1999/07/20 公開
担当:カルネアデス


機動戦艦ナデシコ

これから (仮称)


#05 『誤算』


今日はデートの日……。


アオイ・ジュン「ふんふんふん〜 ちょっと速かったかな、3時間前は?
                    ユキナちゃんを待たせるよりはいいか♪」

これから起こることを知らない彼は、幸せかどうかは定かではない……。



白鳥ユキナ「それじゃあ、行ってきます〜。」

明らかに迷っているという感じの言葉。
『艦長』 と言ってしまった自分がさらに迷いをかきたてる。

ハルカ・ミナト「行ってらっしゃい。」

笑顔で見送るものの……。

ハルカ・ミナト「……やっぱり心配よね。」

意を決したミナトは、ユキナとは逆の方に歩きだした。



白鳥ユキナ「おまたせ、ジュンさん。待った?」

アオイ・ジュン「全然、今来たところ。」

本当は、 『3時間前』 なんて言えないジュンであった。

ホシノ・ルリ「こんにちは。ジュンさん。」

マキビ・ハリ「その節はお世話になりました。」

アオイ・ジュン「え?」

振り返るとそこにはルリとハーリーがいる。
ジュンが誰の目から見ても、一瞬固まったかと? と思った刹那、
すかさずユキナを拉致(らち〈?〉)してその場から離れる。

アオイ・ジュン「ひそひそ……なっ、何であの2人が居るんだ? ひそひそ……

白鳥ユキナ「ひそひそ……ごめ〜ん、ジュンさん。2人だけのデートはまた今度しようねひそひそ……

アオイ・ジュン「ひそひそ…………説明してください。ひそひそ……

さすがのジュンも説明を求めた。

白鳥ユキナ「……はい。」



マキビ・ハリ「どうしたんですかね? あの二人?」

ホシノ・ルリ「さあ、私にはわかりません。」



マキビ・ハリ「……艦長とデートできるなんて夢みたいだ。
                  こんなチャンス滅多にないよな、うん。
                  いつまでも、 『弟』 でいるわけにはいかないもんな!」



ホシノ・ルリ「……リ………ハ……ー君。 ハーリー君。」

マキビ・ハリ「え?」

気がつくとルリの顔が、ハーリーの顔の真正面にあった。

マキビ・ハリ「うわーー!!」

後ずさりするハーリー。どうやら妄想の世界を作っていたようだ。

ホシノ・ルリ「行きますよ。ハーリー君。」

マキビ・ハリ「はっ、はいぃ。かんちょ……じゃなくって、ルリ……さん……。」

うつむき加減に言うハーリー。その声は蚊のように小さい。

ホシノ・ルリ「くすっ。」

微笑むルリ。

白鳥ユキナ「早く入ろうよ〜。」

遊園地の入り口には、ジュンとユキナが待っている。

マキビ・ハリ「ああ、まだ心臓が……びっくりしたなぁ、もう。」

いつの間にやら一人でぽつんと立っていることに気付くハーリー。

マキビ・ハリ「あっ……待ってくださ〜い。」

to be continued ...


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