‥‥ああ言ってしまったものの、何故か迷っている自分が居る。
な‥‥ふ、自問自答か。何故なんて言葉は幾度吐いても同じ事。
時々、自分が可笑しな奴に思えてしまう。 「モニカ‥‥? ‥‥やっぱりモニカね」
人が辛気臭く墓参りをしていると言うのに、雰囲気ぶち壊しだな。
予備動作、殆ど無しで手首を主に使って、 ばしゃ‥‥。 「‥‥モ・ニ・カ!」 「ふふ‥‥相変わらず水も滴(したた)るイィ女‥‥だな、マイナ」
相変わらずトロイ、まああれがかわせればペンタゴンも
私の放った水を正面から受け、先の言葉通り、イィ女になったマイナが居た。 「しっかし‥‥そんなに暇なのか、息抜きなのかは知らないが」 「うん、ちょっと‥‥ねぇ」 歯切れが悪いな‥‥。 「常連さんらしいな」 ピクリと口元が吊り上るマイナを尻目に私は墓に向かい、水をまく。 「モニ‥‥カ?」 図星か、よくこの墓に入っていくところを見かけていたからな。 「マイナの事だ、どうせそんな事だろうと思ってた」 「‥‥‥‥」 「その美貌で、おばぁさんとか言いふらしそうだな」 「‥‥っ」 「酒の相手ならしてやる、私は他の術を知らないからな」 「‥‥うん、ありがとう。けどモニカ‥‥それは‥‥」 「判っているさ」 ばしゃ‥‥。 「学者の先生は知らないのかい、この行為を‥‥」 「うん、知らない」 「‥‥死者に水浴びをさせているわけじゃない」 「‥‥うん」 「この行為は汚れを払うものだ」 ばしゃ‥‥。 「‥‥そう、だから貴重な曇りの日にしか来ないのね」 「‥‥そういう‥‥‥‥こと‥‥さ」 ばしゃ‥‥。 |
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