last up date 2024.08.18
『月刊Gun誌』読書記 1970年
国際出版の銃器専門誌『Gun誌』の読書備忘録。基本的に読書メーターやメモの転載。
知識のない人間の書く個人的なリファレンス兼備忘録なので情報そのものの正確性が期待できないのはもちろん、『Gun誌』の当該号に書いてある内容と一致するとも限らない。
1970年1月号(昭和45年)
目次
・GUNフォトギャラリー
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉
・GUN射撃大会報告
・世界鉄砲ある記(2)北欧篇
・売れた!売れた!英国フェアの古い鉄砲
・ドイツ製エア・ライフルの弾速
・銃刀法〈アメリカ対ソ連〉
・水平パターン用のチョークと装弾
・ガス・ピストルのメカニズム
・銃犯罪と取組む科学(9)〈意外なマーク〉
・栄光の日本火砲の歩み(3)
・早射ちのすべて〈シングル・アクション・テクニック〉(7)
・銃砲史 第85回 南北戦争(11)
・GUNと共に(10)自動砲と機関砲篇
・それが知りたい
・ガン・マンスリー スターリング・マークIV
・GUN百科辞典
・売りたし、買いたし
・射撃論壇
・カートリッジ
・クイズ
・バック・ナンバー
メモ・雑感
・広告。散弾実包の広告は「プラスチック/ペーパー」とあり、まだ紙薬莢を選べる過渡期なのであった。β/VHSや3.5"FD/5"FDみたいと思ったが、薬莢の材質が違っても同じ銃で撃てるのでそういう規格の差違とは違ったか。別の広告ではモデルガンと共にルーレットも。気分は西部劇か。
・アフリカ・サファリ狩猟記。筆者は.375H&H MagのウィンチェスターM70を香港で調達したが、これは300grの重弾頭の割には低伸性が高く、当てやすいという。アフリカ大物ハンターの2割が.460WMを使用するとあるが、しかし100mで50cmも弾道が落ちるので遠射が難しいとのこと。
・本誌主催射撃大会の記事。モデルガン制作の大家や早撃ち名人など、その道の様々な人が参加しているが、「白いテンガロンハットにダフダブのキルティングコートとズボン、登山靴のふとった人」が銃を持ってやってきて、変な人が来たと皆を騒然とさせたのが大藪春彦だったという。
・百貨店の英国フェアで開かれた古式銃オークションの記事。当時のカネで100万円や200万円する古式銃が飛ぶように売れたという。ただ、1868年より前に日本に伝来したかどうかという規定はまだないようで、美術商が持ち込んだ東西のフリントロックやホイールロックが売られた模様。
・ブローニングM2を20mm化した航空機関砲について、面白い仕事で、なかなか儲かったという製造者の声も実感がこもっており、生々しい。99式小銃については、時代の要請とはいえ改悪を余儀なくされ、戦後自衛隊で見た末期の生産品を見て涙が出たというのもまた実感か。
1970年2月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・日本軍の自動火器
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(2)
・世界鉄砲ある記(3)北欧篇
・小さな殺し屋デリンジャー
・散弾ピストルの登場
・新製品紹介「エルマ9ミリ自動拳銃」
・M16小銃のメカニズム
・早射ち新春放談会
・栄光の日本火砲の歩み(5)
・銃犯罪の取組む科学(10)〈薬室のマーキング〉
・銃砲史 第86回 南北戦争(12)
・GUNと共に(11)機関銃製造篇
・それが知りたい
・シュタイルM12
・GUN百科辞典
・売りたし、買いたし
・射撃論壇
・クイズ
・カートリッジ
・ガン・ニュース
メモ・雑感
・若き日の床井雅美氏のスウェーデン博物館見聞の記事。スウェーデンはたばこ税が高く、20本入り1箱が350円なのにはまいったとある。当時ハイライトが80円と考えるとすごい高額商品だ。ゆえに現地の人々は刻み葉を買い、パイプや手巻きで少しでも安くあげていたという。
・「エスカレートする米警察の武装」なる記事。禁酒法時代に警察が装備した20番水平2連散弾拳銃オートバグラーを、再び非公式に警察が配備しはじめているとある。ライフルドスラグを使えば1555ft・lbfにもなるが、そんなに反動は強くないという。実際どの程度使われたのだろうか。
・1960年代の『Gun誌』には溶鉱炉送りの押収拳銃の記事がたまにあり、1970年2月号にも写真があった。押収拳銃はM1911や94式、14年式などが山ほどあるとあったが、進駐軍や旧軍の軍用拳銃はまだまだまったくめずらしいものではなかったのだろう。8mm南部実包がいつまでまともに発火したかはわからないが。
・米市場向けにルガーP08を模した新製品をモーゼル社とエルマ社と発表したとの報。記事ではエルマ社のものをとりあげているが、外観はルガーP08でも内部機構は異なるという。まだ1丁しかない試作品とのこと。
1970年3月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・ビック・ゲームに賭けた夢と宴
・ウィンチェスターのリボルバー
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(3)
・続・日本軍の自動火器
・躍進するボウガンを楽しもう!
