last up date 2024.11.19
『月刊Gun誌』読書記 1971年
国際出版の銃器専門誌『Gun誌』の読書備忘録。基本的に読書メーターやメモの転載。
知識のない人間の書く個人的なリファレンス兼備忘録なので情報そのものの正確性が期待できないのはもちろん、『Gun誌』の当該号に書いてある内容と一致するとも限らない。
1971年1月号(昭和46年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・世界の対戦車ミサイルを点検する!
・武器資料館の新しい仲間たち〈自衛隊武器学校訪問〉
・第40回世界ライフル射撃選手権大会
・鉄十字(ハーケンクロイツ)の航空機銃
・続・世界鉄砲ある記〈スペイン篇〉
・スコープ調整の具体策
・ロイヤル・トーナメントを見る
・自動拳銃の鑑識(4)ベレッタ・ベルグマン
・ガン・パテント・ダイジェスト〈目で見る鉄砲の発達史〉
・銃砲史 第97回 先行機関銃の登場
・現用機関銃シリーズ(3)〈ソ連〉
・それが知りたい
・Gun百科辞典 第23回
・売りたし・買いたし・交換したし
・岩手国体ルポ
・クイズ
・ブックガイド
・GUn試写室
・射撃論壇
・バックナンバー
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
メモ・雑感
・スペイン旅行の記事。鉄道で入国したところ、銃器写真や分解図満載の同誌数冊を所持していたところそれを税官吏に不審がられ、英語も通じず往生しているところ、次の列車が到着した混乱に乗じて姿を消すなどいきなり大胆。博物館ではメモをとることを警備兵に見咎められ、銃器研究の教授だと自称して切り抜けるのも凄い胆力。
・時事の雑談として、狩猟に行って猟友を誤射してしまい、口封じのためトドメの1発を撃ち込んだ事件の話が。これは当時かなりインパクトのある事件だったらしい。また、近年のクレー射撃場は賭場の様相を呈し、出番の合間に花札を打ち、挙げ句、クレーに当たるかどうかのトトカルチョまで行われ、心ある者が去っていくという苦言も。
1971年2月号(昭和46年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・IWO JIMA1!〈生き残り兵士の硫黄島戦回顧録〉
・コーヒーと移民の国・ブラジルのGUN白書
・西ドイツ警察の拳銃操典から〈その1〉
・図解・狙点大百科(目で見る狙点)
・1920年代(ローリング・ドエンティ)の黒いGUN
・知られざる日本軍の兵器(1)手榴弾
・GIカービンを.223に
・モーゼル・ミリタリー拳銃(下)
・自動拳銃の鑑識(5)ベルグマン・ベルナルデリ
・ガン・パテント・ダイジェスト〈第6回〉
・銃砲史 第98回 初期の軍用弾倉連発銃
・現用機関銃シリーズ(4)〈AAT MLE52 フランス〉
・それが知りたい
・GUN百科辞典 第24回
・売りたし・買いたし・交換したし
・ガン・ニュース
・クイズ
・射撃論壇
・バックナンバー
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
メモ・雑感
・創刊当初に比べて実銃の広告は減ってきたが、久々に銃砲店の在庫一覧の広告が。装弾数5発の散弾銃が、この時代はまだ、ラインナップされていた。.22LRのライフルはめっきり少なくなった。鳥撃ちに使えなくなった上、装弾数規制もあり、売りにくくなったか。
・ブラジルの記事。おそらく同誌ではじめてTaurus(「タウルス」と表記)の銃が紹介されたのではないだろうか。ルガーP08も人気だが、9x19mm実包が軍用ということで販売されていないという。旅行者でも銃の購入が可能だが、持ち帰られるかは相手国の法令によるとのこと。
・鑑識の記事。時事の雑談として三島由紀夫の最期について触れている。また、浦和で起きた拳銃強盗籠城事件について、ベルナルデリ拳銃(5連発ポケット拳銃)が使われ、当時の新聞では非常に珍しいとある。が、警察にとっては見慣れなくても戦前輸入されたありきたりの品と冷淡。
・19世紀の銃器激変期におけるパテントを見る連載記事。読者から「あれでは動作する筈がない」「排莢方法がない」などの声があるが、多くは紙上のアイデアに過ぎず、1970年代の慧眼な読者が考案の不備を見破るのは当たり前とある。大雑把な図と説明からそれを見破るのも凄い。
・AAT MLE52機関銃の記事。本銃の採用しているディレード・ブローバックについて、他の採用例としてCETMEやStG57が挙げられている。今日ならH&K
G3が真っ先に挙がりそうなものだが、原型のCETME小銃が来るのが時代か。同誌創刊号から本号に至るまで、G3への言及はとにかく少ない。
