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『月刊Gun誌』読書記 1962年〜1963年


 国際出版の銃器専門誌『Gun誌』の読書備忘録。基本的に読書メーターやメモの転載。
 知識のない人間の書く個人的なリファレンス兼備忘録なので情報そのものの正確性が期待できないのはもちろん、『Gun誌』の当該号に書いてある内容と一致するとも限らない。


1962年12月号(昭和37年) 創刊号

目次
・警視庁鑑識捜査の実際
・アメリカの若い世代は背伸びする
・銃器の取扱い法 リボルバー篇
・今月の銃ア・ラ・カルト ウィンチェスター・モデル70
・スターと実業家・ガンマンタイトルマッチ
・空気銃ハンティングの楽しみ方
・掘り出した珍品古銃の話
・銃砲史 第一回 火と人類
・あなたの予算で猟銃を
・機動捜査隊誕生
・ファースト・ドロー入門とコツ
・全国警察官射撃大会の一日を見て
・カタログコーナー 357マグナム 38チーフスペシャル 44マグナム 22マグナム 22マッチオート ミリタリーアンドポリス 38スペシャル 9ミリモデル39 レミントンナイロン11 ハイハンターM1 J・Cビギンズ ウェザビーマーク5 サベージモデル99 ニューハベンモデル295
・銃史に名を残す人々
・射撃とコンタクトレンズ
・モデルガンコーナー 第一回 モーゼル篇
・アメリカ暗黒街の散歩 麻薬犯罪の巻
・軍用銃 核戦争にそなえる米軍歩兵の小火器
・独り狼<第一回>
・捕物道具一万点のコレクター名和弓雄氏
・池袋銃砲火薬店の巻
・QアンドA
・ガン・ポスト

メモ・雑感
・表紙からS&Wリボルバー。当時は他の狩猟雑誌においては表紙に鉄砲を前面に出すことを憚っていたというが、銃のアップ写真。しかもリボルバーとは挑戦的。いくら.38splワッドカッター、つまり競技用弾薬と一緒に写って競技銃と示しているとはいえども。

・記念すべき最初の記事は警察の銃器鑑識。銃で犯罪を犯しても科学捜査により発覚することを示し、銃器愛好家の指導誌として警鐘を鳴らしているのか。あるいは知的好奇心を満たすための警察の舞台裏の紹介かもしれないが、いずれにせよ最初から狩猟の実用誌には留まらなかった。

・鑑識の記事には昭和27年、ある政党の有力者が車を降りたら銃声がして、すぐに伏せたという逸話。さすがは戦争直後、行動が早く伏せるという日常から逸脱した行動に躊躇かせない。そう感心しながら読んでいたら狂言だった。しかしそういう話が特に不審も持たれず、弾痕の鑑定をしてはじめて狂言とわかるというのが戦後の時代性か。

・リボルバーの操作法やアメリカの少年シューターなど手の届かない拳銃や海外事情を知る知的好奇心に訴えかける記事もあり、それはそれで貴重な写真と情報だったのだろう。

・空気銃ハンティングなど手の届く実用記事の方が充実している印象。空気銃の記事のウェイトが高い。やはり実用誌か。

・「銃砲史」第1回は火と人類からはじまるとは。長々期連載だけあって起点もすごい。

・広告。「獲ってきて 焼いて喰わせる山くじら」というコピーで猟歴45年、創業78年の新宿の猪料理・野鳥・ジンギスカン焼の店の広告が。創刊前にとってきた広告なので狩猟仲間などのツテなのだろうか。

・押し合いへし合いのスケート場、空気の悪い映画館、など当時の娯楽がわかる。喫煙していたのだろう、映画館の空気の悪さは。

・個人の銃の輸入の自由化は延期と、ある。外貨の割当などの制限もある時代。個人輸入はハードルが高かった。

・編成・訓練中の警視庁機動捜査隊の記事。覆面パトカーのナンバーもそのまま写真に。ナンバーの車輛種別は一桁で地名なし。
 自動車をつかった犯罪はスピーディで広範囲。一警察署では対応できなくなった。それに対する機動力としての機動捜査隊。いずれ自動車は1組1台になるだろう、とまだまだ揃っていない。全員が運転を出来なければならないがいまは組の中で1〜2名しか免許なし、ともある。1組は警部補1人、巡査部長2人、巡査2〜3人の5〜6人という。独立遊撃隊だが、いろいろ駆り出されるという。マイカー時代前夜を窺わせる。

・マンボやツィストを麻薬の入り口と描く。はげしい踊りの陶酔を求める心が、さらなる刺激を求めてマリファナなどにいく、と。いつでも若者の新しい娯楽はさらなる悪徳につながると危惧されるが、マンボやツィストを麻薬への入口と捉えるとは。

・大物用ライフルについて。現在国産化されているのはホーワ300のみとある。あくまで大物猟用の話か(.22LRは含まれていないということ)。手に入る実包の種類が少なく、銃を買っても発射不能になる懸念も語られる。貿易自由化により、そうした事情もよくなるだろうと。

・ライフルとショットガンは、限られた枠の中で年に何百丁輸入されて一般に売り出されている。多量ではないのであまりたくさんの種類はない。関税や物品税でシューターズバイブルなどカタログの価格の2倍から3倍になる。国産銃の選択肢はごく少ない、あるいは用途に適した品がないが、舶来銃も輸入がごく限られ、実包の供給も細い。

・Q&Aコーナーでは回答者として警視庁広報課、防衛庁武器課、日本ライフル射撃協会、大藪春彦などが登場。自衛隊や警察と同誌とは、それなりのツテがあって最初から関係が良好だったと見える。
 自衛隊の次期30小銃についてM14だと断言しているのは武器課だろうか

・gun post。創刊について案内と会報で知ったらしい。先行誌『ガンファン』に対する苦言もあり。福岡のひとは、都会と言えども地方なのでモデルガンがないとのこと。当時においても福岡は都会という意識。元騎兵のひと、44式騎兵銃、11年式軽機、26年式拳銃は5年間のお馴染み。上海で現地除隊して勤めた会社の警備室にはフルオートのモーゼル、S&W、ブローニングがあったとのこと。

・狩猟と競技射撃の実用誌としての色彩が強い初期の同誌だが、創刊当初から警察やマフィアに関する記事、リボルバーの操作法、米軍装備など趣味性の高い記事も散見する。表紙からしてS&Wリボルバーなのは、当時の狩猟誌がなるべく穏当な表紙を選んでいた時代に挑戦的だ。警察への取材はもちろんのことQ&Aコーナーでは警視庁広報課や防衛庁武器課も回答者に名を連ね、当初から官公庁の協力を得ている。当時の狩猟誌ではあまり言及されなかったというライフルの指南では、国産はホーワ300しかない、手に入る実包が少ないと当時の状勢が窺える。


1963年01月号(昭和38年)

目次
・ホーワライフル300の威力をテストする
・ブローニング・スーパーポーズド
・銃器の取扱い法 オートマチック篇
・空気銃いま・むかし
・南の島の狙撃兵
・鉄砲史2回
・警察庁修理工場
・空気銃ハンティング 大物猟の巻
・カタログコーナー
・銃史に名を残す人々 マキシム
・明治維新を戦った軍用銃
・義足のライフルマン田畑豊さん
・ハリウッドのガンマンたち
・日本銃砲史学会古銃の話
・モーゼルと便衣隊
・みちのくキジ猟
・日本ライフル射撃協会の記録
・アメリカ暗黒街の散歩 麻薬王の巻
・C・Bガンとロウマンガン (玩具銃)
・大藪春彦 独り狼2回
・PSS鉄砲火薬店の巻
・QアンドA
・GUN SPOT
・射撃マンの医学 視力が強くなるくすり

メモ・雑感
・基本的に猟銃競技銃に関する実用雑誌としての性格が強く、猟銃ホーワ300の威力検証や仕留めた鴨料理のレシピなどが載っている。拳銃に関しても紹介記事があるが、有名なモデルを簡単に解説するカタログ記事や自動拳銃の基本的な使用方法の解説などにとどまる。その一方で機関銃で有名なマキシムの半生記や幕末の銃の解説記事もあり、さらには従軍経験者が中国戦線でモーゼルを持っていた回顧録もあり、資料が手に入る範囲で精一杯様々な情報を載せていること窺える。

・『Gun誌』1963年1月号は「消費者と生産者とを結ぶ」として国産猟銃ホーワ300を特集している。実用品雑誌の側面が強かったのか。ホーワ300は威力不足との疑念があり獲物を貫通しやすいとの声もあったので、水入り石油缶や電話帳や丸太を実射試験している。現在だと目的外発射になりそう。

・ホーワ300でホローポイント、軍用ボール弾を撃ち、さらには12番のスラッグ弾で撃ち比べをしている。狩猟には適さない軍用.30カービン弾が普通に国内で売られていたのか。ちなみに記事では「M1カーバイン」と表記されている。

・「今月のガン」なる銃器紹介にはブローニング・スーパーポーズド上下2連なる日本でも手に入る銃が取り上げられている。広告も銃砲店ばかりで、在庫状況を記した広告まである。ライフルも含めて、猟銃競技銃が簡単に手に入る時代でユーザーも多かったのだろう。

・「オートピストルの使い方」としてコルト・ウッズマンのマガジンに実包を込めて、マガジンを銃本体に挿入して、スライドを引いて……というごく当たり前の行程に2ページ割いている。海外渡航も容易ではなかった時代に、こうした拳銃の用法は興味ある者にとっては貴重な情報だったのか。

・エアライフルの記事では、「四十数年前(1920年代か)に駿河台の今では日大が建っているあたりで空気銃でスズメを撃った。兄貴が2階から小便をかけてきたので空気銃で兄貴も撃った」などと、思い出話が記されている。現在でも当号発刊時でも空気銃は実銃扱いだが、戦間期は玩具扱いだったようだ。

・1963年の雑誌だというのにコンタクトレンズの広告が載っている。当時はまったく一般的ではなく特殊で高価な代物だったのではなかろうか。さらには「視力に強くなる薬」としてビタミンやコンドロイチンについての記事もあるので、競技射撃選手に需要があったのかもしれない。

・「ハンターの奥さま 鴨料理いろいろ」という料理記事もある。やはりハンターなど実銃所持者への実用雑誌の側面が強かったっぽい。Q&Aコーナーでも光学スコープの取り付け方や何とかいう銃はどこに在庫があるかといった話が為されている。

・日本の警察拳銃修理工場の記事もあるが、「所在地も職員の名前も秘密」らしいのに、どういうパイプで取材したのだろうか。職人の写真には、目に修正が入れられている。拳銃部品は小さなものでも場合によってはアメリカから取り寄せねばならず数千円するとのことだが、当時の数千円はかなりの額では。

・ガンカタログという記事では、コルト・パイソン、コルトM1911、コルトSAAなど有名拳銃が1ページに4丁ずつ簡単な解説付きで載っている。後の米国に何人もライターがいて実射レポートをしていた時代から見ると隔世の感がある。ガンカタログは長物も扱っているが長物は猟銃ばかりである。

・「露都モスコーにおいて世界射撃選手権大会」という記事があるが、『ソ連自動車旅行』でもモスコー表記だったし、当時はモスコーが一般だったのか。モスコー郊外のディナーモ射撃場で大会があったとのこと。「ソ連は採算を無視し特別の人間を養い人間能力の限界を記録する」と評されている。

・読者投稿では「洋服店住み込みの16才の男性です」という書き出しの投稿もあり、当時としてはよくあった中学卒業後に田舎から出てきて商店などで働いた青年か。あと、「何月号に登場した誰それは小生の恩師であるので住所を教えてくれ」という投書に対し誌上で住所を回答しているのは驚いた。


1963年02月号(昭和38年)

