last up date 2023.04.30

『月刊Gun誌』読書記 1968年


 国際出版の銃器専門誌『Gun誌』の読書備忘録。基本的に読書メーターやメモの転載。
 知識のない人間の書く個人的なリファレンス兼備忘録なので情報そのものの正確性が期待できないのはもちろん、『Gun誌』の当該号に書いてある内容と一致するとも限らない。


1968年1月号(昭和43年)

目次
・<ピストル>と呼ばれたライフル
・Gunのいたずら<銃腔異常の部>
・カモにされるハンター達
・ガス圧作動による自動拳銃
・コルトM1911&M1911A1とその複製品のすべて
・埼玉国体ライフル射撃回顧
・拳銃王子”ワイルド・ビル・ヒコック”の最後
・実猟におけるrifleスコープの使い方
・スミス&ウェッソン社製最新短機関銃・モデル.76
・自衛隊観閲式
・ガン・フォートギャラリー
・照準調整のテクニック
・ウージー9ミリサブマシンガン
・ブローニング新オート・ライフル
・犬なしハンター出猟作戦
・世界の軍用小銃(10)スエーデンその他
・銃砲史 第61回 続 宿命の西進
・それが知りたい
・売たし、買いたし
・ライフル射撃協会広報室
・カートリッジ
・ガン写真コレクション
・ガン試写室
・書評欄
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー

メモ・雑感
・カモにされるハンターとして、デマカセをいってそのへんの野を案内し、案内料をふんだくる悪徳ガイドや、せっかく獲った獲物の肉を処理して自宅まで送るといって一切れして送ってよこさないような悪徳ガイドについての記事が載っているのは、狩猟専門誌っぽい。当時は大なり小なりそういうトラブルがあったのだろう。

・スコープの記事、雪が解けてまた凍り付くことに注意しろ、汚れはきたない布で拭かず家に帰ってから専用の掃除道具をつかえ、など実用的。北海道の厳冬期の猟についてはセフティをかけて歩いて、いざというときに凍り付いてセフティがオフにならないとあわてふためいた経験を持つ方も多いだろう、と。ある前提か。

・発表されたばかりの最新製品としてS&W M76SMGを紹介している。集弾性能が高く、即応性もよく、分解結合が容易で、廉価であるとして高評価。しかしすでにSMGの時代ではなく、ごく限定的な使用にとどまり、後には田舎の警察署の武器庫に眠ることになるのだが、期待は高かった。

・チューブマガジについて。 チューブマガジンは、先の尖った硬い弾頭を使うと前の実包の雷管を発火させる危険があるというガンマニアなら基本的な知識に述べたあと、30-30のファクトリーロードはそれを考慮しているが、リロードするときに先が尖った高い射撃用弾頭にしないよう注意を呼びかけるあたりも、実際に読者がライフルを使い、リロードすることもある時代ならではだ。

・綴じ込みハガキに郵便番号がない。郵便番号は1968年7月からなので、まだ数か月後のことである。創刊当初は記述されていなかった広告の市外局番も、この頃はだいたい記載されるようになってきた。

・銃を遺棄するときの破壊の手引きとして、実包の弾頭をこじ開けて外して発射薬を2/3捨てて、弾頭を前後さかさまにはめ込んでから発射すると弾頭が薬室付近で停止するので、そこにさらに発射されると破壊されるとある。薬莢から弾頭を外すのがいちばん面倒そう。

ハンターにデマカセを言って何もない野に案内して料金をとる悪徳ガイドに注意という記事は、いかにも狩猟の専門誌らしい。また、.30-30のようなチューブマガジンのライフルは、既製弾ならばよいが、リロードするときは先の尖った硬い射撃用弾頭をつけないよう注意というのも、読者がし得る事故を未然に防ぐ実際的なアドバイス。また、厳冬の猟でセフティが凍結して動かない経験をした読者も多いだろうというのも読者層を窺わせる。読者の手の届かない銃としては最新SMGとしてS&W M76が紹介されており高評価。期待は高かった。


1968年2月号(昭和43年)

目次
・ドイツの撃墜王と機関銃
・画面に現われない陰の西部劇スター
・ペン ガン
・Gunのいたずら<暴発と特殊事故>
・ライフル実包の理想的な用途
・メタリック・サイト
・SIG製MG710-3
・ライエット・ガン
・大爆発ゴールデンサウンズ
・U. S. M1A1カービン
・世界の軍用小銃(11)ベルギー、オランダ
・ホイットニー・ライトニング
・ニュー・ポリス・ショットガン
・銃砲史 第62回 第二次独立戦争とその影響
・読者応答室 それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ガンニュース
・カートリッジ
・射撃論壇
・ライフル射撃協会広報室
・クイズ
・バックナンバー

メモ・雑感
・映画の銃技監督の記事、早撃ちで男が突き出すジョッキを撃ち抜くシーンは、俳優の銃は空砲だがカメラの死角から22口径の実弾でジョッキを撃ったという。ジョッキはワックス製の安全なものというが。他にも、M1カービンで俳優の側の水槽を撃ったり、映画撮影も荒っぽい時代だ
 西部劇の俳優を鍛える銃技監督が、まず銃に慣れさせるとしてサイトなしで当たるようになるまで実弾射撃練習をさせるのはともかく、俳優に緊張感を与えるため傍に実弾を撃ち込む撮影をし、その際、発砲する銃技監督を信頼させるため腕前を披露しておくとか、ワイルディな話だ。

