江国雄二「‥‥‥‥。」 松乃広美「‥‥‥‥。」 江国雄二「‥‥‥‥。」 松乃広美「‥‥‥‥。」 江国雄二「‥‥‥‥。」 松乃広美「‥‥‥‥。」 ちかちか。 江国雄二「ん?」 松乃広美「何かしら?」 江国雄二「後ろの赤い車から‥‥。」 松乃広美「‥‥なんて言ってきているの?」 江国雄二「取り合えず本部へ向かう‥‥だそうですよ、おねぇさん。」 松乃広美「解ったわ、お兄さん。」 江国雄二「おねぇさん、そのお兄さんって言う呼び方、止めてもらえません?」 そう言われた松乃は雄二の方を一瞥して、 松乃広美「お兄さんが止めててくれたらね。」 と言って口元に笑みを浮かべた。
雄二の方はそんな松乃の仕種を横目で見ながら、 甲野三郎「‥‥モールス信号、これまたすごく古風(レトロ)なものを。」 そう言い放つ口振りとは裏腹に僕の視線は信号を捉(とらえ)え続けている。 佐久間裕一『取り合えず本部へ向かう。』 江国雄二『了解、では後程。』 そう言って白いオープンカーは進路を変えた。 佐久間裕一『甲野さん、私たちに付いてきてください。』 どうやら僕の方は赤い車についていく事になったようだね。 取り合えず僕の方も『了承』と車のランプを点滅させた。 |
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