目次
・活躍している麻酔銃 協力上野・多摩動物園
・奇祭!秩父飯田八幡の鉄砲祭り
・今月の銃アラカルト スミス・アンド・ウェッソンモデル39
・銃砲史・第3回
・ポンプ式エアピストルの取扱い法
・カタログコーナー コルト1860アーミーセンチュニアル コルトシングルアクションフロンテアスカウト コルトオフィシャルマッチ コルトデティクティブカペシャル コルトシェリフスモデル コルトウッズマンスポーツ コルトトルーパー コルトコブラ ワルサーモデルBスポーティング ペレッタシルバーゼフアルコン BSAマジェスチック ボスサイドバイサイド フランキーオートマチック ベレッタシルバーラーク
・ホーワライフル300の威力をテストする
・銃史に名を残す人々
・宇宙時代のライフル・AR-15
・空気銃ハンティング ムササビ猟
・明治維新を戦った軍用銃(第2回)
・アメリカこっとう屋のぞき
・拳銃射撃世界第2位 吉川貴久選手
・ハリウッドのガンマンたち
・シビリアンとPベレッタ
・独り狼(第3回)
・椿銃砲店の巻
・日本ライフル射撃協会の記録
・拳銃のことども
・QアンドA
・Gun・post
・射撃マンの医学
・クイズ

メモ・雑感
・麻酔銃が紹介されている。炭酸ガスで注射器の役目を果たす弾体を発射するガス銃だが、それだけではなく、発射の際に仕切が外れて水と錠剤とが混ざって気泡を発し、その圧力で注射器のピストンを押して注射薬を注入するとはよく出来た仕組みだ。扱いが難しいことにはかわりはないが。

・飯田八幡神社の鉄砲祭りの紹介。人々が猟銃持参で神社を訪れ、火薬取扱所の社で黒色火薬の空砲をもらい神職に鉄砲のお祓いをしてもらった後、空砲を撃ちまくるという力強い祭りの模様が取材されている

・S&W M39が最新作として紹介されている。1954年の作。アメリカ初のDAオートというふれこみ。ワルサーP38にも言及されている。

・黒色火薬についての解説。黒色火薬はまず硫黄が発火し、次に硝石が発火するが硝石は自ら酸素を発する。酸素と炭とが反応して炭酸ガスをはげしく発する。硝石が一番重要。黒色火薬は発射薬と爆薬とを兼ねることが出来る稀有な汎用性もある、とのこと。

・フランキ・オートマチック。散弾銃メーカーのフランキは自動銃が真骨頂で、2連銃よりも軽いという。軽い自動散弾銃として有名。

・ベレッタ・シルバー・ラーク。反動利用式のブローニング自動散弾銃は銃身が交代することがバランスを崩し、心理的肉体的に影響する欠点という話もある。熊撃ち名人もブローニングオート5の決定として銃身後退を挙げていた。しかしベレッタはライフルで実用化されていたガス圧式を散弾にもとりいれた、とのこと。

・.30AOAのホローポイント、軍用弾を電話帳で撃ち比べ。水缶は、頭蓋骨と脳とが鉄板と水とに似ているという。

・宇宙時代のライフルAR15。米陸軍採用未決定のまま試用中、ベトナムでは好評とのこと。ただ、小口径は高速化するしかなく、銃身の寿命に不安との話も。高速化すると急激にエネルギーが落ちるので有効射程も短くなる。

・広告。「青山6丁目電停前」と住所に付記してある。青山みたいなところにも電停、路面電車駅があったのか。廃線になる数年前か。モータリゼーションや地下鉄の発達などで邪魔になったというが。

・戦前の銃砲店の懐古では、自動拳銃はコルト、モーゼル、ブローニングの25口径や32口径、リボルバーはS&Wやコルト、アイバージョンソンの32口径がよく売れたという。リボルバーは空砲を撃つのに便利ということで陸上競技によく使われたというのが意外だった。やはり32口径が一般的なのが時代だ。仕込み銃や短銃(拳銃より長い、切り詰めた散弾などか)は拳銃より厳しく取り締まられた。

・「卓球や、ボーリングのような室内スポーツをせいぜい行なつておかれた方がよいでしよう」と体力錬成を勧めている。「せいぜい」のニュアンスが変化している。精精だから励んでやれということか。

・38式は、韓国帰りの米兵が東京でスポーターに改造する姿がよくみられたという。99式は、駐屯地の衛兵がときどきもっているからマジメに頼んでみせてもらうがよい、とのこと。まだ警備にも使っていたし頼めば見せてくれたのか。アメリカの古物屋には払い下げられた古い各種日本の軍用銃がある。ものすごく安い代物の扱い。14年式拳銃は見られない。海上保安庁にまとまった数が引き渡されたせいか、かさばらないので個人が土産にしてしまったせいか。機関銃も売られている。

・広告。明治銃砲火薬店。16番が1丁ある。自動銃FNブローニングNo.85-11419とある。

・実包とダミーカートの写真に寸法の参考に両切りのピースを並べている。フィルター付たばこのホープが発売されたのが6年前のこと。まだまだ両切りを吸っている人が多かったのだろう。ピースのフィルター付もまだ発売されていないはず。

・コルトフロンティアのモデルガン。モデルガンとしては初のシリンダーストップつきでアメリカ人もめずらしそうに買っていくという。黒色火薬時代なので西部劇で手袋をするのは手が煤で汚れるという説得力。メタルジャケットではない鉛玉なので弾頭の色とダミーカートの色とが一致しないとのこと。

・広告。単発銃ないし二連銃用の差し込みライフル銃身。.30AOAが安く撃てるという品。いまでは許されなさそう。

・広告。「ごきげんなウェスタンムードがいっぱい」として「帽子」「ウエスタントケイベルト」「Gパン(リバイス)」などの文字だけで品物を紹介する通販広告があるが、そこから選んで書留で申し込む。到着するまで品物の外観を目にすることはない。これこそ通販の醍醐味だ。

・創刊3号目にして麻酔銃を冒頭で取り上げるのは意欲的。炭酸ガスで発射するだけでなく弾体内部の化学反応で生じた気泡で注射する仕組みは確かにあまり知られていない。神社で持ち込まれた鉄砲に火薬を配って即席空砲を撃ちまくる奇祭はいまは出来なさそう。.30AOAの威力検証では軍用弾やその加工品、猟用弾で電話帳を撃って威力を比べている。「宇宙時代のライフル」としてAR15も紹介されているが既にベトナムで使用されており評価は高い。戦前の銃砲店で32口径が売れていた話、リボルバーが陸上競技の合図に使われていた話も興味深い。


1963年03月号(昭和38年)

目次
・北海のトド撃ち
・無煙火薬工場を訪ねる 旭化成坂ノ市工場ルポ
・プロ球界のガンマン 森徹選手
・鉄砲史4回
・今月の銃アラカルト レミントンM870
・狩猟法あれこれ
・国産兵器に武装される自衛隊兵
・建設用鋲打ち銃
・カタログコーナー
・銃史に名を残す人々 日本最初の雷汞研究者
・.454マグナムを解剖する
・ルガー長銃身8インチモデル1回
・明治維新を戦った軍用銃3回
・鳥射ちの楽しさ
・火器博物館の実現を望む
・日本ライフル協会報告
・大藪春彦 独り狼4回
・米軍総司令部のころ
・射場開き
・若い銃砲店日野屋
・射撃マンの医学 心身鍛練

メモ・雑感
・ハンター・射撃選手の実用雑誌として側面が強く、「トド撃ちのレポート」「狩猟ファンのプロ野球選手」などの記事が目立つ。しかし自衛隊新装備品や熱狂的な研究家が手製で試行錯誤して作成した.454カスールなども取り上げられており、やはり拳銃や軍用銃に対する興味関心も喚起する。

・広告、「レミントンM66 22口径 15連、レミントンM76 22口径 15連、レミントン552 22口径 15連」などとあるが、当時は15連発もの装弾数が許されたのだろうか。

・狩猟の記事では「人から借りた銃で猟をした」という話があるが、現在では許可を受けた当人以外の者が銃に触れること自体が罪に問われるはずである。さらにはエアライフル射撃場(当時もエアライフルは実銃扱いである)には貸し銃があるとの記述も。当時は随分銃器事情が違ったようだ。

・「今月の銃器」で取り上げられているのはレミントンM870。やはり日本でも手に入る品である。ただ、「警備用の20吋短銃身(リオットという)」という言及もある。リオットという響きが新鮮だ。

・「新兵器登場」として64式小銃と62式機関銃が取り上げられている。M1ガーランド、M1カービン、M3SMG、BAR、99式小銃とが混在し弾薬部品管理が混乱を極めしかも老朽化で「昭和41年には63%しか使用できなくなる」と言われていたのだから64式小銃は待望の新兵器だったのだろう。

・64式小銃の紹介は「38式歩兵銃より軽く99式小銃より僅かに重い」、62式機関銃は「96式、99式軽機よりもわずかに重い」と説明されるあたり、実際にそれらを持ったことのある従軍経験者の読者が少なくなかったということだろうか。

・世界射撃選手権カイロ大会の出場した日本選手はヘンメリーやアンシュッツの他、ソ連製Mツェー・ライフルを使用していたという。別の号では実用品としてソ連製猟銃が入ってきていたという話もあったし、ソ連製の猟銃・競技銃は日本にも多少なりとも輸入されていたのか。

・北海道のトド撃ち同行レポートでは「解体して捨てられたトドの内臓。それをついばむカラス。悪獣の末路である」などと容赦ない。野球選手森徹は力道山のハンティングで勢子をさせられて血を吐く思いで走らされたと述懐している。ライフリングの溝については「レコードのSPとLP」に例えられている。

・めずらしいところでは鋲打銃の紹介があるが、鉄板やコンクリートに鋲を打つだけあって米国仕様で12,000ft・lbf、日本仕様でも7〜8,000 ft・lbf のエネルギーだという。7,000ft・lbf は8番ゲージに匹敵する。.30-06がだいたい2,830ft・lbfぐらい。

・鋲打銃の鋲は、鋲頭が軟鉄で出来ており衝撃で変形して広がり貫通を防ぐというのだから、ソフトポイント弾みたいだ。

・鋲打銃、造船やコンクリート建築で使うパワフルなモデルを扱っているだけで、より小型でローパワーなものもあろうけれども、件のコントリート用のは脱輪した自動車を引き上げる際に道路に鋲を打ち込みワイヤーをかける用途にも使ってたという。いい小道具だ。


1963年04月号(昭和38年)

目次
・ジャングルに挑む
・東京オリンピックのホープ石井孝郎選手
・今月の銃ア・ラ・アルト 38式歩兵銃
・鉄砲史 第5回
・規格弾道と実際弾道の谷間
・明治維新を戦った軍用銃 最終回
・決戦下のあの頃
・銃史に名を残す人々 オリバー・ウィンチェスター
・ウィンチェスターのオリン晃電社拝見
・空気銃弾と貫徹力
・14年式軍用拳銃、ベレッタ9ミリ、サラスクェータ、ウエストリーリチャーズ
・オランダの狩猟
・市川兵平衛 鉄砲の早わざ
・コルト45カバーメント・モデル
・海外市場に君臨する日本製デリンジャー
・快的なクレー射撃
・古銃のこと、お答えします
・日本ライフル射撃協会 1963年の展望
・独り狼 第5回
・クイズ
・this month
・PRの頁 浅草っ子の店 椎野銃砲店
・Gun掲示板
・Q&A
・ガンポスト
・あとがき

メモ・雑感
・インドの虎狩り像狩りの記事がある。海外渡航自体そうそうできない時代において、海外でビッグゲームをするのは鉄砲撃ち垂涎の的だったのだろうか。しかし今日では、絶滅危惧種として保護されているような気がする。しかし文中では標的は害獣扱いであり、人喰い虎を成敗した正義と誇りさえしている。掲載されている写真では、日の丸の旗を掲げたジープで「前人未踏」の森林を闊歩するとかセンスがすごい。いかにも外国人がカネに物を言わせた傍若無人なふるまいをしているような印象を受けるが、後の号では中印紛争により東アジア人面は暴行を受ける恐れがあるので日の丸のステッカーを車に貼って気休めにしているという記述もあるので、そうしたアピールなのかもしれない。