・テレビ番組で、テレビカメラにクロスボウをくっつけ、生中継で選ばれた視聴者が茶の間のブラウン管ごしに電話で「上」「右」と指示をし、目隠ししたカメラマンがそれに従って照準する遠隔射撃番組を紹介している。いまでは所持が禁じられたクロスボウも気軽な射的用具だった。そして遠隔操作もなかなかのアナログ。視聴者参加で盛り上がったことだろう。

・モデルガンの発達により、テレビ番組に登場する銃はリアルなものが増えたという。以前は得体の知れない外見の銃を借りだし、そして資格を持つ花火師を雇って発火させていたが、モデルガンならば安く、扱いも簡単とのこと。

・M1A1カービン(記事では一貫して「カーバイン」表記)のモデルガンの記事で、米軍の銃は部品数が少なくシンプルという話のついでに、62式機関銃、64式小銃は細かい部品が多く故障がちで、精度に優ってるが軍用銃としてどうか、とのコメントも。すでにそういう風聞があったのか。

・スイス製の比較的新しい機関銃としてSIG MG710-3を紹介している。スイス軍には採用されなかったが少数の国に輸出されたので採用実績はあるが、しかしなかなか渋いところをつく。紹介しているのは若き日の床井雅美先生なのでさすがというべきか。

・フロントサイト後端に象牙をはめ込んだ品は素早く照準できる、とある。今日、フロントサイト後端に白い塗料を入れる、あるいは夜光塗料を仕込む、はたまた集光ファイバーをはめ込むなど様々な品が見られるが、象牙は想像もしなかった。それだけ猟銃が奢侈品だったということか。

・時事の記事によると昭和39~41年における不法拳銃検挙件数は軒並み1,000件以上という凄まじさ。しかし実際に事件に使われたのは昭和39年の94件から下降する(それでも今日から見ると多いが)。出所は3割が密輸、残りは米軍、旧軍、手製など。基本的に不良船員の密輸が多かった。
 あと不良航空機搭乗員や不良海外旅行客も。空港に金属探知機さえなく、海外土産に拳銃(これまた登録なしか、あっても形だけですぐ持ち帰れる土地が多かった)を「出来心」で持ち帰る人間が時折いる時代だった。

・西部劇映画の銃技監督の記事では、撮影に実弾がしばしば使われており、当時の映画撮影のワイルダネスが窺えた。腕試しの空き缶はまだしも、役者の持つジョッキや役者の傍の水槽までカメラの死角からライフルで撃つのはすごい。モデルガンの記事のあくまで余談コメントとして、62式機関銃、64式小銃への苦言が。自衛官からの評判が聞こえてきたか。以前の号では期待は高いという記述が多かった印象だが。サイトの記事ではフロントサイトに象牙をはめ込んだ品は、素早く照準できるなどとあり、今では取引自体できなそうな話。猟銃は奢侈品だった。


1968年3月号(昭和43年)

目次
・高速弾か?重量弾か?
・Gunのいたずら<命中不良>
・これからの猟政はどうするべきか
・SIG製SG510突撃銃
・バット・マスタースン
・軍用兵器付属品の研究
・ベルグマン自動拳銃
・一丁の銃を何丁にも
・世界の軍用小銃(12)スペイン、ポルトガル
・クレイジー・ガン・パテント
・この猟期中の話
・ダクトの死闘
・ニューガング図鑑 ブレンMG MK1とブレダMG M1930
・銃砲史 第63回 南北戦争以前
・読者応答室 それが知りたい
・レミントン・モデル11自動散弾銃
・売りたし、買いたし
・ガン・フォト・ギャラリー
・ガン写真コレクション
・リボルバー装填器
・ライフル射撃協会広報室
・カートリッジ
・射撃論壇
・クイズ

メモ・雑感
・弾頭重量と発射薬量とのバランスが大切であり、軽量弾頭を大量の発射薬で撃ち出しても必ずしも威力を発揮できるわけではないという例えに、パブリカにロールスロイスのエンジンを載せてうまくいかないとの表現。やはりトヨタ・パブリカが大衆車の代表的イメージだったか

・自動散弾銃とスライド式散弾銃のどちらが早く撃てるかという話で、引金を引いたままスライドを前後させるだけで撃てる銃なら、スライド式の方が速射できる、とのこと。ただし実猟ではまったくの無意味ともあるが。実猟を念頭においた話がまだまだ多い。


1968年4月号(昭和43年)