・ベトナムで試用中の米軍新型スコープ・サイト
・レミントン・ダブル・デリンジャー
・モーゼ自動拳銃(上)
・切手は生きた拳銃図鑑
・早射ちのすべて〈シングル・アクション・テクニック〉最終回
・銃犯罪と取組む科学(11)弾頭上のマーク
・栄光の日本火砲の歩み(最終回)
・GUNと共に(12)廃兵器篇
・銃砲史 第87回 南北戦争(13)
・それが知りたい
・ファスト・ドローはどうあるべきか
・GUN百科辞典
・売りたし、買いたし
・射撃論壇
・クイズ
・ガン・マンスリー
・カートリッジ
・ガン・ニュース
・バック・ナンバー
メモ・雑感
・東京から大雪山まで乗用車2台連ねる狩猟紀。銃は.375H&H, .338Win Mag, .300Win Mag, .30-06そして12番を自動ポンプ水平2連各種と重装備。羆猟ゆえ咄嗟に撃たないと命がないため実包を装填し安全装置もかけないという。そこで米味噌醤油15日分を持ってキャンプするとは豪快だ。東京から青森-室蘭のフェリーを経て大雪山へ車で赴いたそうだが、現地ではジープかトラックが便利だが道中の疲労を鑑みクラウンハードトップSLとブルーバードパーソナルを動員したという。未舗装の河原のような山道を走るため、車高を上げている。そして、クラウンとブルーバードとは携帯無線機のハンドトーキーで連絡を取り合いながら疾走していったという。ハンドトーキー、便利だ。あと持ち物に「車輌用品」としてガムテープ、工具、牽引綱などの他、ファンベルトスペアとあるのも今の目では物珍しい。長期の自動車旅行では携行するものだったのだろうか。
・アフリカ・ビッグゲームの記事。昔ながらの生活をする現地の人々の暮らしをまあそういう筆致で描くも、筆者が素っ裸で川で泳いでいたら、現地の人々に「これから女たちが来るので裸は困る」と言われて慌てて服を着て、野蛮なのは自分だったと反省するなどなかなかの珍道中ぶり。
・いよいよ1970年が到来し、安保大対決において実力家集団がどんな武器を使うかという世間話において、武器の入手先として銃砲店や自衛隊の襲撃などがあるが蓋然性は低く、ガス銃以外の発砲はないまま終わることを期待しているとある。しかし近々どちらの事件も起きるのであった。
・戦争中に雨や泥のため銃腔が錆だらけに腐食した小銃を、徹甲弾をぶっ放して清掃したところ、銃腔膨張を起こして横転弾が出て著しい命中不良になったが、「タマが出ればよい」として問題にならなかったという。概ね前方にタマが出れば戦闘力になるとカウントするあたりが戦場か。
・かつてヨーロッパで流行ったステッキ銃について、単なる護身用だけではなく、森林私有地の見廻人が密猟者に対抗するのにも好んで用いられたとある。見廻人が一般の銃器ではなくステッキ銃を携行したのは、どどういう背景なのだろうか。単に森林を闊歩するのに便利ということかも。
1970年4月号(昭和45年)
目次
・GUNフォトギャラリー
・恐怖の零(ゼロ)戦20ミリ
・初心者の為のクレー射撃(1)
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(4)
・サイレンサーのすべて(1)
・14年式拳銃(1)
・.22径の軍用ライフル
・切手は生きた銃器図鑑(2)
・銃犯罪と取組む科学(12)氷づめの弾頭
・モーゼル自動拳銃(下)
・日本一の愛知県警射場
・ナガン・モデル1895
・GUNと共に(13)小火器雑篇
・銃砲史 第88回 南北戦争(14)
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし、買いたし
・ガン・ニュース
・書評
・射撃論壇
・クイズ
・カートリッジ
・バック・ナンバー
メモ・雑感
アフリカ旅行記では、.375H&Hでもカバ撃ちでは小さな脳かごく細い脊髄を撃ち抜かなければ逃げられるなど別世界ぶりが描かれる。当時の時代性か、現地の人々に対する筆致がかなり辛辣で、現地人給仕については「言われたことそのものしかしない」ともある。客としてサービスを受ける側としてはまったく気が利かない様は苛立つのだろうけれども、しかし余計なことをしないことは、過酷な歴史の中で確立した生存戦略なのか、あるいは搾取への抵抗なのかともふと思った。