・東京オリンピックに臨む射撃選手の紹介では、朴訥な人柄をほめている。選手の住所まで載っているのは時代か。トラブルの種にしかならない気がするが、応援のお便りが来ることでもあったんだろうか。大学射撃部の部員が2,30人から100人いるとあるが、気軽に銃を持てた時代ゆえの人数か。選手は「兄の友人に勧められて」射撃を始めたというが、身近な人間に勧められて射撃をやってみようというのも、射撃人口の多さ故か。
 明大時代にドイツから当時の価格で8万円のアンシュッツを輸入して父に買ってもらうなど、恵まれた境遇。父の理解もある。そしてソ連製エムツエに持ち替えている。ソ連製の方が性能が上なのだろうか。

・ルームエアコンの広告があるが、写真のエアコンがとにかくデカい。格子の衝立か、業務用冷蔵庫かといったたたずまい。どちらにしても高価な品物だったろうに、こんな広告が載るからには読者たる鉄砲撃ちは所得が高かったのだろうか。

・38式歩兵銃の記事では、「銃に興味がない人間でも誰でも知っている銃」とある。中学以上の軍事教練では「もっと軽い銃はないものか」としごかれつつ思った人も多かったはず、照門は上下可動の谷型で、300メートルから2400メートルまでが調節可能だったことをおぼえていらっしゃる方も多いと思われます、などなど読者も従軍経験者や軍事教練の経験者が多い前提。
 アメリカでは土産に持ち帰られた38式歩兵銃が実用品として多く使われており、ジャパニーズ6.5mmソフトポイント弾として実包が生産されている。わざわざ工場で生産しているということは、それなりの数が実用品として使われているということである。

・協和発酵の発泡酒ラビーの広告。アルコール4%とマイルド。イラストといい、女性向けのイメージか。発泡酒は1990年代後半から流行りだしたイメージだが、当時も「発ぽう酒」が存在したわけだ。

・とにかく実銃の広告が多い。
 
・鉄砲史は火薬以前の弓、クロスボウ、投石器などを紹介。非常に気が長い連載の予感がする。

・.300ホーワのカタログスペックと実際値との乖離についてユーザーから多くの疑問の声。そういう声が上がるほどにはユーザーが多いということか。それに対して実験室と実際とでは差異が生じて当然ということを述べる。前月前々月号では涙ぐましい努力で実験をしたというが、今回はガンダイジェスト誌の実験から引用。外国の書誌は貴重な情報源だった。

・銃砲店の広告、鋲打銃、モデルガン、火薬、猟具、空気銃、猟銃とある。取扱が幅広い。

・鉄砲関係の洋書の通信販売もシューターズバイブル1,200円、ガンダイジェスト1,600円といった価格。1963年としては高価な本か。

・戊辰戦争の記事。元亀天正さながらの甲冑武者、火縄銃、燧石銃、7連発スペンサー銃など新旧いりみだれる戊辰戦争の様子を描く。兵器の精粗が勝敗を決するとある。

・教練銃メーカー(兵林館KK)関係者の談話。戦時中、南方に送る銃器の供給が不足し、学校の教練銃を回収し学校には中国での鹵獲品をあてがったがチェコ製で扱いが異なり、その改造を破損修理と共に行っていた。回収した教練銃は改造して実戦銃に。特式小銃と称し、99式実包を使用。さらに不足を補うため猟銃の供出を求めて、買い上げて改造。散弾銃に着剣装置をつける。

・足立区にあるOK銃器製造所の空気銃の広告。「新発売のOKライフルマンポンプ銃は、永年の研究と優秀なる技術により、軽量にして堅牢、空気の圧縮動作は非常に軽く動作出来、威力強大、命中正確、最も取扱い簡易なポンプ銃として発売以来大評判であります。」語り口がよい。

・空気銃の弾丸の実験。ミリを「粍」と表記している。それがまだ普通だったのか、あるいは書き手の昔からの習慣なのか。油粘土を空気銃で撃って弾丸がえぐった空洞を見る。いまならこの程度の実験でさえ「発射罪」になるのだろうか。スズメには4.5粍が最適で5.5粍ならバラバラになり食用には適さないとある。ポンプによる蓄気回数は5回から15回が実用範囲、と。

・銃カタログコーナーは、1ページにつき2丁。簡単に紹介。ベレッタM1938について生産国は「イタリー」と。「性能はたいしたこともないが、形がよいので個人用に現在も愛用されている」

・学者や商社員らしき人など外国にいく数少ない人々による現地銃器事情の記事がある。オランダの狩猟事情についての投稿記事。オランダ狩猟法では、地主が鳥獣を所有する。日本のように無主物先占ではない。地主が養殖するので鳥獣は保護される。銃砲店は、夏は釣り道具を軒先にならべるのでわかりにくい。鉄砲は奥にあり、冬は鉄砲を軒先に出す。売りものは安物の二連銃ばかり。自動銃などいい銃は店主の自分用しかないという。鉄砲撃ちの趣味がこうじた店とのこと。

・クイズはイラスト1枚絵の間違い探し。銃の描写だけでなく、人物や背景の本当に些細な間違いをも探す。2枚の絵の差異を比べるのではなく1枚の絵から不自然なところを探す。正解者から抽選でプレゼントだが、金賞銀賞のひとは住所まで載るのはすごい。オリンピック選手の住所記載といい感覚が違いすぎる。

・映画について、登場人物が無限に弾込めもなく撃ちまくる様子を見て、「弾丸も兵器も乏しかったテイコク陸軍の頃が、胸にしめつけられる思いで脳裡によみがえってくる」とあるのは実感か。リアリティの欠如への苦言の話かと思ったらまったく違う話になった。

・飯田橋交差点にあるN鉄砲店の商店回転率年24回、食料品店並み。交通量や往来の人の職業を調べ上げて店舗を総ショーウィンドー式に扮装させ空気銃室的ムードを出したのが成功の元だというが、そんなマーケティングで売れるほど簡単に空気銃は買えたのか。

・空気銃(エアライアルのことだろう)、玩具(モデルガンのことだろう)の規制の声が高まっているらしい

・M1911の記事。進駐米軍の仁王みたいなMPが腰のホルスターにこのガバーメント。「あのどさくさ時代は面白くもあったがやっぱりこわかったね」。GIから流れたコルトがやくざや愚連隊の手に渡ったりして方々で撃ち合いしていたが音ばかりすごくてなかなか当たらない。日本軍流れの14年式の方が命中率では遥かに高かったという評判。体格にあっていたせいか。

・軍装品の広告。通販の軍装品で「ドゴール帽(カストロ帽)」「東京で流行して居るこの帽子は国防色なので汚れが目立たず地方の方にも最適と思います」。地方の人は百姓前提か。

・アメリカ製のモデルガンが入ってきたがものによってはすでに発禁になりはじめている。プラスティック製で真鍮薬莢をつかい火薬を詰めて撃ったら動作する精巧さ。国産はアメリカ製のコピーで粗悪との評。

・1859年に製造されそこそこ人気のあった4連シングルアクション・リムファイアのシャープス・デリンジャーを日本のミロクがリバイバル生産しており、アメリカで人気を博している。 

・美術品としての古式銃の登録は、去年あたりから火縄に絞られて、パーカッション、後装式は県によるが登録されなくなってきた。銃犯罪への風当たりのためか。

・東京オリンピックに向けて射撃競技も教官の現役復帰、支援要員の公募と自衛隊における訓練、朝霞射撃場の建設など総力戦っぽい。

・広告。「世界の射撃人 ソ連邦シシャーギン氏絶賛 ヘイリンカン印エアーライフル」

・広告。自動15連、手動15連、自動7連、という文字が鉄砲店に。許されたのか。猟銃か。レミントンM66 が22口径自動15連、レミントンM572が手動15連、22口径、レミントンN550も同じ。イサカNo1370Aが自動7連22口径。

・狩猟体験記その他、1,000字以内で投稿歓迎とのこと。

・Q&Aコーナーでは空気銃についての質問にメーカーが答えている。またメーカーの技師が設計図を投稿したりしている。


1963年05月号(昭和38年)

目次
・散弾の散開に関する実験
・自衛隊対社会人大口径ライフル親善競技大会
・鉄道公安官
・今月の銃・アラカルト U.S.クラーグ・ライフル
・鉄砲史 第6回
・狩猟用モーゼル
・銃史に名を残す人々 南部麒次郎の生涯
・紀州藩の民政改革及びドイツ兵制採用
・遠藤兄弟短筒夜討ちの功名・付短筒の話
・コルト廻転式拳銃 スミスアンドウェッソン廻転式拳銃 ヘンメリーオリンピア BSAマーティニ・インターナショナルMKIII
・航空機銃 第1回 AN-M3 .50口径機銃
・ミニチュア・ランニングデア標的設備とその利用
・14年式自動拳銃・14年式とわが青春
・南軍の秘密兵器
・韮山の遺跡をさぐる
・日本ライフル射撃協会記事 NRAの現況
・独り狼 第6回
・アンケート・ウィンチェスターモデル12(ユーザー10氏より回答)
・クイズ
・スポーツマンの医学
・バックナンバー及びファイル案内
・PRの頁 銀座銃砲店
・this month
・Q&A
・ガンポスト

メモ・雑感
・散弾の広がり方の実験記事。前後の伸びであるコロンは測定困難なので、上下左右の広がりショット・パターンをみる。木枠を使ったり、工夫と道具仕立てが涙ぐましい。距離ごとに木枠をつくり紙を貼り、パターンをみる。大きな穴はコロスやカップウッド。散弾を押し出す栓の役割を果たす代物だが、それなりに前に飛んでいる。

・フリーライフル親善大会で、自衛官1位の人物と民間人1位である本誌寄稿者岩堂憲人とが銃を交換して対抗試合をしている。銃を交換して撃ち合うのも隔世の感。

・鉄道公安官の記事。装備するオフィシャルポリスは、警察官垂涎の的で当てやすいらしい。照星・照門が丸くなく角ばっているのでピストル射撃には有利とのこと。マスターピースK38 6インチも近いうちに導入するらしい。競技用装備として。鉄道公安の競技射撃熱は高い。
 国鉄職員一目つきが悪いのが鉄道公安という冗談も載る。

・ウィンチェスターM12について。読者ユーザーからは高評価だが国産雷管、特に村田雷管は不発を起こすとある。国産雷管は硬いということか。また撃針が折れやすいという話も。純正品なら折れないともあり、互換部品をつかっていたのか。

・めずらしい狩猟用モーゼル拳銃の紹介。長銃身でショルダーストックのついているカービンモデルで日本の警察から所持許可を得ている。弾倉10発。クリップで10発込める。第一次大戦前か大戦中の品ではないかとの見立て。製造番号は225。持ち主によると50メートル程度では相当よく集弾する。100メートルぐらいなら中級程度の射手でも十分実用射程となる、とのこと。拳銃弾としては相当な大きな威力があるので、鹿程度の中型獣なら狩猟用として十分その威力を発揮するであろうことは間違いない、とある。経験ではなく見立てか。

・広告。「舶来 ルームクーラ 冷蔵庫 部品在庫豊富」という宣伝。クーラーはなかなか巨大。舶来とまず謳うからには、当時はまだ家電も舶来がよい時代だったのか。そして舶来だから保守部品の供給に不安があり、手持ち部品がアピールポイントになる。時代だ。

・Gun誌が6冊入るファイルが出来たとのこと。前月号でそういうもがほしいという声があった。

・ランニング・デアー射撃とは100米先を横に移動する鹿型の目標を撃つ競技。北欧北米で盛んに行われている。距離を短距離に縮める場合は、標的の面積も縮める。4.5mの室内用が日本に輸入されたという話。

