女性を見下していた男が、 記憶喪失の方に向き返ると同時に刃物をかざし飛び掛かる。 男「滅。」 記憶喪失「くっ!!!!」 刃物による連撃からの蹴りを、銃を握った手に受け、銃が宙を舞う。 記憶喪失「しまった!」 その蹴りの勢いを利用した、刃物を握った右手で裏拳が記憶喪失にせまる。 『ガキィィィィィ』 金属がぶつかり合う音が鳴る。 記憶喪失「はぁ、危ないな。」 男「…………。」 記憶喪失の右腰には銃が、左腰には棒が携帯されていた。 その左腰の棒で間一髪、刃物を受け止める。 そのまま腰を落とす事により、受けている力を逃がしつつ、足払いをかける。 男はその足払いを軽く後ろに飛んでかわす。 間髪入れずに距離を詰める記憶喪失。 男「笑止!」 記憶喪失の上段からの振り下ろしは、軽く受けられて、それ以降の攻撃もすべて受けられてしまう。 記憶喪失「くそ、こうなったら。」 記憶喪失の回し蹴りを最小の行動でかわす男。 そこに回し蹴りの勢いを利用した裏拳が男を襲う。 この裏拳も最小の行動で流す男。 ……のはずだったが、 『バキィィィ』 男「ヌウ!」 左頬に衝撃を受ける男。 記憶喪失の右腕には先ほどの棒が握られているが、先ほどの長さの2、3倍は長くなっている。 柄(つか)の部分にボタンらしき物が確認でき、それにより伸縮が可能なものだと推測できる。 男「ふん、不覚を取ってしまったようだな。」 男は 『ぺっ』 っと血を吐き捨て、にやりと笑う。 男「なかなか楽しませてくれる。」 男の不適な笑みに、寒気を覚える記憶喪失。 記憶喪失「…………。」 ふと男の視界に女性がいた辺りにボソンの光芒(こうぼう)が見え隠れする。 男「逃亡者をかたずけるのが先決。」 男もボソンジャンプの予兆に入る。 北辰「我が名は、北辰。汝の名は?」 記憶喪失「……ななしだ。」 北辰「……ななし? まあいい。いずれ近い将来、刃を交わすときも来よう。」 意味ありげな科白(せりふ)を残し、ボソンジャンプする北辰。 記憶喪失は数分間、構えたままで立ち尽くしていた。 心残りなのはあの女性が無事に生き延びたのだろうかということ……。 戦闘中にさりげなくC・Cを落としたのに(もちろん故意に)、気付いてくれたのはよかったんだけど。 僕の方が彼女に助けてもらったのではないか? と考え込む記憶喪失であった。 |
あとがき はい更新です、もうべたですが、男は北辰でした(汗) さらにべたですが、あの棒はウリバタケの発明品です。 まだまだ第一部の時に書いていたところには程遠い……。 何やってたんだろうね、私は。 |
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