澄み渡る空は蒼(あお)く、 この季節――10月にしては暖かい風が吹き、心地よい日本晴れの日。
街を一望できる、とても眺めの良い場所に造られた霊園。
今より一月も前に過ぎ去りし秋のお彼岸の、
別段お彼岸以外で常連客よろしく、お参りに来ていたのだろうか、
そこに、此処に不似合いな紅(あか)の上着に袖を通した男が一人‥‥。 「こんなトコロに不似合いな殿方ネ」 赤ジャケットの男に話し掛ける、これまた此処には不似合いな女。
太陽光を浴び一層の輝きを増す金髪、出る所は出、 霊園にて互いの存在を凄まじく主張している二人‥‥奇妙な光景である。
男は黙ったまま‥‥それを見た女は両掌(てのひら)を天に向け、 「私の捜している人に、ソックリなんだけど‥‥本人?」 そう言って写真を男に向かって突き出す。
男の視線はサングラスで読めないが、顔の筋肉が一瞬動いた。 「まぁいいワ、私の胸‥‥見てたんでしょ? 写真じゃなくって」 と、胸を張りながら言い、 「でも、オイタは駄目ヨぉ〜」 と続けた、それでも男は動かなかった。
男は動いていないが左手が動いたように感じた女は、
その直後、女は男の左手を掴む。男の顔が一瞬だけ強張(こわば)る。 「これは大変、治療しなきゃネ。美人に付き添われているんだから、良いわよネ?」
男の左手の甲に女の持っていたハンカチが当てられる。 「ツケにしとくワ、お金ないんでしょ? そういう雰囲気だもん」 男の左手首を掴み、引っ張り、歩き始める女。 「ワタシの名前はキャサリンよ、美人に名乗らせて‥‥ツレないって事は無いわよネ?」 女の行動に流され、歩いている男の口元が緩む。 「名前か、俺は‥‥そうだな、スネーク‥‥スネーク大尉だよ」 「たい‥‥ああ、タイサね」 「‥‥何故?」 「大尉と言われたら、大佐と答えるのが常識ネ」
墓前を男の血によって紅く染め上げられた墓石には「見城家之墓」とあった‥‥。 |
あとがき こんにちはカルネアデスです。
今回気紛れで形式変えています、現在過去未来、過去は無いけど
えー、第二部に入ってからいろんな人たちが出てきまして、
キャサリンについてはTokitaさんの2次創作作品、
始めに上記の読ませて頂いて(読んだ時すでに完結してました)、 Tokitaさんからは、 『なんか、すごい大事な役っぽいじゃないですか。しかもシリアス(笑)。』
とお言葉を頂戴しました。
もう一人の方は言わずもがな‥‥な人です。
綺堂さんに無理を言って描いて頂きました、 これで視点を張っていて出ていない人はあと二人‥‥ないし一人でしょうか?
別段4/1だからと言って冗談とかそういうことじゃないですよ、
いろんな意味で冗談もどきがが交錯していますねねぇ、
最後に、第二部では悦楽の学園からも出そうと思っていたのですが、
いやぁ読んでくれている方々で、悦楽の学園遊んでいない人のほうが |
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