・南部14年式の記事。当時はまだ海上保安庁の一部で現役。「鬼よりこわい憲兵の腰の、大きな三角形の革ケースに収まっていた、あの拳銃、といった方が通りがよさそうだ」というイメージ。マガジンセフティは昭和18年から省略され、マガジンリリーボタンを押してもバネひとつ省略したので引っ張りださないと出てこなくなったというのは実感か。
 敗戦数日前に、拓殖大学の学生だった筆者が学友にさそわれて上級生や青年将校のよくわからない財閥テロ計画にまきこまれて洞窟で撃ったという。大きく不細工だがはじめて拳銃を手にした少年にも扱いやすくすぐ慣れて着弾はかなり調子がよく10メートルも離れた的に集中した。戦争末期の粗雑な造りにしてはよく当たったという。
テロ計画はよくわからないうちに消えたそうな。
 六人部(むとべ)登氏が中田商店と国際ガンで14年式のモデルガンを制作し、近日発売される。著者が手元の14年式拳銃取扱法を提供しコピーをつけたとのこと。

・広告 「電磁式エアクリーナー ノーチラス」とはなんだろう。どういう仕組みか。輸入品っぽい。

・東京駅から伊豆長岡まで2時間10分、関西から三島で修善寺行に乗り換え18分。交通費が伊豆長岡駅から反射炉まで10円、江川邸まで15円。交通事情も興味深い。

・広告。レミントンM67 22 ナイロンレバー式10連、レミントンM550 22 自動式15連など.22LRの多弾倉モデルが扱われている。

・ガンマニアの少年が時計商に押し入った強盗の拳銃を玩具だと看破して取り押さえたという話が。『Gun誌』を読んだり、警視庁へピストルの社会見学にいったのがものをいったとのこと。

・銃の所持申請は住民登録に如何にかかわらすず、一定期間居住している現住所地に提出すればよい。警察署保安係に申請手続きをする。提出書類は所持許可申請書、譲渡承諾書(譲渡人が発行する書類)、同居親族書各2通。新法規は去年10月から実施され、変更点は空気銃の購入は特別の場合を除いて18才以上となったこと、銃を授受する以前に前記書類の提出による所持許可の申請手続きをして許可証の交付を得なければならないこと。
 申請するのが住民票のある場所でなくてもいいというのが緩いし、許可交付前に銃の受け渡しもできていたというのもすごい。
 ただ、火薬類譲受許可申請で埼玉県には22口径の射撃場がないから許可できない、など融通の利かない面も。消費地を管轄する都道府県知事に提出するので近県の知事宛にそこの射撃場で使用する目的で申請する。

・モーゼル1号は10連セミオート、モーゼル2号は20連フルオート。便宜上に中国戦線で日本軍はそう呼称していた。

・クロスボウハンティングをしたいという投稿にたいし、「現在の日本ではクロス・ボウによる狩猟は行われていない(中略)。クロス・ボウは法定猟具ではありませんので」ときたのでダメかとおもつたら「狩猟免許は必要ではないでしょう」とかってにやれっという話っぽい。2021年はクロスボウも所持が禁じられるに至ったことをみると別世界。

・旧軍の銃、M1ガーランド、M1カーパイン、AR15 M14 M15 M60のことを知りたいという複数の投書。編集部は「軍用銃のファンがこんなにいておどろいている」とのこと。あくまで猟銃・競技銃の雑誌だった。


1963年06月号(昭和38年)

目次
・99式歩兵銃とM1ガーランドの対決
・ようことシスミギユーさん ルーマニア・コーチを迎えて
・ラピッド・ファイアー・ピストルの実際
・今月の銃アラカルト ルガー44マグナム・カーバイン
・火薬に関する三つのW
・鉄砲史 第7回
・ボーナスであなたの銃を
・西南戦争史 第1回
・米軍射撃大会より
・銃史に名を残す人々 ホッチキスの巻
・口径32モーゼル 口径25オルトギー アンシュッツ競技用エアライフル ヘンメリーターゲットライフル Mツエ
・松野亀右衛門遠射の手練
・航空機銃A20ミリ自動式機銃24-A1
・日本ライフル射撃協会の頁 アサカ射場の展望
・学生射撃連盟記事
・国友鉄砲カジの発祥地をたずねて
・S・W38チーフス・スペシャル スナブノーズのB・Bの魅力
・独り狼 第7回
・フジダイナミック・オート試射会より
・クイズ 第5回
・国際見本市(PSS・川口屋林銃砲火薬店)
・this month
・都民射撃教室の一日
・ガンポスト
・アンケート 第2回

メモ・雑感

・99式とM1ガーランドの対決記事を書くにあたり、程度のよい99式を探そうとしたが、制式としての仕様をみたすものが見つからない。やむなく戦時製造の粗製品と猟銃に改造した99式スポーターを使った。実包は双方ともオリジナルをつかったとあるが、まだあったのか。九二式実包が。
 戦時モデルの集弾はひどいものだったが、スポーターはまずまず。M1ガーランドは良好で圧勝。「程度のよい99式を選んで調整すればよいという声もあるかもしれないが、それならM1も選抜し調整せねばはらない。潔く負けを認めるべき」とあり謙虚だ。戦時の工作精度の低下が骨身に染みてるのか。軍用銃とは特別な一丁ではなく無作為抽出したものの性能で比べないとと意味がない。

・東京オリンピックを控え、ラピッドファイアピストルのコーチが日本にはいないのでルーマニア人を招聘。食事について「オーチン・ハラッショ」とロシア語で答えているが、もしかしてルーマニア語の通訳がいないからロシア語で会話しているのだろうか?ロシア語通訳ならそこそこいるが、ルーマニア語通訳はそうそういそうにはない。
 ルーマニア人コーチは、日本は銃器修理の専門家がいないという。ソ連では修理専門家が大会に同行して選手はピストルをいじらないとのこと、 

・「カーバイン、スタルム・ルガー社 ベルナルベリー」など、ラテン文字をそのまま置き換えたような翻字法が却ってよい。カナは日本語なんだから翻字に正解はない。ただ、今日とはそのやり方が違って時代を感じる。

・化学メーカー勤務経験のある駐日外国人による火薬に関する記事。いわく、日本のガンユーザーは極端に火薬の知識がないと驚く。そう銃砲店で話題にしていたら、そんな高級な化学知識、専門誌に載せなければという話になって『Gun誌』に寄稿することに。タイプ紙1枚につき1ドル(!)の原稿料。安いか高いのか。別の記事でCO2ライフルが米貨で70ドルとあるので高いのだろう。 
 日本語の「火薬」に匹敵する単語がどう考えても英語にはない。翻訳不可能。日本語の「火薬」の概念は広い。適用範囲の広さは、便利なようで不便。ガン・パウダー(発射薬)、エキスプローシブ(爆薬)、プロペラント(推進薬)、プライミング・メテリアル(真火薬)などある。読者から質問を乞うと締める。

・「ボーナスであなたの銃を」「レジャーはもう古い、バカンスというんでしたっけ」というあたり言語感覚が物珍しい。「今月のサラリーでは」ともあるが、サラリーという単語ももはや使わない。「ボーナスで〇〇を」は当時のテレビコマーシャルの決まり文句か。「いよいよプランが煮詰まってくると」の煮詰まるは正統な用法だ。今日では物事がどうにもならなくなって結論が出ないのような逆の意味になっているが。コトバは変わる。終戦で復員してきた年の秋から鉄砲を売ったり買ったりしていたと筆者。気軽に売買できた。

・「フィルムのあき罐にカーバイトを少量いれて水をたらすと、インスタントなカーバイト・ランプができる」とあるが、フィルムは缶だったのか。水と反応してアセチレンガスが出るので、それを燃やした火で照準器を燻して煤をつけるという。
 後に柘植久慶が胡椒入れにするよう指南したポリプロピレンではなく、写真のフィルムケースは缶だったのか。

・モーゼルM1910の撃発操作を完了したときの指示機構、弾倉二重安全機構とは。マガジンセフティとマガジンを挿したらホールドオープンからスライドが戻る機構のことか。 

・ソ連Mツエ12 22口径ライフル。日本ライフル射撃協会がオリンピック選手候補の特別コーチとして招聘したソ連邦者言人P・T・シシャーギン氏の推せんにかかるもの。それまで日本にはソ連の銃が入荷していなかったが晴海のソ連見本市で展示されたこともあり、協会の要望もありまず射撃留学中の石井選手に持たせたところ第4回アジア大会で優勝。今回大量に輸入することになったという。兵林館の広告で「今年度より弊社が直輸入致しますが第1次分は予約済。」「第2次購入 年内入荷予定 近く予約募集」とのこと。後の号では高価で概観のよいアメリカ製ライフルの「フローティングバレル」は全然フローティングではないが、ソ連製は本物のフローティングだとあり、品質はよいらしい。

・松野亀右衛門なる人物は、島原の乱で「秘伝の」照尺を立てて遠射し狙撃したという。武道のような名人芸。

・東京オリンピックに向けて建設されている朝霞射撃場に関する紹介記事。オリンピックに向けての熱気を感じる。
「防衛庁のあらゆる土木機械を動員して行われた土木工事は、その土砂の取扱量からいっても過去最大のものであると言われている」というが、総力戦か。

・「日本ライフル射撃協会の第3回常務理事会決定事項 於中央大学会館」とあるが中大の移転前の話。こういう会議の決定事項までのせるのあたり読者層と『Gun誌』に期待される役割りとが窺える。

・日本学生ライフル射撃連盟の記事には、「麻布獣医科大学」とある。名称変更される前だ。

・ブローニング・オートマチック・5についてのアンケート。「他人に貸したとき」に装填不良があるとあるが、貸すとか普通にやっていたのか。
 「今少し(100匁くらい)軽量をはかってほしい」など尺貫法も使われる。

・S&Wチーフスペシャル・エヤーウェイト。なんとエアーウェイトである。米軍人にみせてもらったり撃たせてもらったりともあるが、そういうことも出来た。

・ニューナンブM60の写真がある。新中央工業の箱まである。一昨年7月から警視庁警部以その他で使用とある。制服警官の吊るす大型のS&W M1917の更新というよりは、幹部用か。新中央工業は、南部中将の南部銃製造所、大成工業、昭和製作所が合併して中央工業となり、14年式と94式を生産していた。その後身という。
 なお、ニューナンブは18,000円とのこと。
チーフス・スペシャル・ウアー・ウェイト70ドル25,200円

・広告。スチーブンスM87 22 15連発など.22LRの15連発はふつうにある。ソ連製TOZ-8M単発準射撃銃ヘビーバレル ボルトアンションと、ソ連製競技銃も取り扱い。

・広告。津上ルームクーラー、国産、「室内温度のオートメーション」「インスタント時代にふさわしい単相100Vです」とある。国産クーラーの広告だ。温度設定すると一応それに合わせて動作したり止まったりする機構があるということか。単相100Vは確かに手軽。

・小説『独り狼』。殺しの報酬50万円はかさばり不用心なので、三文判を買って、偽名で口座を作って口座に入れたら、支店長が応接間に呼んでお世辞をいうというくだり。50万円の値打ち、偽名で作れる口座、などなど時代だ。

・射撃シーズン到来、5月の連休初日から全国の射場で威勢良い銃声。22口径の弾が品不足で鉄砲店はうれしい悲鳴、とある。22LRも品不足になる。

・読者投稿。米陸軍で新規に採用になったM14M15歩兵銃その他に使用する7.62ミリNATO弾は、30-US(30-06)に性能諸元が劣るがなぜこれが採用されたのだろうとのこと。やはりまだまだ小銃弾のダウンサイジングは一般読者も不可思議におもえたのか。回答は携行弾数が増える、自動化時代には重大な利点とのこと。

・猟銃競技銃ユーザー向けの実用誌として創刊された『Gun誌』だが、手の届かない軍用銃について知りたいという読者の声が「意外にも」多いとして、それに応えて99式小銃とM1ガーランドの撃ち比べが行われている。戦時の粗製濫造で状態のよい99式は少なく結果はM1の圧勝だが、特に状態のよい99式を選抜すればいいとの声があるかもしれないが、それならM1も特別に選抜したものを使わねばならない、と謙虚である。ちなみに両銃とも戦時中の実包を使っている。まだまともに発火できる99式実包が残っていたあたりも時代を感じる。


