1998年度 前期納会について
高校時代の友人に向けた私信より引用(一部改変、あるいは検閲済み)


 土日は前期納会だったのだが、なかなか凄絶であった。幹事その他責任ある立場にいることが多くて、私は最近あまり酔えなかった。だから今回は後先考えずに飲むつもりであり、前々から「納会では壊れる」と宣言していた。
 一次会の最初から何人かで日本酒をコップで一気飲み。即座に「第二段!」「第三弾!」「よっしゃー、第四弾!」・・・立て続けに何杯も。こりゃ酔うわ。一次会の中頃からすでに記憶が乏しい・・・。
 一次会から二次会への会場に向かう途中。私と数名が***を始めた。****の***で、「この****が*を*けんかい!」「**じゃこの**!」「***が*っ*すぞ!」などと****共に**りつけながら*の***を闊歩した。アロハに黒ズボン、海軍旗に「大日本帝国」の銘入りシャツ、靴ではなく雪駄・・・我々の扮装は一昔前のクズのものであった。****や***と****だったが、棒などで武装した30名もの武装集団の密集隊形に対して、ケンカを売る者はいなかった。が、かなりやばかったそうな。もしかすると、私も殺されるか大けがをするかしていたかもしれないし、***ケースに*を***いたことを覚えているが、こちら側も何かの拍子でもっと恐るべきことをしてしまったかも知れぬ。反省せねば。


 二次会のカラオケに行ってからは、ますます記憶がうつろである。

(中略)

 そのようにカラオケ屋を闊歩していたら、私の皮ベルトがとつぜん切れて、***ケースなどホルダー類もすべて落ちた。多分、老朽化のため、切れ掛かっていたのだろう。しかし、私は落ちたケース類をポケットにすべてぶち込み、切れたベルトを結んでしまった。翌日解こうとしたら、これが硬くてほどけない。酔ったバカ力で締めたのであろう。ちなみにここで、中大ジッポと皮ケースは回収し忘れてしまったようだ。高かったのだが・・・。


 私は二次会終了後、強制的にタクシーに乗せられて、先輩のマンションに向かった。タクシーに乗った記憶はないこともないが、誰々と乗ったのかは記憶がない。タクシー班以外の人間は、歩いてマンションに向かった。先にそのマンションに着いた私を入れた4人はヒマであった。なぜこの4人がタクシーに乗せられたかというと危険人物だからだ。一人は正気の目付け役であったが、あとは狂っていた。組み手のつもりで後輩を殴る者、***に蹴りかかる者などやばい奴ばかりであった。


 我々はマンションの近所で早速*れた。ちなみにマンションはオートロックなので入れない。*****を雪駄で*りつけたら、***の**が*えた。***の**に****(この時間は**も多分***いないが、やばい)、しまいには雨が降ってきたので*らない*****の****で*み*いをはじめた。
 そして私は、気持ち悪いと誰かが言ったので「よし、*くか」などと言って自らの腹を何度も殴り、「なかなか*けんのう」とほざいていた。結局酔った三人は*きまくった。

 やっと本隊がマンションに到着したとき、****で*み*いする我々をホームレスか与太者と思って人々は警戒したとのこと。そして私は本隊に対して、「貴様ら、忘れろ!」「貴様ら、とっとと行け!ここは俺が一人でここ(****?)を守る!」などとわけのわからんことを叫んでいたそうな。


 マンションの中に入ってからの記憶は、もうほとんどまったくない。いくら広いマンションといえども30人近く入っていたのでは、驚くほど狭い。私はそこで暴れていて、演武会のフィルムが上映されるのを見て「殺セ!殺セ!」と連呼し、***式の敬礼をして「くたばれカイザー!」とかわけのわからないことをしていたらしい。
 結局朝の7〜8時まで記憶がない・・・。それからは、あまりの胃腸の具合の悪さに寝ることとしたら、気がついたら30人いた部員はわずかの4人。結局こうした「昨夜の出来事」を聞いているうちに終電がなくなり、私はもう一泊した。そして翌々日、先輩宅から直接大学に行って、試験を受けたのであった。まあ、CやDをとる出来ではないと自負しているが。


 よくもまあ、こんな恐るべきことをしたものである。1〜2年次は、今思えばいつ何があっても不思議ではなかった。そしてこのときの体験を語っても、大抵の人間は強がりがなんかのホラだと決めてかかって、笑う以外のことはしなかった。大した踏み外した経験もしないで大学生活を過ごしているような人々に、私がただただ何もせずホラだけ吹いていると見なされて怒り狂ったものであった。まあ、私のビンと刃物の傷を見せつけてやったら、黙りこくったものであったが。かくして、一般人との溝は広がるばかり。
 ちなみにこの手紙を送りつけた相手もまた、大学の先輩とともに*******から****を*んで*やし、**らぬ**の*をよじ*り、**の***の上で演説を行い、「貴様、***か!」などと関係のない(しかも多分***でさえない)***を*まえて*り、しまいには***に入れられた経験をも持つ友人に宛てたものである。もちろん、棒術部のごくごく少数の尖鋭が行った悪行も、私の友人が某大学で行った悪行も、社会悪そのものである。自慢にはならないし、今振り返っただけでも冷や汗が出る。ただ、こうした破天荒というか滅茶苦茶なことというのは、特に1〜2年次の飲み会の後にしばしば発生していた。
 しかし、圧倒的大多数(と私が思っている)学生は、そんな学生生活があるとさえ想像せず、そのような話はウソだとしか思えない・・・というか思い込みたい。看過するとか弾劾するとかいうではなくて、そうした学生生活がある、目の前の人間がそうした生活をしていた、ということそのものさえも受け付けられない。そういう意味に於いては、視野の狭い人々である。だからこそ、我々はあえて人が想像もしないようなことをやらかそう、人ができない、ありえないと思うことやタブー破りをしてみたかったのかもしれない。ただ、行ったことのいくつかは悪事以外のなにものでもない。猛省しています。


 なお、上記のようなことをすると、刑法に抵触する可能性が高く、たとえ立件されなくとも重大なトラブルに巻き込まれたり、暴力で取り返しのつかない障害を負わされたり、殺されたりすることもありえます。ご注意ください。

■後年記■
 これは冷や汗どころの話ではない。ただ、私自身酔ってぼんやりした記憶の断片をわずかに持っていただけであり、多くの出来事は後から聞いた話である。今となってはそのようなことが本当に起きたのかどうかさえ自信がない。
 もちろん、我々自身がどのようなことをしたのかしなかったのかは別として、どうしようもない粗暴な行動を日常的にしでかしている大学生集団はザラにいる。風紀を乱し街路を騒がせるような連中が存在し得ること、目の前の人間がそういうことをしでかしたかもしれないことについて、「あり得ない」と決めつけるのは「視野が狭い」考え方なのかもしれない。しかしだからといって、自分が悪を成した「武勇伝」を語って人々の世界観を揺さぶろうとするのは、稚気が過ぎるというものである。まったく恐ろしい話だ。何かをしたかしなかったどうかもさることながら、それを語り聞かせていたことも恐ろしい。


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