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ネルソン |
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20世紀最後のオリンピックシドニー大会から早24年。
市場経済導入で発展著しい都市ピョンヤンで開催された21世紀6回目のオリンピックも、終盤戦を迎えていた。
フリースタイルレスリング・スーパーヘヴィ級もついに決勝である。
連覇を狙うロシア代表アレキサンダー・カレリン・Jr。
すでに大会前半ではグレコ・ローマンスタイルを制している怪物。
対するは米国代表ケイン・マエダ。昨年くらいから急に力をつけた日系の新鋭である。
この二人には実は因縁があると言われている。
二人の父親が前世紀末にたった一度だけ戦ったことがあり、それはプロの試合だという。
しかしマット上の二人の脳裏にはそんな因縁の入りこむ余地はないだろう。
勝った方が金メダル。名誉と誇り。それだけだ。
試合開始早々、すばやい動きからカレリンのバックを取ったマエダは、相手の脇から太い首に腕をからめ、ネルソンでフォールを狙う。
しかし135Kgのカレリンの体は簡単にはかえらない。
<続く>
◆ラフ(男子百景)