ADAM THE SPIRAL FACTOR

「こう、教科書通りだと嫌になるわね。医師の人材不足にも」

　私の名前は佐々木恵、政府の諜報機関、教育監視機構捜査員。

　今回は医療機関の内部調査を行っていた。医療現場の惨状は
報道機関でご存知の通り、すごいありさまになっているわ。

　そういう事で最近休みを取っていない看護婦に気を配っていた矢先、
嫌な予感がして駆けつけた所ら変な男が看護婦の担当の部屋へ
入っていくのを目撃した。

　輸血の型が違うのに気付き、結果的に男はそれを阻止してくれた。

　看護婦を止めてくれた素敵な彼は窓に腰をかけて、
金髪美女に手当てをしてもらっているわ。

「お蔭で助かっちゃったわ。
私の名前は佐々木恵。君の名前‥‥教えてくれないかな？」

「彼はスネーク大佐よ」

「‥‥私は大尉だよ」

「そう‥‥軍人さんなのね。
それだったら余計な詮索は無しにしてあ・げ・る」

　なお、一命を取り留めたのは公僕の法条まりな。

　これにより、入院患者は私の先を見越した前手続きにより
他の病院へ移送。

　次、医療ミスをしたら‥‥私がそういうのを見つけたら
こういう処置をすると、そういう話が通っていた。

　しかし法条のみ急患だったため送り先なし、
だって私が見越していたのは２日前の患者さんだけだったんだもん。

　したがって‥‥

「本部に連れて行くしかないかな‥‥やっぱり」

　気を抜いていたせいか、口に出してしまった。
‥‥けど、二人は窓のほうを見ている。

「ねぇ‥‥」

　二人は明後日の方向を見ている‥‥うーん。
今まで気が付かなかったけど、法条の横に女の子が寝ていた。
看病に疲れたのだろうか‥‥この娘も連れて行かないと駄目かな。

「ちょっと手伝ってくれない？」