1970年5月号(昭和45年)
目次
・GUNフォトギャラリー
・日本軍の軍用拳銃
・恐怖の零(ゼロ)戦20ミリ(2)
・初心者の為のクレー射撃(2)
・目で見る機関銃のメカニズム
・刑務所の秘密兵器工廠
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(5)象狩り
・銃犯罪と取組む科学(13)糸屑
・国体バイアスロン競技を見る
・切手は生きた銃器図鑑(3)
・サイレンサーのすべて(2)
・14年式拳銃(2)
・GUNと共に(14)火砲篇
・銃砲史 第89回 南北戦争(15)
・MATモデル1949
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし、買いたし
・ガン・ニュース
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
・カートリッジ
メモ・雑感
・広告。カッツ付き自動散弾銃について「画期的新製品誕生!」とのコピーが躍る。漢語的表現がむしろ新鮮だ。さらには別の散弾銃の広告では、「最高の材質/銃身ニッケルクローム特殊鋼鍛造」「狂わない/機関部特殊鋼鍛造」「格調高い/銃床フランスクルミ材」とある紹介も粋だ。
・上野に群をなしてカラスが巣くい、東京国立博物館の六窓庵や転合庵がそのゲバルトにより被害を受け、東京の真ん中で銃による討伐が試みられたという時事の記事が。詰めかける報道に警戒してカラスが姿を消して成果が上がらず、後日、秘密作戦を行っても成果は乏しかったという。
・アメリカの刑務所で作られた密造銃を紹介している。手に入る雑品から銃らしきものを作ることも凄いが、実包を刑務所内に持ち込めてしまうことの方が危うい。実包があれば製作は容易になるが、発射薬や発火装置まで自作した例もあるという。そして分解して隠せることが肝要とも。
・アフリカ狩猟紀。象狩りでは長いと十数日に渡って群れを探索することになるが、携行飲料水は尽き、動物の糞尿の混ざる泥水を飲まざるを得なくなるが、クロマイ錠剤を飲めば問題ないという。水を飲まないと生きてはいられないが乱暴な話ではある。また弾頭は貫通力重視とのこと。
1970年6月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・世界の狙撃銃〈第2次大戦を中心とした〉
・初心者の為のクレー射撃(3)
・恐怖の零戦20ミリ (最終回)
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(6)象狩り
・目で見る機関銃のメカニズム(中)
・007の主役拳銃〈ワルサーPPKストーリー〉
・銃犯罪と取組む科学(14)方向・数・幅・深さ
・切手は生きた銃器図鑑(4)北ベトナム篇
・コルト・M1917(上)
・GUNと共に(最終回)完結篇
・銃砲史 第90回 南北戦争(16)
・S&W No.3ラシアン
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したい
・読者投稿イラスト
・カートリッジ
・ガン・ニュース
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
・書評
メモ・雑感
・アフリカ狩猟紀。象を倒すのに.375H&H Magを実に6発要している。しかし弾頭と身体のサイズ比を鑑みると巨象を倒せることに感心している。なお、外国人ハンターが象を撃つのは現地の人々にとっては肉をたらふく食えるチャンスらしく、撃つのを躊躇していたら怒声を受けたという。
・時事の雑談としてよど号事件に触れている。英雄は山村代議士か、パイロットか、犯人たちかそれぞれ見方があるだろうなど、必ずしも犯人を悪とは見なしていなかったであろう当時の世論が窺える。ただし、執筆者はハイジャックを成功しない犯罪にしないとならないと主張している。
・猟銃事故が激増とある。立てかけた銃が暴発、銃を玩弄して誤って発砲、異物が詰まった銃が破裂、猟犬が引き金に足をかけ暴発、引き金に枝が触れ暴発、冗談で子供に向けて引き金を引いたら残弾があり発砲などなど。狩猟免許者が年5万人増え、技量やモラルが低下してるとのこと。
