさに絶望。

小谷

 「影の戦闘隊」パイロット。片桐と同期の戦友。

浜口

 「影の戦闘隊」パイロット。

灘波

 「影の戦闘隊」パイロット。

勝野

 「影の戦闘隊」パイロット。5機編隊の隊長を任されることから、優秀なパイロットであるといえる。


「スコーピオン」隊員

ホワイトスコーピオン

 「スコーピオン」のエースパイロット。優秀なパイロットを一撃で撃ち落とし、1機で5編隊を全滅させられる腕を持つ。
 戦闘機同士の戦いは、機体を愛し、正々堂々と一対一の騎士道精神にのっとって行われるべきという信念を持つ。また、その信念に反する者は僚機でさえも撃墜し、未熟な相手は攻撃しない。和城よりも腕は上のようだが、軍人としては問題が目立つ。

松永正

 「スコーピオン」のパイロット。日本人だが、10歳頃に行方不明となり、いつの間に「スコーピオン」隊員として日本攻撃に参加。いかなるプロセスをたどって「スコーピオン」隊員となったかは不明だが、記憶を失い自分が日本人であるとさえ思っていない。年齢は15〜6歳。
 記憶と日本人としての意識が戻った後は、日本へ弓を引いた自己を罰し、祖国への償いとして「スコーピオン」空母に特攻する。


自衛官

藤本三佐

 航空自衛隊隊員。「影の戦闘隊」藤本隊員の父。F4のパイロットを務めるが、息子同様血の気が多いため、自衛隊の制約に苦しむ。

水津二尉

 航空自衛隊隊員。藤本機の後席に座り、暴走しがちな藤本を制止することがしばしばあったようだ。新婚で、妻は妊娠中。


政治家

福本首相

 日本の首相。日米安保条約終了後の日本が生きる道として、産油国A国との友好条約締結を取り付けるなど、戦略構想と外交手腕ある政治家のようだ。

アブドラ国王

 中東最大の産油国A国の国王。モスリムである。


その他

猪三夫(いさお)

 長崎県神楽島に住む老人の息子。第二次大戦期、原爆投下直後の長崎で、放射能雨に打たれ死亡。


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