目次
・ルガー・ストーリー
・ライフル・スコープの調整
・銃器自叙伝<俺は38式歩兵銃>
・私設造兵廠を持ったギャング
・戦場で使われたエア・ライフル
・世にも奇妙な拳銃たち
・国際ライフル競技種目の更改と国内競技の課題
・トンプソンSMGのドラム弾倉
・ベトナムの共産軍火器(1)
・アメリカ人の見た日本のモデルガン
・ワンショット!ワンキル!
・世界の軍用小銃(13)中南米諸国
・ニューガング図鑑 M1ガーランド・・ライフル(プラモデル)
・銃砲史 第64回 停滞の中の進歩
・読者応答室 それが知りたい
・ガンマンスリー 26年式拳銃
・売りたし、買いたし
・ガン・フォト・ギャラリー
・カートリッジ
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
・ライフル射撃協会広報室

メモ・雑感
・モデルガンの広告の片隅に「社員募集(組立・試作・営業)履歴書送れ」の文字が。簡潔に文字数を絞って「送れ」と書くのは、最近見ない表現かもしれない。また、ボウガンの広告は、「行楽には是非御携行下さい。魚射ち、標的射撃を御家族みんなで楽しめます」と気軽な娯楽扱い。

・日中戦争のはじめの頃合いにおいて、栃木県が戦地に送る拳銃の献納運動を行ったところ、わずか数日で拳銃30丁と実包400発が寄せられたとの話が。不鮮明な写真をみるに、リボルバーばかりにみえる。アイバージョンソンとか。雑多な銃を戦地に送っても、実包の補給が大変そうだ。

・警察庁科学警察研究所から以下の品が盗まれた。気づいたことがあれば警察、または当社までご連絡くださいとの広告。盗まれたのは、フィリピン製CRS拳銃、94式拳銃、14年式拳銃、アイバージョンソン拳銃などの他、エアピストル、そして水に浮く22口径ライフル銃(三つに分解してある)とある。AR7か。

・ギャングの私設造兵廠なる記事、有名なジョン・デリンジャーを取り上げているのだが、造兵廠といってもダラ村のように武器を一から製造しているのではなく、.401Win SLライフルからM1911まで市販銃器のフルオート化や散弾銃のソードオフを少しする話だった。それが合理的か。

・ベトナムの共産軍火器なる新連載、新聞記事の引用からはじまるが、ケサンでは海兵隊が北ベトナム軍に包囲されて孤立し補給路は空路のみ、米軍の空爆は効果が乏しく、北ベトナム軍の砲撃は激しく、歩兵装備は南ベトナム軍をはるかにしのぎ、米軍に匹敵すると米国・南ベトナム側の苦境を伝える。しかし軍事専門家ではない記者の報道ではどのような武器が使われ、それがどのような意味を持つのかはわかりにくいので、それをうかがい知る。参考として共産軍の火器について紹介するとのこと。

・銃器が一人称で語る新連載は、武器学校にある38式歩兵銃の遍歴を銃自身が語るという型破りなもの。太宰治の『貨幣』を彷彿させる。人から人へ場所から場所へと移動しながら長く使われるのは貨幣も銃も同様である。銃はシリアルナンバーから記録を追えることが多いので、ある程度事実を交えることができる。広告では警察庁科学警察研究所から拳銃(発砲不能処置をしてある)が十数丁盗まれ、情報提供を求めるものが。当時激戦が続くベトナム戦争の報道を読み解く手掛かりにと、共産軍の火砲について紹介するのも時代を感じる。


1968年5月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・世界の突撃銃
・猟期を顧みての事故と違反
・新25ミリ重機関銃
・ベトナム 第10突撃大隊、米大使館を襲撃
・銃器自叙伝<俺は38式歩兵銃>(2)
・続ルガー・ストーリー
・猟銃ショー
・ベトナムの共産軍火器(2)
・グリース・ガンの曲射装置とは
・火薬つめセット
・カスター将軍、最後の銃
・シャープ・Co2-5
・機関銃売ります゜
・コルト・パイソン・リボルバー
・世界の軍用小銃(14)アメリカ
・血ぬられた拳銃
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ガンニュース
・新しい小矢弾機関銃
・射撃論壇
・カートリッジ
・クイズ
・ライフル射撃協会広報室

メモ・雑感
・ブレン機銃はイギリスの代表的軽機関銃で、日本軍も大量に鹵獲したので、使った経験のある読者も居られるのではないだろうか。とまだまだこうした前提が。

・かつて銃砲店の売り物といえば、戦前の古物か駐留軍人が手放した代物が主流で、国産銃は存在感がなかったが、近年は輸出が輸入を大幅に超過する猟銃輸出大国になった、とのこと。外国土産に猟銃を持ち帰る時代でもない、とも。米国メーカーへのOEM供給が盛んになりつつあった。

・眠り銃という語がはじめて登場。社会を震撼させた乱射事件、篭城事件を受けて猟銃競技銃の一斉点検を行ったところ、なんと検査対象のうち装薬銃は22%、空気銃は64%が廃棄処分になったという。過去に簡単に所持できた頃の古い銃、特に空気銃が多く存在したことになる。

・事故に関する記事、上司のお供で鴨猟に赴いた会社員が誤って散弾を上司に浴びせてしまい、上司の遺体を放置したまま戻り、会社に立ち寄り机を整理し、帰宅後に服毒して果てたという話が。会社で猟に行けるぐらい若い狩猟人口がいたこと、毒が容易に手に入ることも隔世の感か。