・散弾薬莢には「紙薬莢」と「黄銅薬莢」がある(他にもプラスチック薬莢がある)という記述が。プラスチック薬莢はまだまだそういうものもある、という程度だったのだろうか。黄銅薬莢は黒色火薬の旧式銃用とのことで、当時まだ使われることのあった村田銃はこれにあたるのか。
・読者交換室。主にモデルガン、軍装品、狩猟洋品、時として実銃、さらには銃とは無関係な品などの売買や交換を呼びかけるコーナーなのだが、掲載希望者が殺到して次号繰越措置を取らざるをえないが、急ぎの場合は切手300円分で優先掲載するとある。ついに優先掲載権が登場した。
・アフリカ狩猟紀では、象を倒すのに.375H&H Magを実に6発要しているあたりスケールが違う。時事の雑談としてよど号事件に触れているくだりでは、英雄は山村代議士か、パイロットか、犯人たちかそれぞれ見方があるだろうなど、必ずしも犯人を悪とは見なしていなかったであろう当時の世論が窺える。猟銃事故の記事では、この猟期だけで死傷事故が激増しており、立てかけた銃が倒れたり、枝に引き金が触れたりした事故はまだ不注意としても、装填されていないと錯誤してふざけて子供に銃を向けて引き金くなどはもはや事故の範疇を外れる。
1970年7月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・第3帝国ナチ・ドイツのサブマシン・ガン
・ガン・パテント・ダイジェスト
・新型国産戦車をみる
・リボルバーを搭載した戦車〈AMX13〉
・ブローニング・ハイパワーのすべて
・赤い国の軍事博物館〈モスクワ中央軍事博物館〉
・.44マグナム自動ピストル
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録〉(7)ライオン
・銃器鑑識 自動拳銃の鑑識(1)
・目で見る機関銃のメカニズム(下)
・切手は生きた銃器図鑑(最終回)
・銃砲史 第91回 南北戦争時代の銃
・ZK383(チェコ)
・それが知り い
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・ガン・ニュース
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
メモ・雑感
・新型国産戦車の記事。制式名を73式と予想し、また、列強の新鋭戦車の例としてM70MBTが挙げられている。また、防護性能について「原子・細菌・化学戦に対する配慮」なる記述もあるが、現在では「核・生物・化学」の表記の方がありそうな気もする。思えば半世紀以上前の記事か。
・いわゆるオートマグを取り上げている。まだ試作段階らしく、サンフォード・マグナム自動拳銃という名称で紹介されている。当然当時最強と言われた.44Magを自動拳銃で撃つのだから、その前衛的なスタイルもあいまって「行き着くところまで来た」と鮮烈な印象だったようだ。
・テレビはいつの間にか色付きになり、ひとつでよかったスピーカーはステレオ全盛でもうひとつ買うハメになり、車はデラ(デラックスの意か)だ、SLだと高いグレードを求めてカネが嵩むと消費生活が豊かになりつつある様が伺える。創刊当初はまだ、話が貧乏くさかったものだが。
・現代・拳銃カートリッジ10傑として威力の大きいと思われる拳銃弾を挙げているが、.44Magが筆頭で、.41Magや.357Magが続くのはよいとして、現用カートとして7.63mmモーゼルや.44-40が登場したり、.38スーパーや9mm×19が含まれるあたりもそんなにハイパワーカートがない時代故か。
・東側の標準火器AK47に匹敵する西側の小銃といえばFN FALだとの記述。G3でもM14でも、ましてやM16でもなく。確かに英連邦をはじめとして西欧、アジア、アフリカ、南米で広く使われていた。今日のAR15をベースにした自動小銃に満ち溢れている時代とはまったく異なる風景があった。
