仕事の実際などというものは、部外者の想像以上にずさんなことが往々にしてある。この部屋が突如として浸水したのも、そうした欠陥工事のためであろう。少なくとも住人の責任ではまったくない。
 浸水したのが居住空間ではなく、収納だけだったのが不幸中の幸いだが、スーツ一式、ガスストーブ、旅行カバンをはじめとして、相当数の物品が水に浸かった。もちろん管理会社や保険会社に連絡して弁償はさせたようではあるのだが。
 普段、当たり前のように物品を収納している空間が、突如として水に浸かる。考えてみると、恐ろしいことである。


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