「人のことを、『師範』『監督』『先輩』と呼ぶな。『〜先生』『〜さん』と呼べ」

 別に棒術部では、人のことを「〜先生」「〜さん」と呼べという約束事などない。別に師範のことを「師範」と呼ぼうと、「〜先生」と呼ぼうとも、失礼ということはない。先輩を呼ぶときに、「先輩」と言っても「〜さん」と言っても、別に問題はなかろう。私個人も、どちらで呼ばれても何ら違和感を覚えない。
 だが、時の主将■■は、人のことを役職名で呼ぶことにひどい抵抗を覚え、ある後輩●●を叱責して「〜先生」「〜さん」と呼ぶことを強要した。別にどっちで呼ぼうと失礼な言い方をしているわけではない。何の問題があるのか、と私も他のOB・上級生も思うのだが、■■は気に入らないらしい。もっとも、■■は●●自体を気にくわないから、●●が声を発するだけで挑発的に呼んでいる、と受け取っているのだろうけど。
 ■■が何をどう思おうと知ったことではないが、敬称をどうするか、などという些細な問題に対して、個人のスタイルを強要することは出来ない。例えば、監督のことを「コーチ」と呼ぶのはまずい。「監督」と「コーチ」では意味合いが異なるし、存在しない役職で人を呼ぶのはさすがの失礼だ。だが、監督を「監督」と呼んで何の問題があるというのか?先輩を「先輩」と呼ぶのも同様である。無礼なことをしたわけでもない後輩に対して、些細なスタイルの変更を求めることは暴力である。


 なお、●●はこの問題に対して、抗議のメールを送った。その文面は私も読んだ。その内容は、特別失礼なものではなく、文意も通っているし、些細な問題に対して大袈裟かもしれないけれどもまっとうな進言であった。
 だが、このメールに対する■■の返答は、不誠実なものであった。内容はこんな感じ。
「お前の言っていることは意味不明だから、メールは読んでいない。俺はこれからも加減しないぜ、オラ」
 なんという不誠実な先輩か。敬称をどうするかという問題自体は、些細なものかもしれないが、後輩の進言に対して不誠実、バカにした返事しか返さないというのは大きな問題である。こういう日常の些細な受け答えこそが、信頼を貶めもするし、積み立てもする。これをまったく考えていない。それどころか、■■は●●をバカ・キチ@イ・電波扱いしたようなものである。■■が、●●を心底キ@ガイと思っていることは知っているが、だからと言ってこれは、無礼・不誠実極まりない。


 まあ、主将は部の在り方に対して部員にスタイルを求める権限を持っているのかも知れない。だが、「先輩」「監督」「師範」と呼ぶ部員は、他にいくらでもいる。■■を「先輩」と呼ぶ部員も何人もいる。しかし、■■が注意し、変更を強要したのは●●に対してだけである。これはいったいどういうことか?
 ようするに、●●が気にくわないだけなんだろう。
 気にくわないのならば、気にくわないなりに、もっとうまくやる方法があるだろうに・・・。


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