・ボウガンによるマリアナ諸島狩猟ツアーの参加者募集が。グァム、サイパン、テニアンなどを回り、ボウガンで野山羊、トカゲ、熱帯魚を射るという。水中の魚を射るのはボウガンならではか。今では合法的所持が困難になったが、当時は海外ツアーを募集できるほど普及していたのか。
1970年8月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー〈シージャックの銃器は?〉
・北海に命を賭ける男達〈プロハンター決死の同行記〉
・下瀬火薬〈帝国陸軍秘密兵器の全貌〉
・ガン・マニア中国旅行記
・ローラー・ロッキング(新しい閉鎖機構)
・ベレッタ自動拳銃のすべて(1)
・初心者のためのクレー射撃(1)スキート篇
・ガン・パテント・ダイジェスト(2)
・零戦(ゼロセン)と20ミリをめぐって(上)
・アフリカ・サファリ〈冒険野郎の記録〉(8)ライオン狩り
・ガンのメカニズム コルトM1917(下)
・自動拳銃の鑑識(2)
・銃砲史 第92回 近代後装銃への脱皮
・M1873とM1892
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・読者投稿イラスト
・GUN試写室
・GUN・TOPIC
・カートリッジ
・射撃論壇
・クイズ
・ガン・ニュース
・ガン・コミック
メモ・雑感
・シージャック事件の速報記事。双方ゴールデンベアを持ち、警察は.308Winなのに対して、犯人は.30-06。犯人はその他、ウィンチェスターM100、KFCオートライト散弾銃を所持していたという。尚、何の脈欄もなくアフリカにおける政治犯を銃殺刑に処したときの写真を載せて、犯人もこうなったはずと解説するのは迫力がある。
・中国人民革命軍事博物館の訪問記。どういうツテの旅か、国交正常化前にして文化大革命吹き荒れ臨戦体制にある中国において、好意的に受け入れられ、説明係の兵士は「非常に良く毛沢東思想を理解してくれた」として立派な毛沢東バッジをつけてくれ、紅衛兵らに羨望されたという。
・キルンガンなる特殊銃の記事。重質炭酸カルシウム等を焼成する回転炉に発生する付着物を、炉を止めずに除去するために直接弾丸で破砕するダイナミックな代物。紹介されているレミントンM401は8番ゲージ、自動式、重量89kgという。産業機械の類だが、フィクションに使えそう。
・零戦搭乗員坂井三郎、機銃開発者河村正弥を招いての座談会。両氏は初の対面。坂井三郎曰く、航空機銃は20mmで十分であり、装弾数の少ない20mmでも、旋回中に一瞬機体の方向を戻してGを消し、直進性を高めた上で短連射すれば5〜6回撃てるとのことだが、達人しかできなさそうな。
1970年9月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・U.S.M1カービン
・本誌主催70年度第1回射撃大会
・日本ファスト・ドロー協会発会式
・続・世界鉄砲ある記〈ギリシャ〜オーストリア〉
・北海に命を賭ける男達〈プロハンターに決死の同行記〉
・零戦(ゼロセン)と20ミリをめぐって(下)
・初心者のためのクレー射撃〈最終回〉
・ベレッタ自動拳銃のすべて(2)
・60〜70年代 世界の主力戦車を見る
・アフリカ・サファリ〈冒険野郎の記録〉(9)ライオン狩り
・S&Wのミニ・ピストル
・銃砲史 第93回 続・近代後装銃への脱皮
・サコー・ビクセン
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・愛読者通信
・カートリッジ
・ガン・ニュース
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
メモ・雑感
・射撃大会の記事。昨今、赤軍派学生による武器強奪のうわさから、射撃大会の自粛や中止が相次いだとある。今回、他人の銃と弾薬には決して手を触れない、銃は銃架にかけ試合のとき以外は持ち出さない、弾薬の貸し借りはしない、見慣れぬ者に警戒するなど規則を徹底したとのこと。
・欧州旅行記。ギリシャ王宮もノルウェイ王宮も衛兵はM1ガランドを装備しており、記者としては期待外れのようだ(オランダ王宮では木製銃床SMGらしいが撮れなかった)。ノルウェイの拳銃所持はピストル射撃クラブ会長などの保証書が必要、オランダはほぼ自由という話も興味深い。