1963年07月号(昭和38年)

目次
・ライフル弾は手填めで 入門編
・2万円台の22口径てすと
・60歳のライフル万木村万吉氏
・今月の銃ア・ラ・カルト ブローニング・オートマチック5
・これだけは知っておきたい射撃用語
・散弾銃のフォームについて
・ジェット弾の研究
・鉄砲史 第8回
・銃史に名を残す人々 モーゼル兄弟
・西南戦争史 第2回
・こんなカタログがあった・天下御免の眼ブーム
・火薬に関する3つのW
・殿様芸でなかった毛利伊勢守の砲術
・最近の射撃界
・学生射撃連盟 東西射撃大会記録
・高校射撃・世界と日本
・ソ連の狩猟
・大東亜決戦銃
・独り狼 第8回
・日米射撃マン・ミーティング
・ガンポストアンケート・ホーワライフル300
・掲示板・スポーツマンの医学
・クイズ
・Q&A

メモ・雑感
・広告。雷管、「発火金付はやぶさ 発火金付SS 村田」とあるが、村田雷管は「発火金」とやらがつかないのか。

・日本の銃砲店では、手に入りにくい弾薬を使う銃は安く売られており、また不良在庫になって何年も店でほこりをかぶっている。そこでハンドロードをする。実包原価の50%以上は薬莢なのでハンドロードすると安くなる。火薬は同じロットのものでないと微妙に差があるから、同じ銘柄でも別の缶のものを混ぜるとライフルなら弾道に変化が生じる。散弾ならそれほどの問題ではない。雷管は、国産品外国品問わず雷管と発火金が一緒になっているバッテリー・タイプ。

・2万円の普及価格の22口径ライフルとして、「TOZ-8M ソ連 単発」「マスター・スタンダード 日本 丸三精器 5発クリップ弾倉」を紹介。どちらもレストに固定して、普及している実包を撃つとなかなかの精度。あとは射手の問題か。

・60歳の名射手。今日では実銃所持者の高齢化が極まり、猟友会で60才なんて若手扱いされそうな気もするが、しかし当時は珍しかったのだろう。しかも「木村翁」と完全に老人扱い。定年が55才の時代だし、そういうものなのか。

・ブローニング・オートマチック5は、戦前日本においてはほぼ唯一の自動散弾銃。例外的にワルサーなどがあったぐらい。

・日本の空気銃は口径4.5ミリといってもメーカーによりまちまち。どの銃にも適合する弾を作り出すとして開発されたジェット弾には異なる4つの直径がある。鉛でできている。命中精度が高い。飛距離、貫通力より命中精度。競技と狩猟にはそれがいちばんという。

・メルケル社は東ドイツ。戦前より定評があったが東ドイツになってからも上々とのこと。日本でも買える。

・「H&R M1895リボルバー 5連発DA .32」は、当時の日本で軍人、政治家、一般人でもかなり買った人がいた。明治33年に、特別な許可がなくても誰でも自由に銃が変えるように規制緩和。弾薬のみ警察署の許可証が必要。
ダブルアクション拳銃、ハンマーの指掛けのないDAオンリーなどもカタログに。ステッキ銃も販売。

・火薬に関する連載。筆者が来日して火薬缶の文字を読んでみたら、「狩猟用火薬」とありびっくり。ライフル、散弾銃、拳銃すべてで狩猟をするが、この品物がどういう銃に使うものか書いていない。曖昧すぎる。日本では紙の間に挟んだ信号用のキャップを集めて手製銃の発射薬の代用にして事故が起きたり、爆薬と発射薬の違いを知らないから起きる。先生でこれについて知っている人は、まず、いなかった。私の国では紙信管の火薬が同量のダイナマイトよりずっと危険なことをよく知っている、とのこと。そんな遊びをすることはほとんどない、らしい。

・昨年10月の銃刀法改正では、「射撃場の基準が明確化」「空気中所持許可が14才から18才へ。国民体育大会の選手候補者と認められるもので都道府県体育協会長の推薦のあるものは例外として所持を認める」のが大きな改正点。推薦基準要件は、「選手候補者として適当と認められる者」「都道府県ライフル射撃協会に登録されている射撃部に所属」など、大したものではない。

・オリンピックの射撃役員を募集している。100人。

・ソ連には、アマチュアハンターが250万人。全員がアマチュア狩猟家協会に所属。入会資格は、18才以上のソ連市民、特別の試験に合格した者。入会すると年1ルーブルの狩猟税。一部禁猟区を除いたソ連全土で狩猟できる。猟銃はほとんどが国産。ソ連では15種類以上の猟銃が作られている。1丁46〜80ルーブルぐらい。1ルーブル90円。ツーラ銃器工場は、ハンターの個人的な注文にも応じて手づくりの銃も作っている。専門の猟師はたいていショットガンとライフルとを組み合わせたコンビネーション銃を使う。小動物のときは口径の小さな散弾。大きなゲームに対しては8.2ミリと9ミリのライフル。アマチュアハンターの使っている散弾銃は12番と16番がほとんど。記事で取り上げられた狩猟を専門とする人物は消費共同組合の調達所との契約に基づいて毛皮獣皮を採取している。腕のよい猟師は1シーズン(10/1〜2/15)に4千から5千ルーブルも稼ぐ。

・広告。空気銃を貸銃にしている。貸銃ができたのか。

・九九式改小銃・九七式改小銃。筆者の記憶によると、学校教練用の三八式から全中の遊底覆いを取除き、献納したこともあった。鉄材の不足のため。やがて昭和20年、学校教練の三八式、民間のライフル、散弾銃も徴用された。九九式改小銃は省力化した雑なモデル。正式な九九式とは雲泥の差。木材も蒸気乾燥6か月、自然乾燥6か月が乾燥も十分でない小片を寄せ木細工のように。アメリカの評価は「史上最低の軍用小銃」。筆者は悪く言いたいのではなく、こういうものを作らざるを得ない事情を理解してもらいたい、という。
 九七式小銃は三八式をベースに精度を高めたもの。6.5ミリ、スコープをとりつける。九七式改は99式短小銃(制式なのは短)と同じ長さに縮めて7.7ミリに。スコープもない。しかし精度は99式と同程度で99式改よりはマシ。数は少ない。

・小説『独り狼』。
 空路でやってきた殺し屋が拳銃を携行している。金属探知機によるボディチェックなどない時代だ。もっともその人物は警察官なのであったが、殺し屋が空路で拳銃を持ってきたというしても、それを不審に思わない時代だ。

・上下二連について。ほとんどの銃で絞りは上銃身の方が強く遠射用(次矢用)。先矢は下銃身から先に発射される。はね上りは上銃身の方が大きいため下から。上銃身は初弾の跳ね上がりを考慮し多少下向きになっている。また1発だけ撃ってその空薬莢を取り出し実包をこめるとき、下銃身が空薬莢の方が事故防止になる。完全に元折しなければ薬莢をとりだせないため。他にも下銃身を多く使った方がかげろう現象の影響が少ない。機関部へ与える影響も下銃身の方が小さく寿命に影響する。

・犯罪で押収された銃はどうなる?警視庁広報課の回答。ライフル、散弾、空気銃などの許可を得れば所持出来るものは競売。場合によっては返すこもあるかもしれない(不法所持で処罰をされたものは3年間は許可がおりないが)。拳銃は破砕する。

・特許庁相談室も銃のアイディアで特許をとりたい、という読者の声に応えている。

・読者の声。モデルガンは拳銃ばかり。軍用ライフルも所持許可にならないんだからM1ガーランドなど軍用ライフルのモデルガンもあれば売れるはず、と。確かにモデルガン広告は長物が見当たらない(SMGはあった)。

・実包価格の大半は薬莢が占めるとしてハンドロードの仕方を紹介し、また普及価格である2万円の22口径ライフルを比較するなど実用誌としての色彩が強い。エアライフル用弾丸「ジェット弾」も紹介されているが、エアライフルについては後の時代の『Gun誌』では次第に取り上げられなくなっていったので、こうした弾丸の構造や製造工程の記事は目新しい。海外情報としてソ連の狩猟事情について紹介されており、散弾は12番と16番が普及していることなどが記載されている。ソ連の本では16番がしばしば出てくるがやはり普及していたのだろう。


1963年08月号(昭和38年)

目次
・ワックス弾で大口径の室内射撃を楽しもう
・屠畜新兵器登場[ヘンメリーの屠殺銃]
・今月の銃アラカルト M1ガーランドライフル
・女性ライフル射手、2人のライバル
・ライフル・ハンド・ロードの実際 実用篇
・火薬に関する3つのW
・鉄砲史 第9回
・ガン・ストックにチェッカリングしよう
・銃史に名を残す人々 下瀬火薬の創始者
・西南戦争史 第3回
・ルガー・パラベラム ワルサーP38 フランキー・オートマチック FNモーゼル・ハイパワー
・零式艦戦の搭載機銃を解剖する
・坂本俊現と90匁2寸筒
・独り狼 最終回
・GUNホビース・コーナー 趣味の特集
・☆戦争ごっこの兵器と紳士たち[TV&ムービイあらかると]
・☆GUNアレコレ談義 なつかしのオモチャをもう一度
・☆いじくってみたいハジキたち かわいいベイビイのこと
・☆ガン&ガング図鑑 ハイスタンダードモデルD, HDミリタリイ
・☆GUN紳士録
・☆ガン50傑人気投票規定
・勲章の話
・☆ハンドガン・グリップマークしらべ
・射撃特報 ピストル、ライフル、ヨーロッパに遠征
・射撃記事 東西社会人射撃大会より
・全国高校射撃大会
・クイズ
・これだけは知っておきたい射撃用語
・日本ライフル射撃協会報告
・ガンポスト
・学生射撃連盟報告
・Q&A
・押収された拳銃の行方
・バックナンバー及びファイルご案内

メモ・雑感
・スカンジナビア航空の広告。 「日本人エア・ホステスがお供いたします」とあるが、客室乗務員を指すコトバがスチュワーデスでさえない。「SASが開拓した北極航路に、毎週2便、超大型ジェット機を運航しております」とある。超大型ジェット機が何かは明記されていないが、当時ボーイング747はまだ飛行していない。

・ワックス弾。大口径ライフルは対応する射場も少なく、猟期以外は埃を被ることが多いので、雷管の力だけでワックス弾を飛ばす弾薬を作る器具が紹介されている。居間でも標的の背後に古毛布を吊せばまったく安全というのはその通りなんだろうけど、現在だと法的にどうなんだろう。

・レミントン製とちく銃の紹介。以前、建設用鋲打銃も紹介されていたので、産業用の特殊用途の銃を取扱うのは、不思議ではないが意欲的だ。とちく銃は、鉛を使わず頭蓋骨に当たると粉になる弾頭を使うものと、震盪盤と称する突起を空砲の力で伸ばし家畜の皮や骨を傷つけず脳震盪を起こすものとが紹介されている。
 レミントン・ヒューマン・スタナーなる品は、トンカチみたいな長い柄のついた器具。.22の空砲の力で突起(震盪盤)が飛び出し脳震盪を起こさせる。皮や骨をキズつけない。もうひとつはレミントン・スタン・セーフ・ライフル。スタン・セーフ・カートリッジは、22径のリムファイア。鉛を含んでいない。チューブ弾倉に16発/21発。大型と小型で差。ボルトで連発できる。.22LRのライフルに装填可能。頭蓋骨に当たると弾頭は粉砕する。それまでは鉄棒で撲殺していたが人道的で疲れもなく骨や皮も傷つけない。

・後進のM14ライフルに道を譲ったが、M1ガーランドは米軍すべてにM14がいきわたるまで使われるだろうとあり、AR15はちょっとかわった銃として紹介された程度でまだM14とM1の時代か。別の記事では「近く全軍装備となるM14」とある。

・火薬の連載記事。弾頭が銃腔を通るときの摩擦の力は、抜弾効力とか阻害効力という。ピストル、ライフル、散弾銃など種類によって大きな違いがある。そのため発射薬の性質も異なる。ライフルの抜弾効力は1,000ポンドから、散弾銃では100ポンド以下、ということが多い。ピストルはライフルの何十パーセントか下回る数字。発射薬の力が抜弾効力の大きさに比例するわけではない。燃焼のさせ方の違い。馬力ではなく性質上の違いがある。

・広告「雷管付紙ケース」とはなんだろう。散弾銃の薬莢で紙製のものがあったということか?

