ここの部長さんは松乃君を助手として隣の部屋に閉じこもった。 チラッと覗いたけど、アレは下手な病院より良い器材を 揃えているのかもしれない。
器材の良し悪しは判らないが、ボクの勘はそう言ってのけた。
今部屋に居るのは、ボクと佐久間君と氷室君と桐野君と江国君と ここの部長と松乃君と天城君は隣だし。
甲野三郎「へぇ‥‥すごい器材だねぇ」 初めて立ち入った教育監視機構本部の内装に心底感心する甲野。 佐久間裕一「‥‥部長の趣味ですよ、ただの」 灯の入っていない煙草を咥えながら、ボッキラボウに佐久間が言い放つ。 甲野三郎「‥‥ここの組織は趣味が通るのかい?」 佐久間裕一「俺が来たときからこうでしたよ」 甲野三郎「そうかね」
佐久間は煙草で氷室恭子、江国雄二、桐野杏子を指し示す。
佐久間裕一「あの三人以外は、なぁぜか医療に 窓に歩み寄った甲野を横目に、佐久間が煙草を咥えながら続ける。 佐久間裕一「そんな訳で、宝の持ち腐れって事も無かったっスよ」
灯の無い煙草を咥えたので語尾がおかしくなってしまった佐久間は 甲野三郎「‥‥‥‥」 かしゃん。
窓に掛かったブラインドに手を突っ込み、 甲野三郎「‥‥止んだか」 かしゃん。
甲野はブラインドを放し、瞼から鼻筋に掛けて、さする。 |
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