館山ドライブ開始
2003年05月01日(木)午後
トヨタレンタカー館山営業所は、ディーラーの敷地にある。というよりも、ディーラーがレンタカーの営業所もやっている。レンタカー屋としては立地がよくないのは、レンタカー専業ではないためであろうて。まあ、この程度の距離問題ない。
今回予約したのは一番安いグレード。つまり、ヴィッツ、プラッツ、デュエットなどのコンパクトカーだ。トヨタレンタカーは私が持つ中央大学学員カードで割引が利くが、ヴィッツクラスは安すぎて割引が使えない。しかしそれでも安いことには変わりがない。今回は6時間予約した。18時までには宿にチェックインしていなければならないので、それ以上借りる必要はない。
さて、館山駅から太陽に照れ付けられ、いつも買っている米袋よりも遙かに重い旅行カバンのベルトを肩に食い込ませて、汗をかきつつレンタカー屋に至った。館山営業所のドアを開けたときの、クーラーがなんとも心地よかった。私はクーラー嫌いで有名なのだが、頭にまで日光を浴び続けていときにはこの冷気はありがたかった。そして諸手続を行ったが、まず最初に「お仕事ですか?」と聞かれた。意外な質問だった。だが、美津濃氏が上下色違いのファッションスーツと言えども、背広らしきものを着ている。それですぐさま仕事だと思ったのであろうか。「観光です」と応えておく。
そして車に案内される。タマ数から考えてヴィッツだろうと考えていたが、用意された車はプラッツであった。トランクがある分だけ少し長いが、あとはヴィッツとほぼ同一だ。まあよかろう。荷物を後席に放り込んで、早速私が運転席に。そして久々にステアを握って、レンタカー屋から国道128号線に出るのであった。
まずは128号線沿いのコンビニに入って、態勢を整える。私は暑い長袖の上着を脱ぎ、汗を吸ったアンダーシャツも脱いで、Tシャツに着替える。そしてタオルを首に巻き付け、度入りサングラスをかけた。音楽はヴィッツにはMDがついているだろうとして美津濃氏にMDを用意してもらったが、この車はテープデッキ・モデルであった。そんなこともあろうかと、私は持参したCDをかける。CD-Rでもよかったが、カーCDは耐久性と耐振動性が第一なので、CD-Rの認識には難がある製品が多い。そのためプレス版を用意した。何のCDかは言うまでもなかろう。
さて、コンビニの駐車場からは右折して車道に戻るのだが、緩やかなカーブで結構見通しが悪い。とにかく、右左の車を確認して出るわけだが、美津濃氏。頼むから左の視界を遮らないでくれ。どうやら親切にも、左がOKかどうか観てくれていたらしいが、私は自分で安全を確認しないと気が済まない。
もし美津濃氏が「車来ていない」と言って、私がそれを信用して車を出したが実は車が来ていた・・・などという事態が起こったとき。社会的経済的に責任を取るのは私である。この場合は助手席にいる美津濃氏の方が被害甚大だろうけれども、私とて身体的にも痛い目には遭いたくない。やはり、自分がステアを握っているときは、自分の目で情報を集めて、自分で判断したいものである。自分の腕と脚に私と美津濃氏の生命、第三者の生命・財産、私の社会的経済的生命を握っているのだからね。
まあ、大学時代の旅行では、山の中の悪路を走っている最中に後部座席にある飲み物をとるために私の視界を自分の頭で遮ったバカがいたが、それに比べると美津濃氏は、運転に協力しようという気の利いた心がけである。けれども、自分が運転手の邪魔にならないことを第一義にしてくれさえすれば、それ以上の協力を私は求めない。
電車の中で気づいていたが、今回の旅行で撮影に使う小道具たる二次元グッツを忘れていた。美津濃氏宅のぬいぐるみの数々を持ってくる予定だったが、朝の出発時には完全に忘れきっていた。そこで代用品はないかと、本屋に向かう。本屋というよりは、スーパー、日用品、レンタルビデオ、CD、書籍が揃うこの地域の文化の中心みたいな商店だ。まあ館山で二次元グッツは期待してはいないのだが。
駐車場に車を止めて、シフトをPに入れる。そしてサイドブレーキを引いてから、私は左足を上げて足下を蹴った。蹴る予定の場所を素通りして、私のかかとは奥の床に届いた。なんだこの動作は?クラッチか?いや、MT車なんかしばらく運転していない。最後にクラッチを踏んだのは、去年の6月だ。これは、足踏み式のパーキングブレーキだ。2月下旬に、ステップワゴンや実家のレジェンドを運転したとき、駐車の度に何度も踏んだ。そのクセがついてしまっていて、しかもまだ抜けていなかったのか。これは自分でも、まったく無意識の動作だった。
MT車に乗っていた人が突然AT車に乗ると、走行中に左足でクラッチを探し回ったあげく、左足でいきなりフットブレーキ(パーキングブレーキではない)を踏み込んで急停車してしまうことがあるという。私の高校時代の友人は、その経験があると話していた。なんてバカなことをする人だとその時は思ったが、クセというのは恐ろしい。私もマニュアルに慣れすぎたらやってしまうのではなかろうか。無意識の動作は、バカにできないものである。ちなみにこの、存在しないパーキングブレーキの踏み込みは、プラッツを借りている短い時間のうちに私は2〜3度やってしまった。
そして、店内へ。書籍のスペースは狭く、しかも古本しかなかった。だが美津濃氏は小道具として優れたものがないかと探し回り、何冊かのあやしげなものを買い込んだ。私はその間、ゲームソフトを見ていた。「ガンパレ」はなかった。だが「シスタープリンセス」は初回限定版までありおる。やるじゃねえか館山。
館山まで来て、本やゲームを見ているのはどうか。美津濃氏が会計を済ませると、再び車に戻り、千葉南部の道を走るのであった。