・海獣猟の記事。1964年にも同様の記事があり、16番や28番の単発村田銃に黒色火薬と丸弾とを詰めた真鍮薬莢を込めていたが、今回は.30-06や.375H&H Magなど装備に格段の差が。しかも船主は1発あたり数千円の経費がかかってると発破をかけ、一航海で数百頭獲る事業となっていた。
・戦車の記事。M60、チーフテン、AMX30、レオパルト、61式、T62、Strv.103が紹介され、今日の戦車はシュノーケルやCBR(化学生物放射線)防護など従来は考えられなかった装備に注力されているとある。次世代の戦車への展望としてガンランチャー化していくと述べられるのも時代か。
・読者交換室。銃(実銃、モデルガン共に)や狩猟の関連用品の交換や売買の申し出が主のコーナーだが、わりとそれらとは無関係の品も出品される。今回は「新学社文庫3編(森鴎外,
トルストイ, 夏目漱石)を〒共¥200で」とある。なかなか渋い出品だ。
1970年10月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・サミュエル・コルト(ある銃器発明家の歩んだ道)
・続・世界鉄砲ある記(イギリス篇)
・金箔する38度線、板門店を見る
・第2回 全国大口径銃射撃大会
・花咲ける大空の騎士道とGUNたち(上)
・適材適所(ライフルの口径バリエーションとその用途)
・第1回 全日本ファスト・ドロー選手権大会
・戦車と対戦車兵器(アンチ・タンク・ウェポン)
・アフリカ・サファリ〈冒険野郎の記録〉(10)ライオン狩り
・ガン・パテント・ダイジェスト(第3回)
・コールド・ハンマー(古くて新しい銃身製造法)
・銃砲史 第94回 続・近代後装銃への脱皮
・ウェブリィ・ナンバー・マーク1
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・ガン・ニュース
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
メモ・雑感
・大口径銃射撃競技大会の記事。撃つ環境の乏しい大口径銃を広い自衛隊真駒内射撃場で存分に撃つべく全国から競技銃、猟銃を抱えた猛者が集まるが、道中は警官に囲まれるなどあり、着いた射撃場では自衛隊の幌付きトラックに激しく揺られ雨に降られ、西部劇気分だったという。
・猟用ライフル弾の一覧。国内で殆どのライフル弾が手に入るようになった、とある。外貨が貴重だった時代と、後のライフル所持に10年要件が課されるようになった時代の間の、法的にも経済的にも比較的気軽にライフルが持てた短い時期の話か。とはいえ当時としても規制が緩い時代を懐かしく思うらしく、.30カービンをバナナ弾倉で雁撃ちに使うのは禁じられたとも嘆息されているが。
他方で、.30-30を持つとウェスタン気分になり、実包の威力に対して過大なゲームに挑みがちになる、とある。いまでは想像もつかない西部劇の大流行があり、それを背景にカウボーイ気分になって無謀な相手に挑むようになるなど、やはり時代性だ。
・アフリカ狩猟紀行の記事。モザンビークで飛行機待ちの間、現地人がやってるようにパイプに何らかの葉を詰めてふかすと天国の気分になるなどあやしいことをしている。あくまで土着の植物らしいので、世界的によくある類いのポピュラーな葉っぱではないらしいが。
ケニアで紹介されたプロハンターが、インドの大富豪の息子だが、カネがあるとすべて使い果たす気っ風のよさで、町では大変評判がよい。使いすぎるので親類から送金制限をされているという。年の頃43〜4歳で強いメガネ、相撲取りのような腹とよいキャラクター。個人的には、速水螺旋人作品に登場しそうなたたずまいの気がする。風貌についての言及はないが助手も連れているらしい。
1970年11月号(昭和45年)
目次
・Gunフォト・ギャラリー
・凄惨!人喰いグマ事件始末記(現場からの追跡レポート)
・続・世界鉄砲ある記〈イタリア篇〉
・花咲ける大空の騎士道とGunたち(下)
・.50口径のすべて(U.S.Cal.50 M2重機関銃)
・これは便利な猟装具
・銃器発明家の歩んだ道/サミュエル・コルト(最終回)
