2001/09/24 公開
担当:カルネアデス

ADAM THE SPIRAL FACTOR

#42 Ver.α


 あーあ、佐久間君も派手にやったねぇ。
氷室君にちょっかい出してえらい目にあっているよ。

 ずずず‥‥。

 上の音かい? さっき桐野くんにお茶を入れてもらったんだよ。
でこのお茶の件も手伝って雰囲気はおかしいねぇ。

 まぁ、赤いジャケットを着ているもののせいだとは思うけど‥‥。



 ボケていた頃の彼女とは違うねぇ、おもいっきし苦いお茶に仕上がったので
今でもボケか‥‥けどこういう時にはありがたい。いろんな意味で。

 えらい目‥‥そうだ、僕の方も忘れてたねぇ。
えらいさんに連絡入れないと、不味いね。

 なんて入れようかねぇ‥‥中間管理職の腕の見せ所ですか。
見せたくないけどね、こんな腕だったら‥‥。

「あー、桐野君。ちょっとそれ貸してくれないかな?」

 誰も頼みそうに無いお茶のお代わりを持って
ウロウロしている杏子君を捕まえた。

「はい? 本部長もお持ちなんじゃ?」

「ほら、バッテリィ切れでさ。つかえないのよ」

「そこの黒いの‥‥使ってください」

 桐野君が指差す先にはやけにアナログな黒電話‥‥実際、
ダイヤル回すんだからアナログだけど。

「本部長にはお似合いですよ」

「‥‥あー、おほん。実はだね‥‥ゴニョゴニョ」

「‥‥仕方ないですね、はい。壊さないでくださいよ」

「うむ、善処はするよ‥‥」











 黒電話は中々惹かれたんだが、
お偉いさんとの話を一般市民の前ではちょっとねぇ‥‥。

 そんなこんなで桐野くんの携帯電話を拝借してきたわけ。
さて、なんて報告しよう‥‥。屋上まで上がるか‥‥。

 ぴっ‥‥。

 おおっといかん、イランボタンを押してしまった。











 僕はとんでもない事に巻き込まれたんだね、思っていた以上の事に。
とりあえず電話を掛けて、言う事はそれから考えようと‥‥そう思った。


to be continued ... ?


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