ADAM THE SPIRAL FACTOR

　気付くと杏子が俺の前に立っていた、
湯気の立つ湯飲みを持って‥‥ってお前。

桐野杏子「大丈夫？」

江国雄二「おっまえなぁ‥‥！！」

桐野杏子「顔色良くなったね」

江国雄二「その分、やけどしたよ」

桐野杏子「試してみたかったのよね、やけどにはムカデの油付け」

江国雄二「っ‥‥それより氷くれよ」

桐野杏子「無茶してごめんね、これでも飲んであったまってね」

　そう言い残して杏子は厨房へ走っていった。
‥‥無茶苦茶し過ぎなんだよ。湯飲みを口に運んで俺は顔をしかめた。

　‥‥これは酷すぎる、どんな煎れ方したんだ。アイツ？
他の人へ視線を飛ばすとみんな妙な顔をしていた。どうやら苦かったらしい。