・アフリカ・サファリ〈冒険野郎の記録〉(11)ライオン狩り
・マークは語る(ガン&カートリッジ)
・古典航空機銃〈エア・フライング・ガン〉の作り方
・銃砲史 第95回 モーゼル・ライフルの完成
・ガンマンスリー M60(アメリカ)
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・読者投稿イラスト
・ガンニュース
・射撃論壇
・クイズ
・カートリッジ
・バックナンバー
メモ・雑感
・同年の夏に、大雪山で福岡大生が羆に襲われた事件について、綿密な取材をしている。熊撃ち経験のある筆者曰く、大熊ではなく中熊であるが、しかしその半分の小熊でも人の命を軽く奪えるという。ハンターが命を落とす例もたびたびあるとのこと。また、捜索費用の重みについての話も生々しい。討伐隊は、羆を誘き出すためパイナップルと蜂蜜とを用意してこねて匂いを醸し出していたという。また、犠牲者は当初ヘリでの輸送を試みたそうだが天候が悪く不可能との結論に至り、損傷激しいこともあって荼毘に付すことになり、石油缶12本を山男たちが担ぎ上げて薪を積み上げたなど、臨場感が凄い。
・航空機銃の記事。第1次大戦の同軸機銃開発とその後の趨勢について描いているが、「エース」とは今日では野球のピッチャーかライスカレーにしか用いない、という余談がよい。ライスカレーというクラシックな言い回し、それにエースと誇称する人気の高さ、昭和45年を感じる。
・鳥猟の腸抜には、デパートで値の張る買い物をするとくれる、包み紐につけるビニールを被せた針金の手提げがよいという。狩猟道具としてより買い物風景に興味を引かれる。また、猟には木綿糸と木綿針、ホルムサンのビンぐらいは携行すべしとも。ホルムサン、粉末消毒剤らしい。
・薬莢の刻印の記事。大戦中の軍用.45ACP実包について、「エバンスビル・クライスラー光線兵器工場」との記述。光線兵器とはと思ったが、これはEvansville
Chrysler Sunbeam ordnance plantの訳ではないかと思い当たった。固有名詞も和訳するあたり趣がある。
1970年12月号(昭和45年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・大物猟の醍醐味はこれだ!〈キャンプ猟のABC〉
・続・世界鉄砲ある記〈イタリア その2〉
・ボウガンを手に南太平洋にトカゲを追う!
・.45から.38へ(オート・ピストル)
・黒色火薬雑考〈ブラック・パウダーをめぐる話〉
・鉄十字(ハーケンクロイツ)の航空機銃
・アフリカ・サファリ〈ある冒険野郎の記録・最終回〉
・本誌主催70年度 第2回 ライフル射撃大会
・ガン・パテント・ダイジェスト(第4回)
・拳銃マガジンのコレクションから
・ガンのメカニズム〈モーゼル・ミリタリー拳銃〉
・自動拳銃の鑑識(第3回)
・銃砲史(第96回)連発銃時代の到来
・現用機関銃シリーズ(2) FN・タイプMAG(ベルギー)
・それが知りたい
・GUN百科辞典(第22回)
・売りたし・買いたし・交換したし
・射撃場ルポ
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
メモ・雑感
・マリアナ群島ボウガン狩猟旅行の記事。今や規制されているボウガンを手に野山羊や大トカゲを射るべく旅立つが、野山羊の住む島近くの米軍爆撃演習をコネで中止させる力技を見せるも島への船は波に揉まれて船酔い酷く、活を入れるべく海にカービン銃を連射するなどの破天荒さ。
・黒色火薬の記事。顆粒にすると湿気や成分の偏りに強くなり、粒の大きさで燃焼速度を制御できるという話で、石炭や炭と同じと説明している。炭団がまだ実用品として馴染みがあったということか。また、黒色火薬自体も廉価で扱い易いため、旧式猟銃や炭坑で使われているとある。
・不祥事からクレー射撃が国体正式種目からオープン種目に格下げという時事の記事。クレー射撃愛好家について、他のスポーツ選手と異なり、社会的地位があり、年齢層も高く、資産家が多いなど特殊な環境の人が多いため、団体生活や協調性に欠ける点が多分にあるとすごい言い様。