ミナトはふらふらと夜道を歩いていた。 夜中らしくチャルメラの音が聞こえる。 男「あれ? ミナトさんじゃないですか。」 不意に声をかけられ振り返るミナト。 その瞬間、無意識のうちにミナトに 『この言葉』 を吐かせる。 ハルカ・ミナト「アキト……君?」 記憶喪失「アキト……君? 嫌ですよ、忘れちゃったんですか、僕の事? 僕は自分のことが未(いま)だに思い出せませんがね。 あははは……。」 そこには屋台を開いている記憶喪失の姿があった。 ハルカ・ミナト「記憶喪失君。久しぶりね。」 記憶喪失「ええ、おかげさまで。こんなところに1人で……っと、軽率でした。すいません。」 ハルカ・ミナト「いいわよ。別に……気にしてないわ。」 記憶喪失「……何か悩んでませんか?」 『ことっ。』 醤油ラーメンを差し出しつつ質問する記憶喪失。 その優しさにミナトは椅子に座り、ラーメンを受け取る。 ハルカ・ミナト「やっぱり……わかる?」 いい音と共に箸が真二つに割れる。 記憶喪失「…………。」 ハルカ・ミナト「…………。」 『ずるずるずるずる…………』 ラーメンをすする音とボイラーの灯、電車の音と暗闇が二人を包みこむ……。 |
記憶喪失について セガサターンのゲーム「機動戦艦ナデシコ The blank of 3years」のプレーヤーにつけた名前。 知り合いも私のデータを見てこれにしたという、ある意味祝福された名前かもしれない(苦笑) これより先は #SP と #05 があります。 #SP は特別篇です。時間的には #05 の前になりますけど、好きな方をお選びください。 |
感想等々は掲示板かメールまでお願いします。
感想やご意見は書き手の力の源です!
#03へ − #04 − #SP か #05 へ 戻る |