・座間米軍射場。射場にふだん不自由している人々が存分にライフルを撃つ企画。そうしていると米兵たちがガーランドを貸してくれた。心行くまで楽しんだ。大藪春彦、岩堂憲人などが登場。

・日露戦争の下瀬火薬に関する記事。「士気はあって兵器なし、の悲劇は、前大戦中われわれがイヤというほど見せつけられたはずである」という実感が。

・Gun6冊入るファイルVol.2ができた。Vol.2は淡いブルー。Vol.1とは色が違う。

・ルガー自動拳銃とワルサーP38が軽く紹介されているが、「写真提供 警視庁」とある。押収品だろうか。戦前には多少なりとも輸入されたのだろうけれど、それが戦後、なんらかの経緯を経て押収ないし任意提出されたのだろう。写真を撮られたあとは資料扱いか、それとも溶鉱炉か。

・関東学生伏射選手権大会。神奈川県営富岡射撃場。エアーライフルではあまりに出場希望者が多いので1校4名以下に制限せざるをえなかった。早く朝霞のオリンピック射場が完成して全員が競技に出場出来るようになればよいと人気が高い。また広いオリンピック会場への期待も滲む。

・拳銃人気投票50傑。挙げられた50丁の中から1丁だけ番号で選んでハガキで送る。選択肢には、フランスMAB9mm、スチェッキン、スウェーデン ラチ、ラドムなどしぶいところも。

・『コンバット』を野球のナイターの裏番組にしたことについて、ライターが何度も文句をいってるが、両方観たいということか。家庭用ビデオデッキなどほとんどまったくない時代。

・M1カービンは全弾撃ち尽くしても遊底か開いたまま止まるということはない、と。

・ハードボイルド作家山下諭一は、麻薬取締官事務所の横浜分室をたずねたとき、もののついでにブローニングベビーをみせてもらったという。他にはコルト・ディティクティヴ・スペシャル。.25ACPの実包入りの箱といっしょに見せてくれた。取締官「おもちゃみたいなしろものですがね、でも、音は馬鹿でかいし、けっこう力もあるらしいですよ」と。握らせてもらって、べたぼれ。おおらかだ。

・友人が親戚の警察関係のオリンピック候補選手の拳銃の購入費を負担した、という話が載っているが自費なのか。与太話かもしれないが。

・ハイスタンダード・モデルD H・Dミリタリイ。空軍乗務員や落下傘部隊で第二次大戦中使われ、昨年は撃墜されたU2乗務員も所持していたと伝えられる。命中精度がよく多弾数10+1で銃声は小さく、敵地に降下したときには便利そう。米軍人にも所有者がおおく見せてもらうことも。

・広告。「スポーツカーと鉄砲の店 ロイヤル商事」の広告が乗る。すごい趣味の店だ。

・畜産業で用いるとちく銃について紹介されている。以前の号で鋲打銃が紹介されていたが、産業を支える銃に類似した道具の紹介をもするのは意欲的である。大口径ライフルで室内射撃する雷管だけでワックス弾を飛ばすキットの紹介や、愛銃の木製ストックに彫刻を施すコツについて伝授するのはやはり実銃ユーザー向けの実用誌だが、現在だと法的にどうなのだろうか。また、趣味性の高い記事のニーズが高いことに気づいたようで、戦争映画とその武器や好きな拳銃人気投票を開催するなど、記事の方向性が微妙に変化しつつあるのを感じる。


1963年09月号(昭和38年)

目次
・新狩猟法が投げた波紋
・口径のすべて 入門篇
・南の国の鉄砲と王様
・鳥を射つには?
・今月の銃あらかると ウィンチェスター・モデル94
・ライフル・ハンド・ロードの実際 [第3回]
・銃砲史 第10回
・カモ猟奮戦譚
・情熱の老学究、有馬博士の素顔
・南部式自動、ザウエルゾーン自動、アーマライトAR7エキスプローラ
・火薬に関する3つのW
・西南戦争史 第4回
・ゼロ戦の搭載機銃を解剖する(後篇)
・加藤清正 浅野幸長 鉄砲武功談
・GUNホビース・コーナー
・ゾク・戦争の兵器[TV&ムービイガンあらかると]
・ギャラントメンのツワモノ・横顔拝見
・拳銃無宿の主役 スティーブ・マックイン
・もってみたいハジキ達 第2話
・ガンフォト・クイズ
・ガン50傑人気投票中間発表
・コーチ学 日本ライフル射撃協会広報の頁
・学生射撃連盟報告
・欧州派遣選手団出発
・これだけは知っておきたい射撃用語(3)
・スポーツマンの医学
・サロンコーナー 狩猟法改正に思う
・Q&A
・バックナンバー御案内
・ファイルのお知らせ

メモ・雑感
・狩猟に関する法律が改正されて突然6月15日に施行。突然の改正という。ハンターに不利な条項が多すぎるとのこと。鳥獣保護が名目。野放図な狩猟にはハンターからの危惧の声も強かったという。内容は、目的税が課せられること。猟期の変更。鳥獣統一して11月1日〜2月15日。北海道のみ10月1日〜2月15日。狩猟免許は猟をする都道府県で要事前申請。旧法では全国共通で3,600円で済んだが、新法では都道府県ごとに2,500円(うち目的税1,000円)。銃砲店は客とハンティング旅行するので10県以上に申請することになる。しかも事前に。空振りになるかもしれないが、 準備がないと誘われても行けない。なお、1件の狩猟免許取り消しは、その違反事実をもとにすべての県で免許取り消されるよう運用される。

・広告。8月号で紹介されていたワックス弾のセットが早速。米国ライマン社製ACCRA-WAX LODER SET。

・銃の口径に関する基礎知識。45口径を45ミリとする雑誌新聞の記事があるという定番の話が載っているが、戦争もすでに遠くなりつつあるのか、もともと巷間において銃砲への関心がないのか、インチ法という発想自体ないのか。

・インド訪問記。鉄砲の持ち込みは1丁まで無関税、実包50発まで。ただし.303の持ち込み持ち出しは禁ずるというのは軍用SMLEの横流しを恐れてという。欧州でも軍制式弾を使う銃は規制されていることがあるが、本当にそういう理由なんだろうか。
 中印紛争の頃合いなので写真に対する警戒が厳しく、憲兵や巡査が飛んでくる。ヘタをすると民衆に袋叩きに遭う。中国人に間違われて半殺しにあった邦人もおり、対策として日の丸を掲げ、護衛の巡査も同行。
 兵士も巡査も王の私兵も銀行も門番もSMLE。たまにステンSMGやブレン機関銃。対する中共軍はソ連製自動小銃。
 国内航空IACに乗ると、離陸後、客2〜3人がポケットや脇の下から拳銃を出してスチュワーデスに預ける。日常茶飯事で誰も目もくれない。有産階級は簡単に拳銃を持てる。そういう客にモデル名を聞いても「リボルバー」としか答えないし多分よく知らない。 跡があり、マウントバッテンの残した日本軍大砲の鹵獲品もある

・ウィンチェスターM94と.30-30との組み合わせは、アメリカで最初の無煙火薬狩猟用ライフルとなった。大きな殺傷力に対して少ない反動、低伸した弾道、軽快な連発性で人気。それまでの.32-40や.38-55は黒色火薬.30-30は広く使われたが、ドイツで.30-30は7.62x51Rと呼んだ。

・薬莢は、気密水密性保持のため弾頭にクリンプ(喰い込ませて)してあるが、発射後は伸びている。問題は雷管のクリンプで使用済み雷管を取り外すには力がいる。また新しい雷管を装着するまえにクリンプをナイフやリーマーでとってしまう必要がある。

・カモ猟用にウィンチェスター・マーク5という実包。ポリエチレンのカップに散弾を入れて発射し、散弾が比較的遠くまで飛ぶようにしたもの。遠矢は効くが、しかし即死せず負傷にとどまる「半矢」になる率が上がるという。コツが要るのかも。

・広告。狩猟用の小型エンジン。手漕ぎの貸しボート装着できる。湖沼で水鳥を撃つのに使うのだろう。

・同誌に歴史関係の記事をよく書いている有馬成甫博士の人物像が紹介されているが、海軍兵学校を出て45才で退役したのち國學院大学に入学し、第二次大戦で現役復帰し終戦時は少将、戦後は銃に関する論文で文学博士を取得するという凄い経歴。黎明期の『Gun誌』の執筆者はすごい。

・8mm南部式自動拳銃(グリップセフティのあるもの)と6.35mmザウエル・ゾーン自動拳銃の写真も、提供警視庁だ。押収品にあったのだろうか。ザウエル・ゾーンも護身用に戦前に輸入されていて不思議ではないが。

・銃の発射薬はマッチで火をつけると非常にゆっくりと燃える。密閉された薬莢の中では比較にならない速さで燃焼する。開放された環境ではゆっくり燃焼する。爆薬も発射薬も燃焼するための酸素は自分で持っているので薬莢・薬室内の酸素量に関係なく燃焼は進み、ガスで満たされていく。圧力が上がると急に燃え方が速くなる。燃焼速度は、ピストルは速い。それだけではなく、腔圧は抜弾効力、ふたの強さに左右される。発射薬は抜弾効力を数字で与えられてはじめて設計可能。抜弾効力の高いライフルに散弾用の発射薬をこめると、弾頭が進行を開始する以前に圧力が高まりすぎて破壊的な結果となる。ライフル用発射薬を散弾にこめたら、発射薬に点火しきる前にワッズと装薬が噴き出る現象がおきる。

・日本体育協会は1964年の東京オリンピックに必勝を期すべく1959年からコーチを育てることに着手。スポーツ人口の大半は学生。コーチ、監督と称するのは時間に余裕のあるOB。それだけでは勝てない。科学的な理論が必要とのこと。学生サークルみたい体制だった。
 1958年モスコー世界射撃選手権大会でライフル射撃の最新理論の本を入手し邦訳。ソ連からコーチを招聘。1961年シシャーギンの来日。ソ連からスポーツ科学のオゾーリン教授の招聘。松本コーチを西ドイツ、スイスに長期派遣。西ドイツからテオドル・ヘッチンガー教授を招きコーチ力強化を図る。コーチはまず優れた選手を発見せねばならず、優れた選手は田舎者で自己流なので基本から指導し直すのがソ連式。ただし西ドイツやアメリカはコーチが精神的支柱となることに役割に重きを置く。学生サークルみたいな体制からの脱皮には苦心があった。

・広告。シシャーギンに言及されている記事の下に「世界的射撃人、ソ連邦ポリス・シシャーギン氏賞賛」とする。「ポ」リスとある。植字なのでこのぐらいの見間違いはあまりにもよくある。