・ベトナム戦争はやはり注目を集めていたようで、共産軍の火砲の連載の他、米大使館襲撃の速報も。情報が遅く、細切れで報じられる中、読者は銃砲方面を切り口にした記事を渇望していたのだろう。実銃所持においては相次ぐ事件を受けて、「眠り銃」という言葉がおそらく初めて登場。一斉検査では多くの眠り銃が廃棄処分にされたという。こうして60年代のうちに実銃所持のハードルは目に見えて高くなっていく。事件ではなく事故も記事では、上司のお供でカモ猟に赴いたところ、誤って上司を射殺してしまい、身辺の整理をしてから自決した悲惨な話も。


1968年6月号(昭和43年)

目次
・M16(AR-15)は失敗作か?
・アメリカの銃器取締法にもの申す
・俺は38式歩兵銃(3)
・ダブル・ライフル
・ウィンチェスターと共に歩んだスタージョンウエイン
・オートマチック・メカニズム
・北軍戦車隊、米軍ランベイ基地を制圧
・キ-109防空戦闘機
・ベトナムの共産軍火器(最終回)
・よき時代の銃猟ばなし
・ニューガング図鑑 コルト・シングルアクション・アーミィ・リボルバー
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>(1)
・.454マグナム拳銃
・ベレッタ・ガリガディア
・銃砲史 第66回 連発式拳銃(リボルバー)の実用化
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・射撃論壇
・カートリッジ
・ガンニュース
・ガン試写室
・クイズ
・バックナンバー

メモ・雑感
・M16は欠陥小銃かという記事、筆者が東京神奈川の米兵の溜まり場へ赴き、ベトナム帰休兵にインタビューする同時性がある。答えは5通りで、噂は否定しない、答えない、M16を賛美、手入れさえすればいい銃、そして欠陥銃として批判とある。最後の批判は非常に具体性あるとのこと。

・アメリカにおける銃規制に対する神学生シューターの意見が。事故や犯罪で生命を失った人たちの魂は、神の御手にゆだねられるのだから、銃器が正しく使われるかどうかは神のしもべの当然の関心事であり、射撃競技に触れたことから牧師の道を志した、という経歴がなかなかよい。

・ダブルライフルの記事、召集された友人の英国製ダブルライフルを譲り受け、戦後の食糧難の時代に肉の調達に重宝したという。大口径の.450ニトロエキスプレスなら、散弾の一粒弾では半矢で逃がしそうな50貫近い大猪も一撃だったという。当時はそんな大口径も所持できたのか。

・ベトナム戦争の速報記事、「北軍戦車隊 米軍ランベイ基地を制圧」というタイトルに迫力がある。「北軍」の2文字、当時は普通に使ったのか。内容はPT76軽戦車を組織的に運用して小火器しかない前哨基地を制圧したというもので、北ベトナムの戦車の使用はかなりの衝撃だった模様。

・売買や交換の掲示に電気製品がたまに出品されるのも面白い。「ナショナル櫛付ヘアードライヤー(¥3,500新品)」「ナショナルポータブルプレイヤー(¥8,000, 新品, 3スピード, 2スピーカー)」など。外で音楽を聞くのにレコード。まだコンパクトカセットは普及していなかったか。

・むかしは鳥獣豊富で規制も緩かったとして昭和初期の銃猟雑誌を紹介している。中でも目を引くのはブローニング・オート5を9連発にする増補弾倉の広告。価格は9円で取り付け簡単とのこと。かの津山事件では9連発に改造したオート5が使われたというが、こういう品を用意したのか。

・昭和42年の銃器盗難は161丁、自動車から盗まれるケースが急増しているという。施錠をせず車内に放置し盗まれるケース、施錠しても窓を割られるケース、中にはバイクにくくりつけて駐輪し散髪中に、という例も。銃とわからなければ盗難リスクは下がるとして銃袋を推奨している。

・警察官の読者からの投稿で、射撃練習をすると数発で耳鳴りがし、ひどいときは翌日まで続くとの声。耳に綿を詰めることを勧めている。イヤープロテクターにも言及しているが、まだ普及していなかったのだろうか。

・M16はベトナムで米兵の命を危険にさらしている欠陥銃という告発も生々しい当時において、関東のベトナム帰休兵に取材をするのが同時性がある。現在進行形の戦争のさなか、直接的な批判の声は少なかったが、しかし数少ない批判はどれも具体的で、後に米軍が発表した点と一致していたという。当時はまだワイルドキャットカートリッジにすぎなかった.454カスールの紹介も。ルガースーパーブラックホーク.44マグナムをカスール氏の工房に持ち込めば、.454カスール用に改造してくれたという。


1968年7月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・自衛艦の砲熕兵器たち
・弾丸の速度を計る!
・インドの虎狩り
・アメリカ特派員だより
・俺は38式歩兵銃(4)
・ワン・ホール・ライフルマン
・ケースレス・アンモ
・第二次世界大戦の拳銃を採点する
・ニューガング図鑑 レミントン・ニューモデル・アーミー・リボルバー
・古都ユエの攻防戦
・日本の「ゴールデン・ベア」ライフル
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>(2)
・モーゼルM71/48ライフル
・銃砲史 第67回 東と西と南と
・読者応答室 それが知りたい
・売りたし、買いたし
・書評欄
・ガンニュース
・射撃論壇
・クイズ
・カートリッジ
・バックナンバー