・読者交換室。かねてより現金300円で優先掲載する措置をとっていたが、今後は掲載料として300円同封のもののみ掲載すると方針変更。希望者が多く、実銃、モデルガン、軍装品のみならず、カメラ、双眼鏡、トランジスタラジオ、トランシーバー、自転車、辞書なども出品されている。
1971年3月号(昭和46年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・シングルポイント・サイト〈新しい照準器〉
・続・世界銃砲ある記〈ポルトガル篇〉
・IWO JIMA!〈生き残り米兵士と硫黄島戦回顧録〉
・デリンジャーと1920年代の黒いGUN
・知られざる日本軍の兵器(その2)手榴弾
・コーヒーと移民の国・ブラジルのGUN白書
・西ドイツ警察の拳銃操典から〈その2〉
・自動拳銃の鑑識(6)ブローニング
・ガン・パテント・ダイジェスト〈第7回〉
・銃砲史(第99回)無煙火薬の発明(一)
・モーゼルM1930大型軍用拳銃
・現用機関銃シリーズ(5)〈MG1西ドイツ〉
・それが知りたい
・GUN百科辞典
・売りたし・買いたし・交換したし
・射撃論壇
・バックナンバー
・カートリッジ
・GUNブックガイド
・クイズ
・読者投稿イラスト
メモ・雑感
・ポルトガル旅行記。突然「ニホンは変りありませんか?」と、パリ留学中にチュニジア人と恋におち、紆余曲折を経てリスボンに流れ着いたという女性に声をかけられている。『Gun』なるむくつけき雑誌の取材なので軍事博物館に行かねばならぬと述べると案内してくれたとのこと。
・ブラジル銃器事情の記事。タウラスやロッシなど銃器メーカーはあるが、.32〜.38の自動拳銃は舶来品ばかりであり(ワルサーは特に人気が高い)、同クラスの口径の拳銃は国産リボルバーの所持者が多いとある。リボルバー所持者はその優位性を語るが、廉価だからではとも手厳しい。
1971年4月号(昭和46年)
目次
・GUNフォト・ギャラリー
・日本でつくられているウェザビー・ライフル
・現代鉄砲雑記帳〈鉄砲に関するノート・ブック〉
・ここまできた自衛隊火器の実力〈64式小銃〉
・IWO JIMA〈生き残り米兵士の硫黄島戦回顧録〉
・続・世界鉄砲ある記〈フランス・モナコ篇〉
・知られぎる日本軍の兵器(その3)
・誤訳される銃器名(新聞・翻訳書から)
・コーヒーと移民の国・ブラジルのGUN白書
・西ドイツ警察の拳銃操典から〈その3〉
・自動拳銃の鑑識(7)チェコ・戦前
・ガン・パテント・ダイジエスト〈第8回〉
・銃銃史 第100回 無煙火薬の発明(二)
・現用機関銃シリ_ズ(6)〈FAO59とアルファ〉
・それが知りたい
・GUN百科辞典〈第26回〉>
・売りたし・買いたし・交換したし
・射撃論壇・
・バックナンバー
・カートリッジ
・読者投稿イラスト
・クイズ
メモ・雑感
・銃砲店広告。「銃刀法改正の動きにより、スモールボア・ライフル、大口径ライフル等の所持許可申請手続きが、今以上に面倒なものになると思われます」として購入を急がせる文句が。確かにライフルの所持許可のハードルは非常に高くなるのだが、駆け込み需要は生じたのだろうか。
・ウェザビー・ライフルの記事。高級、高初速、高威力、低伸弾道とハンター垂涎の的として紹介している。当時は西独サワー社と豊和工業の2社が生産しているが、サワーとの契約更新は為されない予定とある。生産国の変更は賃金で競争力があるためだが、品質でも優れる、とも。
・狩猟雑記。猟解禁日が近づくと、また「キジと間違えて学童に散弾を」「暴発で猟友を」のごとき記事が踊り、事故件数が報じられるだろうと気が重くなり、猟に出れば規則無視の悪質ハンターと行きあい、下手をしたら濡れ衣を着せられかねないと、当時のハンターの憂鬱が描かれる。
・誤訳についての記事。ベトナム戦争の記事では口径や銃砲名称の誤訳が多いとして、その例と類推される原語とを挙げている。報道の限られた時間と当時の調べる術の乏しさを思えばやむなきこととも思う。長い戦争に揉まれ1967〜8年をピークに誤訳は少なくなってきているとのこと。
・西ドイツ警察の拳銃操典の記事。S&Wのスナブノーズリボルバーの私服での隠し持ち方を紹介しているが、車の運転席ドアの小物入れに突っ込む写真では、小物入れが今日のようにプラスチック成形ではなく布地のポケットが設えられてある。布地からグリップだけ覗かせるのが粋だ。
・銃刀法一部改正案の記事。ライフルは10年以上の猟銃所持経験が許可要件となり、模造拳銃は所持禁止となり、それを免れるためには銃口閉塞、特定の色の塗装などをせねばならなくなり、また銃砲と実包の保管も施錠や別々にせねばならぬなど、一気に規制が進む見込みという速報が。