・広告。「ハンガリー・エアライフル初めて現わる(今秋) ドイツの技術の流れをくむ 精巧にして堅牢なる銃」とのこと。いろいろなところから輸入していた。 

・クイズは絵の間違い探しではなく、猟銃を持っている写真で重大な間違いを犯している点を挙げさせる実用的なものになった。

・広告。オモチャで火薬のガス圧でプラスティック弾が飛ぶというものがある。これは法的にまずいのでは。

・表紙は、椿山壮、江戸川公園、石神井公園などで猟銃を使って撮影。今では実銃を不用意に公園などで撮影できまい。

・Q&A。答えているのは警視庁広報課。警視庁防犯部保安課の「銃砲所持者の心得」という小冊子に「口径の大きいものとか威力のすぐれた銃砲は許可にならないことがありますとある。
狩猟用銃砲として所持許可の対象とするものは、
1 連続自動撃発式(機関銃式)のものでないこと。
2 自動装填式のものについては、6連発以上のものでないこと
3 口径10.5ミリを超える大口径のライフル銃、および口径19.6ミリの大口径散弾銃でないこと。
4 銃の全長が93.9センチ以下、および銃身長が48.8センチ以下のものでないこと。
5 組替え、もしくは分解することによって簡単に拳銃等になるものでないこと。
とあるが、.22LRでは自動式15連発などが広告でたまに見られるような。.22LRは別なのか。

・狩猟法改正に誌面を大きく割いており、都道府県ごとに免許を事前に取らねばならないことへの苦言も強く、また、鳥獣保護の必要性をハンター自身が認める声もあり、突如の改正は大きなインパクトだったようだ。また、警視庁広報課が許可の下りない銃として「自動式は6連発以上」を挙げており、徐々に許可が下りる範囲が狭まっていることが窺える。ただし銃砲店の広告には自動式22口径15連発もまだ載っており、他県警に先行しての警視庁独自の運用の改訂か。いずれにせよ、全体的に実銃についての規制の進展を窺わせる。


以下作成中
1963年10月号(昭和38年)

目次
・ライフルの祭典 日米親善大口径射撃のつどい
・日本・名コーチ物語[オリンピック選手の育ての親]
・狩猟道徳の確立に献身する赤尾好夫
・石川進 ボードビリアン"キューピー"の一日
・今月の銃あらかると マーリン・39A
・ライフル・ハンド・ロードの実際[最終回]
・銃史に名を名超す人々 クリストフアー・スペンサー
・銃砲史 第11回
・落下傘降下兵の小火器
・カタログコーナー レミントン1100、マンリッヘル・シューナウェル、ナガント、コルト自動
・口径のすべて 第2回
・火薬に関する3つのW
・西南戦史 第5回
・攻城と守兵
・GUNホビース・コーナー
・続々・戦争の兵器[TV&ービンガンあらかると]
・GUN紳士録・
・人のツワモノたち
・FBI物語(前篇)
・もっとみたいハジキ達 第3話
・GUNアレコレ談義 ミニチュア・アクセサリー その他
・拳銃無宿の主役 後篇
・ガンフォト・クイズ
・ガン50ガン50傑人気投票
・射撃だより
・これだけは知っておきたい射撃用語 
・日本ライフル射撃協会会報の頁
・高等学校射撃レポート
・サロンコーナー 火薬について
・Gun POST
・Q&A
・バックナンバー御案内

メモ・雑感
・日米親善射撃。国際ガン出版が企画。ふだん射場の関係から撃つ機会のない大口径ライフルに腕前と精度を発揮してもらう。200ヤードという距離ではじめて撃つ方もいた。射場と実包との都合から気軽に撃てないとあり実包も高い。ここでは加藤銃砲店がハンドロードした実包を実費程度で提供。
 マナーは昔よりはマシだが、日本の方がアメリカ側よりも雑という。アクションを開いておかな様人を散見。長距離に慣れていないせいか、隣の的を撃つ誤射も。引金は静かに引きましょうという声に対して「暗夜に霜の降る如く……」と教えた内務班長の怖い顔を想い出したかとあるが、やはり軍隊経験は誰もが共有しているという前提か。
 参加銃は軍用・スポーツ用を区別せず、M1ガーランド、スプリングフィールド、ウィンチェスターM70、M94、ドイツのアカー、オーストリアのマンリカ、99式など。38式改も。99式と38式は日本人の持ち物。

・松本太刀雄コーチ。二等陸佐。日本独自のライフル射撃理論を確立するため、ソ連理論はもちろんのこと、西ドイツ、ルーマニアなどの方法論も学ぶ。ソ連からシシャーギン氏を招聘した立役者。西ドイツ・スイス長期派遣で記した松本報告は定評がある。柔道二段で、強盗に二度入られ二度とも捕縛して新聞種になった腕前。

・射撃選手に対する論評、「まったく家庭をも犠牲にしての並々ならぬ覚悟」と美談扱いするのが時代か。

。広告、「水虫に!協力アスレタン」。薬の広告ははじめての掲載では。液剤・軟膏・粉末 各200円とある。

・クリーニング・ショットは12〜15発がよいとされる。12発以内の弾着はばらつくという試験結果。銃身を一定の温度に温める効果があるという。

・広告。ウェスターン スポーツ銃 弾力強大 命中正確!!

・中学のとき空気銃)を買って一緒の布団で寝て、許可証も要らず、そこらで撃っても警察もなんもいわない、銃を下げて中学校に登校をした、という少年時代の談話。悪童の多い中学 で、俺に貸せ、俺に貸せと引っ張りだこで行方不明。今なら実銃扱いの品で、ロッカーに仕舞わないのも、そのへんで撃つのも、学校に持っていくのも、ましてや行方不明になるのも警察沙汰になりそう。

・マーリン・モデル39はレバーアクション.22。チューブマガジンに十数発入る。

・ハンドロード。精密に火薬を量りたいなら薬剤師の使っているテンビンバカリがよいとのことだが、当時の薬局では天秤を使っていたのか。

・国産ライフル火薬と雷管の市販がいよいよ決定したとあるが、舶来ばかりだったのか。旭化成KKと日本油脂KK。旭化成は3種類。.308向け、.30-06向け、.300H&Hマグナムや.375H&Hマグナム向け。日本油脂は.30-06向け、.300ホーワ向け、.22向け(これはハンドロード用ではなさそう)。雷管は帝国火工品KK。

・スペンサー銃は、自動拳銃のように銃床の筒型弾倉を入れ替えることができた。

・広告。美しく飾る銃架とある。まだロッカーにいれる必要はなかったのか。

・広告。「レミントンナイロン66 自動15連発」がまだ載っている。

・落下傘降下兵用兵器・30連発特殊小銃。バナナマガジン30連発のボルトアクション小銃。99式軽機関銃用の弾倉弾薬を回収したときに、軽機がなくてもこれをがあれば弾薬を使えるとして99式用弾薬筒に同梱されていた。実際はあまり使用されず。陸軍降下兵の拳銃は14年式、海軍降下兵はブローニング自動拳銃か99式拳銃。

。広告 「鉄砲と車の店」の銃砲部はレミントン、FN、ウィンチェスター、マーリン、ワルサーと舶来品。自動車部はジャガー、ボルボ、MGB、ヒーレースプライトなどやはり外車。すごい趣味の店だ。

・広告 「羽根のように軽い」との文句のフジ・ダイナミックオート。軽いのか。

・高校射撃選手権。北星学園が優勝。ただ、高校生にも旧法で空気銃の許可を受けたものがいるはずだが、狩猟は20才でないとできない。空気銃の用途はどうするか。狩猟ができないならば競技射撃の間口を広げるべきとの主張。現状は、射撃場で規制があり、それもままならないらしい。高校生射撃競技は法改正で急に先行きがあやしくなっている。

・兵林館が自社製品ユーザーのための射撃大会を開催。いろいろ射撃が盛んだ。

・FBIの記事。日本も戦後すぐ「わが国の警察制度がアメリカ流に改制され、国家警察−国警と自治体警察−自治警の2本立てになったことは、まだ記憶に新らしいことです」とある。昨日のようなことか。

・007アドバイザーのブースロイドによると、米軍軍需品のテストでは拳銃の正確度は、
1位 南部
2位 トカレフ
3位 ザウエル
らしい。ここでいうザウエルは.32ACPで、WWIIドイツの空軍と戦車隊で使っていたもの。

・玩具のマテルのピストルは、紙火薬を貼って叩く仕組み。この紙火薬をたくさん詰込んで指2本飛ばした大学生がいたそうな。元来、紙火薬は雷管、ダイナマイトと同じような性質の火薬なので、たくさん詰めて撃つと破裂するは必定とある。

・ガンフォトクイズ。前回はじめて写真による不適切な猟銃の扱いに関する問題を出したら、綿密な観察をした答えが多く、今回はごく常識的なことが1か所だけ間違っているので、1か所だけ答えるべし、とのこと。やはり解釈の余地の大きな問題は大変だったか
金賞は、マスター・スタンダード型、射撃用22口径ライフル銃。シングルショット、ボルトアクション、クリップマガジン、弾倉6発入り。当選者が18歳未満の場合は父兄の名前で申請してください、とのこと。

・広告。「ベルギー FNブローニング 自動10連 22」「アメリカ モスバーグ 自動15連 22」がある。まだ.22LRし多弾数も許されたのか。

・Q&A。22口径ライフルによる狩猟が禁止になるって本当か?
 これに対しする回答。6/14施行の改正狩猟法によりライフルによる「鳥類」の捕獲が禁止された。キツネ、タヌキ、ムササビ、リス、野ウサギ等の狩猟獣類の捕獲には従来通り使用しても差し支えないとのこと。後に.22LRは猟銃としての命脈を断たれるが、少しずつ規制が為されている。

・Q&A。昨年銃刀法改正で射的用拳銃の民間人の所持の許可が可能になったが?
 回答。民間人で拳銃を所持できるのは、国際競技会等(オリンピック、アジア大会、世界選手権大会)のけん銃射撃に参加する選手まてはその候補者として適当であるもの。が、現在の該当者は全員職務上所持できるので法第4条の運用はない。今後優秀な選手がいれば運用する。人数は50人を限度とする、とのこと。

・Q&A。日本ではサイレンサーは禁止されていないが取り付けたいが?
 回答。次の図のようなものを工夫されては、とサイレンサー的なもののアドバイスを。

・ガン・サロン。日本油脂から投書。ライフル用火薬について補足。.22LR用火薬はファクトリーロードのみ(工場装弾用と記事にはある)。現在日本で使用されている主なライフル実包は、
.22LR
.30カービン
.30-06
.308Win
.30-30Win
.351Win
.35Rem
.44-40
など、とのこと。

・国際出版(当時は国際ガン出版)の新社屋・昭和ビルが落成している。出版部創業から1年、国際ガンクラブ結成からも3年余、若い会社が随分思い切ったことをするものだ。出版部数は急拡大したというが、1年で大したものだ。オリンピック開催を翌年に控え、強気の時代だったのか。

・同誌が主催した米軍基地における大口径ライフル日米親善射撃大会について掲載されており、射場の制約から禁猟期間は撃つ機会の乏しい様々なライフルが持ち寄られ、高価な大口径ライフル実包も銃砲店がハンドロード弾を格安で提供するなど活況を呈している。同誌はこのように催しを積極的に開き、また、新社屋を落成するなど創業1年にして意欲的な様が見て取れる。落下傘部隊の銃やFBIの訓練など趣味性の高い記事も増えてきた。猟銃競技銃に関する実用誌としての需要は銃刀法狩猟法の厳格化から衰退する事を考えると賢明な多角化かもしれない。


1963年11月号(昭和38年)

目次
・国産ライフルスラグの命中精度をテストする
・22径ライフルをハンティングに活かす道
・田宮二郎のガン生活をパトロールする
・口径のすべて 第3回
・シロワシ弾はこうやって出来る
・今月の銃あらかると イサカ・モデル37
・続・名コーチ物語 上田義秀コーチの巻
・銃砲史 第12回
・火薬に関する3つのW[ソーカ・ジローのこと]
・西南戦史 第6回
・実猟のための国産散弾銃展望
・大塩平八郎・天満騒動火戦記
・愛銃を凶器にするな
・GUNホビースコーナー
・TVインチキ物語<眉につばをつけろ>
・勲章集めて20年・日本一の勲章コレクターが綴る秘話
・FBI物語[拳銃射撃訓練篇]
・Gunあれこれ談義
・もってみたいハジキ達 第4話
・ガン・フォトクイズ
・ガン50傑人気投票中間発表
・これだけは知っておきたい射撃用語[大口径の巻]
・日本ライフル射撃協会広報の頁[東京オリンピック準備OK]
・欧州選手権レポート
・学生連盟レポート
・ガンニュース
・Q&A
・Gun POST
・サロンコーナー(東京国際スポーツ大会開幕)
・バックナンバー御案内

