2000/11/22 公開
担当:カルネアデス
校正:めるー


機動戦艦ナデシコ

これから


#25 Ver.β


……燕さんの右飛び蹴りから、身体を捻っての左蹴り。

……片(かた)や、左手を右から左へ移動させ、身体の状態を
左蹴りが出しやすいようにした北辰。

僕には何もないんだけど……。



北辰「しかし、私はななしと手合わせしたいのだがな。」

舌舐めずりをする北辰。じょ、冗談じゃない!

燕「……おい、声に出てるぞ。」

記憶喪失「……え?」

北辰「そうか、私は冗談で言ったのではないのだがな。」

北辰が僕めがけて突っ込んでくる。

身体が勝手――条件反射的に銃を抜き、北辰へ銃口を……あれ? 北辰が居ない!?

燕「かかし!上だ!!」

……という、燕さんの助言も空しく、北辰の飛び蹴りを食らってしまった。
さらにさっき燕さんの使った蹴り技と同じく二葮蹴りだったため、
両足で蹴られてしまった……。

記憶喪失「くっ!?」

飛び蹴りを僕に見舞った態勢の北辰に向かって燕さんが間合いを詰め、
間合いを詰める時に生じた勢いをそのまま右正拳突きに乗せて繰り出す。

燕「はぁぁぁ!!」

どぉぉぉぉぉん!!

北辰「ぬん!!」

と気合の篭(こも)った北辰だったけど、さすがに今の一撃は効いたらしい。

北辰「かは!?」

着地と同時に片膝を付き、右手も地面に付く北辰。

僕は態勢を起こし……北辰に向き返る。
燕さんは右正拳を出した態勢のまま北辰を凝視している。

北辰「くくく……そうこなくては。」

ゆっくりと態勢を起こす北辰、顔は俯(うつむ)いたままだ……
その状況が不気味に思えてしまう……いや、恐怖か?

北辰「ふわははははは.」

顔を僕たちに向け笑う北辰。何か……嫌だぞ、とてつもなく嫌だ。
身体中を電気というか寒気が走る感覚がした。

そのきっかけが再び、先ほどの状況を呼んだ。

燕「逃げるぞ、かかし……!!」

燕さんの呼び声にはっとなり、自らの身体を見る。
ナノマシン――IFSパターンが活性化している。

燕さんは左袖から左手に滑り落ちた例の爆弾を北辰目掛けて投げ付ける。

ドカァァァァァァァァン!!!

時限発火式じゃなかったらしい爆弾はすぐさまその威力を発揮し、
その爆発によって生じた煙を破って燕さんが僕に接触する。

燕「逃げるぞ、かかし。テンカワ・アキトをイメージしろ!!」

記憶喪失「……アキトを? そうか、アキトか!!」

アキトをイメージ……ボソンジャンプの出現先は結局の所、
このイメージによって決まる、これをしっかりしておかないと
何処へ跳んでしまうか分からない、下手をしたら次元の狭間へ
跳んでしまうかもしれない。

それを前提とした場合、もしかしたら人を対象として
イメージしても跳べるのかもしれない。

僕たちの周囲に見え隠れしはじめる蒼き光――ボソンの光芒。
爆発の煙と戯れるように踊る蒼の光達、そして僕を取り囲むように
輝く光に包まれながら未だに試した事の無い――場所ではなく
人をイメージしたボソンジャンプの為のトリガーを……引いた。

to be continued ...


あとがき

皆さんお久しぶりです、カルネアデスです。

最終更新日がなんとまぁ 2000/06/04 と言う、丁度
私の心境が完膚なきまでに叩き潰されていた頃だったと言う
……まぁそれは読者さんには関係のない話なので閑話休題。

ここに来るまでホントに筆を取ってませんでしたからね……撫子の苑――その他の
作品参照の事とか書いて何とか公開する事が出来たのですけど……
内容は淡々としているような気がします、妥協はしていないと思いますけど。
妥協しているのだったら筆は取れていないものだったと判断していますので。

最終的に筆を取る要因になったのは某Mさんと某Pさんの作品だったんだろうなと
思っています、伏字なので誰の事かは想像して下さい。

某Pさんの作品に感想を送って、返ってきた返事で目が覚めたんだと思っています。

人の行動理念はきっかけやひらめきに左右されるのかと……
何が書きたいんでしょうね、この後書きは……この創作作品自体それそのもので、
そんな事自体は昔から解っていたはずなんですけど……にしても一覧項目、
こんな手が込んだJAVAとか組んでたのね……最近更新してなかったので
気付きませんでした……おほん、それでは、今回はこれにて。

今回はめるーさんに縁があって校正をお願いしました、ご苦労様でした。


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