メモ・雑感
・自衛艦のガンとして「てるづき」などの護衛艦の小火器から艦砲までの銃砲を紹介している。小火器は、M1911A1が士官室に8丁、M1ガランドが分散して30丁、M1919A4が4丁、トンプソンSMG2丁とある。当時としても古め。弾薬は.45ACP 800発、.30-06 24,000発。2種類しかない。便利だ。

・FN社主催で愛知埼玉福岡兵庫にてFNユーザーを対象としたトラップ射撃大会が。賞品は1位ポータブルTV、2位電気洗濯機、3位電子オルガン、4位テープレコーダー、5位電気大工セットとあるのに時代を感じる。洗濯機の普及率はすでに飽和していた気がするが邪魔にならなかったのか。

・通販の綴じ込みハガキ、まだ郵便番号はない。また、貼るべき切手は7円とある。申し込みに際しては、認印がないと無効というあたりも時代を感じる。

・自衛艦のガンとして、拳銃から大砲まで紹介するのは物珍しい。小火器は当時としてもやや古い.30-06のライフルと機関銃、そしてトンプソンSMG。砲は半ば自動化しているが人力で砲弾を運ぶ部分があり、発射速度のボトルネックとなっているのが当時の様相か。ベトナム戦争については本号も扱っているが、基本的に米軍の劣勢と共産軍の強さを伝えている。現在進行形でもそうした戦況が語られていたのか。豊和ゴールデンベアの外誌の評価も紹介しているが、品質が高く、野山に持ち出すのがうれしくなる銃となかなか高評価である。


1968年8月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・ウィンチェスターのすべて
・マグナムタイプ発射薬
・早撃ち&ガンプレイ日本
・あるライフルマンの研究
・急激な進歩を見せる韓国の射撃界
・俺は38式歩兵銃(5)
・いらない口径はくびにしろ!
・100式機関短銃
・ニューガング S&Wミリタリー&ポリスM12リボルバー
・クレイジー・ガン・パテント
・ベトナム戦でテスト中のアメリカ陸軍の新兵器
・ニューナンブ
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>(3)
・銃砲史 第68回 南部と北部の対立
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ウェスタンニュース
・射撃論壇
・カートリッジ
・ガンニュース
・クイズ
・バックナンバー

メモ・雑感
・高価でおいそれと発砲できないマグナムタイプのライフル弾について、待望の国産発射薬が旭化成から販売されることになったとして、デュポンIMR4350と比較しつつ、薬量、弾頭、雷管の組み合せの結果をレポートしている。まさに鉄砲持ちのための実用誌だ。

・日韓親善射撃大会の記事、4年前は競技銃にも事欠いた韓国射撃事情の大躍進ぶりを紹介しているが、青瓦台襲撃を受けて機関銃を積んだパトカーが走り、駐在所前に土嚢が積まれ、鉄道公安はベトナム戦争経験者からなるライフル隊を編成して鉄橋やトンネルを見張る時代性も凄い。

・西部劇人気からガンプレイもまた注目されるようになったが、その中でも少年の日々から猛練習し、アメリカから来た興行団をも驚かせたという国本圭一氏の若き日の逸話が特集されている。時代の空気を感じる。ベトナム戦争の新兵器なる記事では、AR-15短銃身モデル、小銃装着型や自動発射式のグレネードランチャー、ヘリコプター用機関砲など、後に普及する装備が革新的な新兵器として注目されていた様も見て取れる。いらないライフルの口径はくびにしろという威勢のいい記事では、くびの意味で「合理化」という語を使っているのも時代性か。


1968年9月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・シュマイサーSMG<ヒトラーと共に消えたSMG>
・アメリカ特派員だより
・鳥獣法制度の一部改正
・東南アジア・ピストル旅行
・スナイピング・ライフル
・続 ウィンチェスターのすべて
・クラッグM1898カービン
・外貨を稼ぐモデルガン
・俺は38式歩兵銃(6)
・アメリカ・ガンコレクション見てある記
・.22口径はオモチャじゃない
・ニューガング エンフィールドNo.2 マーク1
・日本製M1ガーランドは本当にあったのか?
・アイバー・ジョンソン
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>(4)
・銃砲史 第69回 南北戦争へ
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ソ連のピストル
・ライフル射撃協会広報室
・ノックダウン
・射撃論壇
・カートリッジ
・ガンニュース
・クイズ
・バックナンバー

メモ・雑感
・前月号までは広告にも綴じ込みハガキにも記載のなかった郵便番号(3桁しかない)が、わずかに見られるようになった。広告の住所表記の斜め上や斜め下に「郵便番号 170」などと不自然に付け加えられているのも風情がある。少し前には電話の市外局番が使われはじめる様を見たが。