メモ・雑感
・クマやイノシシの大物猟に赴くハンターの大部分が散弾銃であり、使用するのはライフルスラグ。大口径ライフルの方が優れているが、近距離ではライフルスラグも十分威力がある。地形から近距離の発砲の多い日本の国情に合っているとのこと。
 空気抵抗が大きいが近距離ならあまり欠点とならない。また、非猟期にクレー射撃などで鳴らした散弾銃を使えることも利点。スラグ本体は口径よりやや小さく作られ、突起した環は絞り(チョーク)のある銃身から発射されてもここがつぶれてスラグは無事絞りを通過して銃身に危害を与えない。
 火薬、雷管、ケース、ワッズの組み合わせを試しつつ命中精度と弾速とを測定。国産スラグは、「今少々命中精度が良いことが望まれる」とのことだが、西独ダイナマイト・ノーベル社製ブレネッキは優れた精度を見せる。ただ、実用上5〜10メートルで使うスラグに50メートルの試射は酷だったかもとのこと。実用上は国産も問題はないとの結論。

・改正銃刀法では、ライフルは鳥類に使ってはならないとあり、.22ライフル・ハンターから鳥類の狩猟をとりあげた。ならば何につかうか。キツネ、ノウサギ、ムササビ、リス。散弾は50メートルも離れるとその威力はお粗末にものになり、100メートルも離れると野ウサギもとれるものではない。しかし.22ライフルでは可能。スコープ付.22ライフルならできる、とのこと。手軽に持てた.22LRライフルの用途が狭まりつつある。

・空気銃の鉛玉は「ジェット」と「シロワシ」に二分される。アメリカ、カナダ、東南アジアへも輸出されている。国内の空気銃は、銃腔の直径がまちまち。度量衡もインチやミリが混在。そこでジェット弾は複数の環で差に対応。シロワシは同じ4.5mm5.5mm口径でもさらにA弾B弾という複数の弾を用意して対応。

・火薬に関する3つのWでは、未解決無差別爆破事件「草加次郎」事件についてコメント。アメリカでよくあることで、日本も欧米に並んだ、しかしこれは最も低劣な犯罪である、とのこと。日本当局は「火薬取締法が甘いせい」というがまったくそんなことはない。ひとりの狂人のせいで火薬の入手を困難にするべきではないし必要なのは狂人への医療的なサポート。黒色火薬はどんな本にも作り方は書いてあるし、その気になれば台所の器でニトログリセリンも作れる。困難になるほど狂人はその達成に英雄的快感を得るだろうとの自説。

・日本の猟銃メーカーは大手3社としてSKB, NIKKO, KFCがある。日本猟銃精器KKが本格的な自動銃を送り大手4社か?猟銃といえば散弾銃であり、その多くは2連銃。特に水平2連が多い。上下2連はフィールドでは重いが反動の少なさから外国ではフィールド需要も高い。2万円程度の単銃身も使い方によっては十分な性能。自動銃は外国産というイメージだったが国産も出てきた、など当時の猟銃事情が。

・広告。「独乙 バーゴ 自動8連 22口径」とある。「独乙」という表記、自動8連がまだ許されたことなど興味深い。

・ストックホルム(ピストル)とオスロー(ライフル)で開かれた欧州射撃選手権大会の記事。日本選手は、羽田空港から飛んでいる。成田開港前だ。東独の単独参加をノルウェー当局が拒否したため、ソ連および東欧諸国(ユーゴスラビア除く)が不参加、冷戦だ。ストックホルムには参加している。

・昨年度銃禍白書。他のハンターやボートを漕ぐ船頭に当たる誤射事故が多い。殺人の取り扱いは1件もなし。すべて事故。ガンブームで素人ハンターが増えたとの由。同じページに東京海上の「ハンター保険」の広告も。

・広告。散弾はほとんど12番だが、稀に16番もある。ここでは20番はない。「自動15連 モスバーグ」もまだ載っている。

・戦後はアメリカの影響でライターがものすごく流行り、ライターとタバコケースが一体となったものも出回ったが、今は見かけない、と。タバコ6本しか入らないライター付ケースは不便だったか。

・広告。「米軍実物大鉄カブト」、ポリカーボネート製。「火事・地震・登山・工事・オートバイ・台風の時にも使用できます」とあるがバイクと工事は法的に基準はなかったのか。

。ガンクイズの金賞は、兵林館製エアーライフル。

・射撃競技は重い銃を支えたり持ち上げたりする運動量、呼吸停止時間の累積、などから疲労困憊になる。弾数の多さは責任量。集中力も。非常に疲れるという、

・防弾チョッキについて、布に包まれた特殊鋼の小片をたくさん縫い付けたり特殊鋼板を組み合わせたりと鉄製の前提か。

・読者投稿コーナーに自分の持ってる猟銃用の8mmモーゼル弾が手に入らないというものがあり、それに対する返信として「本年の実包輸入計画に8mmはないようだが、1,000発以上注文すると輸入業者が取り扱う」とのコメント。こうして実包供給が途絶えて眠り銃になった品が多そうな。

・東京国際スポーツ大会について、「オリンピックの前哨戦」として多く写真を載せている。オリンピックへの熱気を感じる。「新装成った国立大競技場」とあり会場も同じということもあり。

・猟銃の大半が散弾銃を占めることから需要の高いスラッグ弾について、国産と西ドイツ製との命中精度を比較している記事では、意外に差がつく様が描かれており、命中精度の理由をその構造から解説しており興味深い。空気銃用の弾丸についてもその製造法や構造が紹介されており、これは後年の『Gun誌』ではほぼ見みられない情報だと思った。スポーツ国際大会の記事では、東ドイツの出場を開催国ノルウェーが拒絶し、ソ連をはじめとして東側諸国が不参加というのも時代を感じる。しかもユーゴスラビアは除くというあたりも。


1963年12月号(昭和38年)

目次
・国産.30-06弾の威力を拝見する
・アメリカ猟野でのキジ射ち、9つの楽しみ
・男ならトド射ちを 東映・梅宮辰夫の巻
・口径のすべて 第4回
・M1カーバイン・コルト1851年型ネービーリボルバ
・続々・名コーチ物語 ジンマーマン、竹下五久男
・銃砲史 第13回
・火薬に関する3つのW
・ファインベルクボウ・モデル150 ファイアーアームズ・インターナショナル・ラサール フインラド・エラ 口径.38コルト・ディテクティブ 口径.65mmモーゼル
・西南戦史 第7回
・天満騒動・幕軍の火薬と戦闘篇
・スポーツの祭典 国際スポーツ大会と国体
・GUNホビースコーナー
・眉唾談義 西江剛対根本忠 大いにマユツバを語る
・ガンあれこれ談義
・もってみたいハジキ達
・戦争と勲章
・TVガン紳士録
・FBIヤカン射撃訓練の巻
・ガンフォトクイズ
・射撃教室・これだけは知っておきたい射撃用語
・三段式地下射場出現
・国体及び国際スポーツ成績発表
・Q&A
・サロンコーナー(鉄砲類取締りの事情)
・掲示板・編集部だより
・バックナンバー御案内

・.30-06の記事。ゲームに適した実包について。低速重弾頭と軽量高速弾頭のどちらが優位かは、アメリカでも議論がつきない。日本でいちばん普及している大口径ライフル弾は.30-06。その効果について語られることは少ない。自分の腕の問題に帰すばかり。そこで実射実験。水の入った石油缶、鉄板、ブロックを撃つ。コンクリートブロックは後ろになるほど激しく破壊され、3枚目のブロックがいちばん大きく飛散している。

・梅宮辰夫は用途ごとに5丁のライフル、散弾銃を持っている。この記事しかり、「ごきげんな銃」みたいな表現がわりとあるが、当時はふつうのコトバか流行語か。

・マスター自動ライフルの広告。時代的な語り口だが、当時は一般的な表現だったのだろうか、それともすでに時代がかっていたのだろうか。

・オリンピックが近く、競技射撃の記事が目立つが、西独のコーチが亡命してきた元東独オリンピックコーチでソ連式理論に精通している話は時代を感じる。また、中央大学のコーチについては「体育学部」というコトバが数度出てくるが、これは運動部部局についての名称なのか。

・エアライフル射撃場が次々に建設されている。エアライフル人口の厚さが窺える。マツオカ射撃場は地下に3段式の射撃場という、都市部ならではの画期的な射撃場。

・東京オリンピックの前哨戦である東京国際スポーツ大会。自衛隊が大きな役割をはたしている。的の確認、採点、的の操作を自衛官が行う。通訳も自衛官。「英語のできる若手将校」(ママ)を全国から朝霞に集結して基幹要員の訓練ともある。

・第18回国民体育大会。「戦災から見事に復興した下関市」とあり、そういう時代感覚か。ここでも標的を管理するのは自衛隊。センターファイアーピストルの選手は4インチぐらいのリボルバー。鉄道公安は6インチのSW競技用リボルバー。これのための出場人数が増えたという。警察官、刑務官、鉄道公安官、自衛官が出場しているが自衛官は少ない。鉄道公安以外は競技用の拳銃は見られない。


・エセGUN具の記事。ピストル型カメラ、マグネシウム粉を発火させてストロボとして銃口を向けた相手の写真を撮る玩具だが、案外リコイルがきつくて手ぶれになるというのがよい。しかもマグネシウム粉が発売禁止になってガラクタになってしまうあたりも。

・勲章の紹介記事では、金鵄勲章と聞くと懐かしく感じる方も、苦々しく思い返す方もいることだろうと書き出してるが、良くも悪しくも何らかの記憶があるという前提なのがすごい。

・FBI夜間射撃訓練。夜間ではライトに向かって発砲されるので、ライトはおもいっきり腕を伸ばして身体から離す。ライトなしで発砲炎の一瞬の光で狙う訓練もする。暗闇の中でリボルバーに4発装填する。自分のリボルバーが時計回りか、反時計回りか、記憶していないとならない。

・ガンフォトクイズ。金賞エアライフル当選者のコトバ。雑誌から許可証を取るようにとの手紙がきたという。そういう手順か。

・読者質問コーナー。西独で売られているガスピストルや米国イタリーで売られている発射音だけの拳銃は、拳銃の定義に当てはまらないが所持できるかとの質問に対し、厳密な拳銃ではないが人体に危害をもたらす以上は武器であり所持できないと警察庁保安課が回答してるのが渋い。

・登録猟銃。
昭和25年末 21万丁。
昭和37年末 42万6千丁。
 増加のピークは昭和30〜31年、36〜37年と二回。景気に左右されている。1回目ピークでは猟銃3万丁、2回目でも猟銃3万丁が増えた。空気銃は年3〜5万丁ずつ増えている。1丁のみ持っているのが80%。農林従事者が全体の34%。農林従事者の多くは1人1丁だが複数所持は会社員、経営者等。複数最高は15丁。登録の98%が散弾銃。2%がライフル。昭和28年までライフルの国内製造が禁止されていた影響も。
 全数検査でも呼び出しに応じたのは87%で残り13%は転居その他で所在不明とのこと。

・.30-06ライフル弾の威力を鉄板、石油缶、コンクリートブロックなどの実射により検証するなどのレポートは今では国内では不可能といっていいだろう。オリンピックが近く、前哨戦ともいえる国際大会や国体における選手や支援する自衛隊らに焦点が当てられており、熱気を感じる。5月号で紹介されていた鉄道公安官のS&W K38マスターピース6インチの活躍も伝えられている。オリンピック射撃コーチの紹介記事では、西ドイツのコーチが亡命してきた東ドイツの元オリンピックコーチというのも時代を感じる。


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