あーあ、佐久間君も派手にやったねぇ。 氷室君にちょっかい出してえらい目にあっているよ。 ずずず‥‥。
上の音かい? さっき桐野くんにお茶を入れてもらったんだよ。 まぁ、赤いジャケットを着ているもののせいだとは思うけど‥‥。
ボケていた頃の彼女とは違うねぇ、おもいっきし苦いお茶に仕上がったので
えらい目‥‥そうだ、僕の方も忘れてたねぇ。
なんて入れようかねぇ‥‥中間管理職の腕の見せ所ですか。 「あー、桐野君。ちょっとそれ貸してくれないかな?」
誰も頼みそうに無いお茶のお代わりを持って 「はい? 本部長もお持ちなんじゃ?」 「ほら、バッテリィ切れでさ。つかえないのよ」 「そこの黒いの‥‥使ってください」
桐野君が指差す先にはやけにアナログな黒電話‥‥実際、 「本部長にはお似合いですよ」 「‥‥あー、おほん。実はだね‥‥ゴニョゴニョ」 「‥‥仕方ないですね、はい。壊さないでくださいよ」 「うむ、善処はするよ‥‥」
黒電話は中々惹かれたんだが、
そんなこんなで桐野くんの携帯電話を拝借してきたわけ。 ぴっ‥‥。 おおっといかん、イランボタンを押してしまった。
僕はとんでもない事に巻き込まれたんだね、思っていた以上の事に。 |
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