・ラオス旅行記がカオス。国軍兵士は銃を持ち出して売り、M1カービンが100ドル、BARが200ドル程度で買えるという。密造銃も出回り、.45ACPを使用する中折れ拳銃が10ドル。ハーフコック、薬莢排出機構も備えるが、安全に撃てるか不安で、筆者は他人に撃たせてみてから自分でも撃っている。また、.30-06を使う単発銃も凄い。.30-06実包をそのまま撃つと爆発するらしく、実包から弾頭を外して.45ACPのケース1杯分だけに発射薬を減らしてケースに戻し、紙のワッズと散弾とを詰め、切ったゴム草履と蝋で封をするという。おそらく実包が軍しか出所がない故に、鳥撃ち散弾銃をどうにかして作ってみる工夫か。
 また、当時のラオスは内戦中であり、筆者はバスで移動中に兵士に8mmカメラを向けようとしたら他の乗客に強く制止されたという。なんでも、兵士の機嫌がわるいと相手がバスだろうと機関銃で撃って手榴弾を投げるぐらいは朝飯前だそうで。内戦中は緊張感がある。

・第一次大戦中、米軍はクレー射撃経験者に散弾銃をあてがい、投擲される手榴弾を空中にあるうちに散弾で迎撃する試みをしたとあるが、どのぐらい役立ったのだろうか。映像にすると緊迫感のある絵になりそう。

・床井雅美氏が米国の愛好家を訪ねる記事。初めてのワルサーP38の通常分解が、モデルガンで慣れていたのでスムーズにできた、などその感動が伝わる。パームピストルやアパッチリボルバーなども写真に収めている。しかし写真の少なからずが、露出不足やストロボ同調不良で失敗も多かったらしく、当時の撮影の難しさが伺える。

・鹿児島県で狩猟中、同行する妻を襲おうとした保護鳥のイヌワシを撃ち落としたのは、正当防衛か、狩猟法違反か、という記事。鳥が人を襲い負傷させた例として、人を襲ったハゲワシの剥製が釧路湖陵高校にある、と唐突に母校が現れる。現存するかは不明。湖陵高校の旧校舎時代を生きた姉に聞いても「しらん」とのことだった。漫画『ゴールデムカムイ』でも、釧路の高校の理科室にハゲワシの剥製があるらしい、というような記述があったが、まあ過去のことなのかもしれない。

・ロバート・ケネディ事件の凶器ということでアイバージョンソンM55Sを取り上げている。シリンダーをスイングアウトできず装填孔から1発ずつ装填・排莢するソリッドフレームで、DA機構まで古めかしいが、それでもごく安価でブリンキングやちょっとした護身用には使い出はあったという。そんな代物でやられたのか。しかし再装填できない.22LR6連発で護身用になるとは、牧歌的な時代だったのだろうか。再装填はできないと割り切るのはよいとして、.22LRでも護身用になったのか。そこまで激しい殺し合いになるのではなく、絡んできた人間を、殴り返すぐらいの感覚で撃ってやれば引き下がる、ぐらいの考えなのだろうか。

・大戦中にM1カービンを生産していたメーカーを列挙している中に、インターナショナル・ビジネス・マシンとある。つまり、IBM社である。正式名称の方が通りがよかったのだろうか。参照した資料にそうあったのかもしれないが。

・読者質問コーナーにまた、「散弾銃用発射薬をライフル実包用に込めたらどうなる」という質問が。読んでいて「またかよ」と思ったが、回答者もそう思ったようで、再三再四取り上げている問題だが、その都度答えなければならないと応答している。者が実際に事故を起こしかねない実用誌ゆえに丁寧に対応するのだろう。結論はもちろん不可。危険である。
 速燃性の散弾銃用発射薬を、抜弾抗力の強いライフル実包に使うと、異常腔圧となり爆発する恐れがある。読者の事故防止のためには写真を見せた方が早いとして載せられた、散弾銃用発射薬を込めた.30-06実包を使った射手のかけていたレンズがひび割れたメガネには迫力がある。ちなみに「散弾実包はほとんどが紙薬莢で抜弾抗力が弱い」というようなことも書いてあったが、まだプラスティックへの転換はそんなには進んでいなかったのだろうか。

・内戦中のラオス旅行記がカオス。兵士は武器弾薬を売り、軍用弾薬を使用する密造銃まで出回り、筆者はそれを国外に持ち出そうとして発覚などしている。また、兵士の機嫌が悪いと機関銃で撃ち手榴弾を投げるぐらいは朝飯前らしく緊張感がある。アイバージョンソンの安リボルバーを取り上げていてめずらしいと思ったが、ロバート・ケネディ暗殺の凶器であった。時事ネタだった。読者からまた「散弾銃用実包をライフル実包に詰めていいのか」みたいな見飽きた質問が来たが、丁寧に危険だと答えている。逐一警告する姿勢に実用誌としての使命感を感じる。


1968年10月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・空戦史を彩った航空機銃
・変り者のガン達(1)
・悩めるアメリカ銃器所持法
・コルト・シングル・アクション・アーミー
・AK-47の全貌
・ウィルヘルム・ブレネッキ
・ニューガング図鑑 ウィンチェスターM73カーバイン
・俺は38式歩兵銃(最終回)
・米軍を恐怖させた3式弾の秘密
・フランスM1936ライフル
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>(4)
・シュマイサーMP40ブローバック・タイプ
・銃砲史 第70回 南北戦争(1)
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ガンニュース
・射撃論壇
・カートリッジ
・.22径サブ・マシン・ガン
・クイズ
・バックナンバー

