アオイ・ジュン「ふんふんふん〜 ちょっと速かったかな、3時間前は? ユキナちゃんを待たせるよりはいいか♪」 これから起こることを知らない彼は、幸せかどうかは定かではない……。 白鳥ユキナ「それじゃあ、行ってきます〜。」 明らかに迷っているという感じの言葉。 『艦長』 と言ってしまった自分がさらに迷いをかきたてる。 ハルカ・ミナト「行ってらっしゃい。」 笑顔で見送るものの……。 ハルカ・ミナト「……やっぱり心配よね。」 意を決したミナトは、ユキナとは逆の方に歩きだした。 白鳥ユキナ「おまたせ、ジュンさん。待った?」 アオイ・ジュン「全然、今来たところ。」 本当は、 『3時間前』 なんて言えないジュンであった。 ホシノ・ルリ「こんにちは。ジュンさん。」 マキビ・ハリ「その節はお世話になりました。」 アオイ・ジュン「え?」 振り返るとそこにはルリとハーリーがいる。 ジュンが誰の目から見ても、一瞬固まったかと? と思った刹那、 すかさずユキナを拉致(らち〈?〉)してその場から離れる。 アオイ・ジュン「ひそひそ……なっ、何であの2人が居るんだ? ひそひそ……」 白鳥ユキナ「ひそひそ……ごめ〜ん、ジュンさん。2人だけのデートはまた今度しようねゥひそひそ……」 アオイ・ジュン「ひそひそ…………説明してください。ひそひそ……」 さすがのジュンも説明を求めた。 白鳥ユキナ「……はい。」 マキビ・ハリ「どうしたんですかね? あの二人?」 ホシノ・ルリ「さあ、私にはわかりません。」 マキビ・ハリ「……艦長とデートできるなんて夢みたいだ。 こんなチャンス滅多にないよな、うん。 いつまでも、 『弟』 でいるわけにはいかないもんな!」 ホシノ・ルリ「……リ………ハ……ー君。 ハーリー君。」 マキビ・ハリ「え?」 気がつくとルリの顔が、ハーリーの顔の真正面にあった。 マキビ・ハリ「うわーー!!」 後ずさりするハーリー。どうやら妄想の世界を作っていたようだ。 ホシノ・ルリ「行きますよ。ハーリー君。」 マキビ・ハリ「はっ、はいぃ。かんちょ……じゃなくって、ルリ……さん……。」 うつむき加減に言うハーリー。その声は蚊のように小さい。 ホシノ・ルリ「くすっ。」 微笑むルリ。 白鳥ユキナ「早く入ろうよ〜。」 遊園地の入り口には、ジュンとユキナが待っている。 マキビ・ハリ「ああ、まだ心臓が……びっくりしたなぁ、もう。」 いつの間にやら一人でぽつんと立っていることに気付くハーリー。 マキビ・ハリ「あっ……待ってくださ〜い。」 |
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