1999/10/08 公開
担当:カルネアデス


機動戦艦ナデシコ

これから


#16 Ver.β


――研究所

イツキ・カザマ「ここは?」

ホシノ・ルリ「ここは私の生まれた……育った処(ところ)です。」

記憶喪失 / イツキ・カザマ「!?」

ホシノ・ルリ「どうかしましたか?」

急に走り出す記憶喪失。

記憶喪失「イツキ、ルリちゃんをナデシコへ頼む!」

イツキ・カザマ「わかったわ、無理しないでね。」

ふたつ返事で答えるイツキ。

記憶喪失「わかってる。」

振り返りながら答える記憶喪失。
記憶喪失は曲がり角に差し掛かり、二人の視界から消えた。

記憶喪失「無理しないでいい状況ならね……。」



ホシノ・ルリ「敵……ですか?」

イツキ・カザマ「まだわかりません、ただ何か変な気配が。」

ルリの肩に手をおいて、心配そうに言うイツキ。
ただ黙ってイツキを見つめるルリ。



ホシノ・ルリ「……帰りましょう、ナデシコへ。」

イツキ・カザマ「ええ……。」



記憶喪失は走りながら銃を抜き、次の曲がり角付近の壁に背中をつける。

記憶喪失「あの感覚、ボース粒子反応……だよな。」

建物ごしに気配を感じ、銃を構え飛び出す記憶喪失。

記憶喪失「!?」

記憶喪失の視界に女性が飛び込んでくる。
地面にうつぶせになって倒れている、容姿はわからないが、服がぼろぼろだ。
銃口を女性に向けて警戒しながら接近する。

記憶喪失「もしもし、こんな所で何をしているんですか!!」

女性「助けて……私はボソンジャンプのA級……。」

苦しそうに話しはじめる女性。
しかし銃口を決して女性からはずさない記憶喪失。

記憶喪失「……A級?」

女性「私は奴等から逃げて……。」

記憶喪失「なっ……どういう事だ?」

ただならぬ科白(せりふ)に、おうむがえしで聞く記憶喪失。

女性「A級ランクの人間を人体実験に……。」

記憶喪失「人体実験だって!?」

その刹那(せつな)、記憶喪失の前に何かが降ってきた。
青白い光を身に纏(まと)いしその物体は女性の上に落下する。

女性「……!!!」

男「ふん、逃亡者には『死』、あるのみ。」

女性の背中には刃物が突き立っている。

記憶喪失「…………。」

あまりの出来事に立ち尽くす記憶喪失。

to be continued ...


あとがき

ちょっとは展開あったかな、これ……。
何だかんだで1週間でアップしてる気が……。

次回のアップはいつ?


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