メモ・雑感
・前月号から郵便番号が見られるようになってきたが、まだまだ広告で記載しているものは少ない。なかには「郵便番号110番」のように「~番」をつけているものもある。郵便番号という意味で〒はまだ使われていない。ただし、「送料」という意味では〒は以前から使われている。

・航空機銃の記事、「源田実司令(現参議院議員)」との記述が。なるほど、当時は戦争中の当事者が存命なばかりか、現役で何がしかの役職についていたりもしたが、1968年と戦争中との時代の近さを感じる。

・昭和20年秋に復員した筆者が外征に対する支給金(正確な名目は不明)で数千円を手にし、猟銃を買い猟を始めたとある。手に入るのは散弾銃で、大物猟をするには釣りや投網の錘や自家製の鋳物で精度の悪い一粒弾を作っていたが、進駐軍の持つライフルドスラグ弾に感心している様も回顧される。

・解放戦線や北ベトナム軍の装備が改善されAK47が増加しているとある。確かに以前の号のベトナム戦争の記事では、解放戦線の銃として紹介されるものは、第二次大戦の枢軸国からの鹵獲品や、せいぜいソ連製や中国製やモシンナガンカービンやSKSだった。そう思うと各段の装備改善。

・旧軍の砲弾に関する記事で、外観について「ちょうどオバQのような格好」なる表現が。1964年から連載がはじまり、TVアニメも1965年から放送しているあたり、すでに人気作だったのだろう。しかし1968年当時はすでに連載も放送も終了しており、微妙に古くなってるあたりもよい。

・シビリアンコントロールの話として、朝鮮戦争におけるマッカーサーの解任が記憶に新しいとあるが、読者も執筆者もWWII従軍経験者が多いことを思うとそれぐらいの感覚になるのか。時事の話として、メキシコ五輪クレー射撃辞退の記事では、吉田茂の孫として麻生選手への言及も。「麻生太部選手」とあるが、まあ活字拾いの際に職人が疲れていたのか、原稿の字が汚かったのか、必要な活字がたまたま見あたらなくてなんとなく似た字で代用したかは不明。

・現在進行形のベトナム戦争の話として、解放戦線や北ベトナム軍の装備が改善され、AK47が増加しているとある。確かに以前の号のベトナム戦争の記事では、解放戦線の銃として紹介されるものは、第二次大戦の枢軸国からの鹵獲品や、せいぜいソ連製や中国製やモシンナガンカービンやSKSだった。そう思うと各段の装備改善。また、前月号から見られるようになった郵便番号を記載した広告の少なさや表記の困惑もあり、記事では「源田実司令(現参議院議員)」「ちょうどオバQのような格好」「吉田茂の孫の麻生選手」などの表現も時代を感じる。


1968年11月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・軍用ライフルからスポーツ・ライフルへ
・イヤなインター総まくり
・出るか!ゴールド・メダリスト
・.45ガバーメントはすでに廃物?
・チェコのサブ・マシン・ガン
・続・航空機銃(イギリス篇)
・日本軍用拳銃小史
・変り者のガン達(2)
・ガンのメカニズム コルトM1911A1
・ベトナム戦線で活躍する爆発物処理隊
・科学捜査<自転車泥棒 列車妨害>
・世界の軍用小銃<自動小銃篇>
・ユニーク・ミリタリー&ポリス ピストル
・銃砲史 第71回 南北戦争(2)
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・射撃論壇
・カートリッジ
・ガンニュース
・クイズ

メモ・雑感
・旧式軍用銃のスポーター化についての記事。M1ガランド以外はSMLE、モーゼルライフル、38式、99式などボルトアクション。このぐらいのものなら確かに民間払い下げも容易に行えたはず。スポーター化は主にスコープの取り付け。ボルトハンドルやセフティが干渉することが多い。

・コルトM1911の記事。扱いにくく、重く大きく、装弾数の少ないM1911は時代遅れであり、米軍は9mmルガーで10発以上の装弾数、DAのものに替えるべしとある。.45ACPのストッピングパワーは至近距離でなければ意味はなく、総合的には9mmに分があるとも。しかし交替は17年後である。
 この記事を含めて1960年代の『Gun誌』は、S&W M39を最新鋭9mmオートとして絶賛する傾向がみられる。元資料のアメリカの書誌の論調なのかもしれないが。.45ACPのSAでかさばるM1911は信奉者が多いといっても、実用上はもう少し取り回しのよく扱いやすい9mmオートの需要が高く、それに応える期待の国産拳銃がM39だったわけか。戦後しばらくは大量の鹵獲ワルサーP38が米国に安く出回り、ふつうに使いつぶされたり犯罪に使われたりもしていたので、にわかに米国でもDA、9mmオートがトレンドになり、M39が需要に応えたと考えると、当時は画期的な代物だったはず。

