千葉市散策
2003年05月02日(金)昼
千葉まで一本で行けるからと、美津濃氏は再び電車で寝ようとした。個人の趣味や体質、体調については普段はとやかく言わないが、旅行という共同行為となると話は別だ。昨夜8時間も寝てまだ不足か。私は叩き起こし続けて寝る意志を頓挫させ、千葉までくだらんことを話し続けた。寝ることを断念した美津濃氏と、なかなか話が盛り上がったわい。その内容はとてもネットには書けないが。
途中で快速に乗り換えればもっと速かったのだろうけれども、せっかく一本で行けるのだから千葉までこの各駅停車でくつろいだ。形式徐々に田んぼが減って工場や住宅が増え、やがて高層ビルが生えてきた。千葉県も場所によって随分と景色が違うものだ。景色だけでなく、産業構成や住民意識も相当違うことであろう。学部時代に政治学科だった私は、フィールドワークを主にするゼミに在籍していたこともあるので、そういうことは気になってくる。
そして再び千葉駅。今度は改札を通って出る。コインロッカーに重い荷物を詰め込んで、軽装備で千葉街に繰り出す。
千葉駅近くにある中央公園。噴水と樹木がある以外は、ただタイルを敷き詰めただけの空き地である。ベンチの類もあまりなかった。おそらくはイベントスペースに使うのだろう。
腹も減りだした。美津濃氏の提案で、場末の大衆食堂でメシを食うことにする。中央公園を出て、随分と歩き回った。あまりにも閉店している店尾が多い通りを選んで歩いたが、メシを食える店はあまりなかった。我々が「シャッター横町」などと軽口を叩いていたが、ここの人に聞かれたらぶっ殺されそう。正直なところ、夜は来たくない場所であった。
そして歩き回っているうちに、モノレールの駅にたどり着く。千葉のモノレールは多摩や浜松町のものと違って、つり下げ式である。これには一度乗りたいと思っていた。とりあえず、モノレールでテキトーな場所まで行ってメシにすることに。とりあえずは「動物公園」駅まで行くことにした。ちなみに、ここでパスネットカードは使えなかった。
つり下げ式モノレールだから、足下にレールなどあるわけがないのだが、やはりホームの下に樹脂製の敷物しかないのは、なんとも違和感を覚えた。そして多摩都市モノレールのような柵もない。レールもなく、ホームから下りる段差も低いため、抵抗なく下りてしまいそう。実際、酔っぱらいや悪ガキなんかで、ホームから下りる人間は少なからずいることであろうて。
そして、敷物が切れた場所からは、下界を見下ろせた。一応鉄柵や足場があるが、思いっきり助走を付けて走れば、駅から下の道路に飛び降りることも出来そう。なかなか恐ろしい駅である。いや、好きこのんでこんな半端な高さから落ちる奴がそうそういるとは思えないが。
やってきたモノレールは2両編成。中はコンパクトであった。向かい合わせの座席と座席との間は狭い。ボックス席になっている多摩都市モノレールの方が、車体は二回り大きい。千葉都市モノレールは、そんなに利用客がいないのか、それとも懸架式の設計上の問題か、はたまた用地買収の問題でレール間を狭くせざるをえなかったせいか。朝はどんな状態になるんだろうか。興味は尽きない。