・Vz61 SMGの紹介記事の導入が「二千語宣言」からはじまるのが時代だ。Vz61の紹介は、SMGとは本来軍用兵器であり、制式拳銃と同じ実包を使うものだが、弱威力の.32ACPを用いてサイズも拳銃並なのが異色という論調。ただ、用途次第では使い出があるという評価が為されている。

・イヤなハンターと称する記事、2丁散弾銃で弾幕を張る、物音がしたら撃ち、狩猟鳥でなくても鳥を見れば撃ち、電線に鳥がいれば電線を撃つなどすさまじい。別の号で列車への発砲が年間100件のような話があったが、こんな撃ち方をしていれば流れ弾が列車に当たることはありそう。

・どんな金属加工も自分できるという謳い文句の工作具の広告が。部品交換により、旋盤、ドリル、フライス、研磨、ねじ切り、糸鋸、丸鋸の高精度の加工が可能とある。世界のガンマニアに圧倒的人気、とも。一瞬密造かと思ったが、既存の銃の加工や部品づくりのカスタマイズ用か。オーストリー製とある。

・新連載の鑑識小説、舞台は昭和24年のようだが、自転車盗を取り押さえようとしたところ盗人が94式拳銃を撃ったという展開が凄い。そんなしょぼい盗人が拳銃を持っているのは、当時はありそうなことだったのだろうか。銃自体は軍隊から持ち出されてここそこにあったとは思うが。

・コルトM1911の記事では、扱いにくく、重く大きく、装弾数の少ないM1911は時代遅れであり、米軍は9mmルガーで10発以上の装弾数、DAのものに替えるべしとある。旧式軍用銃のスポーター化という記事は、主に旧式軍用ボルトアクションライフルへのスコープ取り付けに焦点が当てられているが、当時はアメリカ等では余剰品の払下げがままあったのだろう。翻って日本国内の狩猟記事では、悪質ハンターとして、2丁散弾銃で弾幕を張る、物音がしたら撃つ、狩猟鳥でなくても鳥を見れば撃つ、電線に鳥がいれば電線を撃つなどすさまじい。


1968年12月号(昭和43年)

目次
・GUNフォト・ギャラリー
・ヨーロッパを席巻したドイツの名機銃MG-34
・続・航空機銃(ドイツ篇)
・エア・ピストル&ガス・ピストル
・万能リボルバー?
・変り者のガン達(3)
・エルマ・ニュールガーシリーズ
・キミも空気銃ハンターになろう
・殺しを割に合わなくした男
・先塡め銃・その射ち方と楽しみ方
・連載小説 コンクリート殺人事件
・世界の軍用銃<自動小銃篇>(7)
・ウェブリー&スコット.455ピストル
・銃砲史 第72回 後装銃の実用化
・それが知りたい
・売りたし、買いたし
・ガンニュース
・カートリッジ
・射撃論壇
・クイズ

メモ・雑感
・航空機銃連載はドイツ篇だが、ドイツについて、「戦史に燦然と輝く」「惜敗した」などやたらと贔屓目な記述が目に付く。他国の記事ではこういう筆致はあまり見られないような。まだ同盟国気分なのだろうか。

・エルマ・ニュールガーについての記事、戦後大量に出回った鹵獲ルガーP08もここ数年でサープラスは払底して価格は上昇、僅かな刻印の差で値段が跳ね上がり、手に入る品の銃身は使い潰されているのが多いとある。そんな状況でのニュールガーの供給は市場調査の大当たりとのこと。
 数年前の号だと、ルガーP08は安くて大量に出回っており、実用品として気軽に使い潰したり改造したりするのに最適という記事があったが、マニアのコレクション価値が高まってきたようではある。しかし基本、鉄砲は撃つものという発想で鹵獲品も酷使や改造をされる。

・記事の中で「チェス(西洋将棋)」という記述があり、チェスの解説を一言入れねばならないほど馴染みがなかったのかと思ったり。

・先込銃の愛好家の記事、銃口から注ぐ火薬は、.30カービン弾の薬莢を使って分量を測っているという。気分は古戦場にタイムスリップしつつも、自動小銃の薬莢から火薬を注ぐ。アメリカのマニアの時間だ。

・ウェブリー&スコット .455 セルフローディング・ピストルに関する記事、拳銃としての出来には問題はないが、重い、口径のわりに実包に威力がない、部品点数が極めて多い、生産に非常に手間がかかる、価格が高いと「問題がない」というわりには酷評している。確かにサービスピストルとしては不向きな特徴ではある。大して生産されていないのに、この自動拳銃は比較的言及されている気がする。

・戦後大量に出回った鹵獲ルガーP08もここ数年で価格は上昇、手に入る品の銃身は使い潰されているのが多いとある。そんな状況でのニュールガーの供給は大当たりとのこと。数年前の号だとルガーP08は安くて大量に出回っており、実用品として気軽に撃って改造するのに最適という記事があったが。ウェブリー&スコット.455 セルフローディング・ピストルについて、重い、口径のわりに威力がない、部品が極めて多い、生産に手間がかかる、価格が高いと酷評している。大して生産されていないのに、この自動拳銃は比較的言及されている気がする。


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