温泉宿。卓球、酒、タバコ
2004年03月15日(月)夜
中華屋でメシを喰う前に、箱根湯本を散策しつつ宿を探してはいた。が、ネットと電話で予約を入れただけで、宿の具体的な場所はまったく知らんのだ。やはりタクシーを使うのが早かろう。住所のメモもある。しかしタクシーの運転手は、旅館の名前を聞いただけですぐにわかった。しかもその旅館の前はとても狭いので、あらかじめカネを用意してくれ、とのこと。料金までわかっている。釣りのないように小銭を用意して、助手席のPGO氏に渡す。
タクシーが進む道を見たが、確かに信じられないような狭い道。それでいて対面通行。よくこれで車を走らせられるものだ。電車で来る分にはいいが、自家用車やレンタカーでは来たくない場所ではある。
料金を手早く運転手に渡し、タクシーを降りた。タクシーを降りる短い間にも、すでに後ろに三台ほど車が詰まっていた。狭い上に交通量も少なくはない。なんともはや。そはともかくとして、宿に着いた。これで腰を下ろして楽な格好をできる。
まあわるい部屋ではない。4人泊まるのにちょうどよい部屋だ。
エアコンは年代物だ。だが、ガスヒーターとこたつがあるので冬場は使わない。
それに何がいいと言ったら、角部屋だからここだけ客室の中に便所が設置されているのだ。
風呂上がりでビールをやっているときに客室を抜け出して廊下を歩き、共同便所へ行くのはナンだが、これはよい。便所があるというだけでもなかなかいい。
普段あまりタバコを吸わないPGO氏と、今まで禁煙していた私が、旅先という理由付けでやたらめったらタバコを吸い始めた。もちろん恒常的喫煙者の美津濃氏も吸う。それも私の中南海に含まれるハーブが特有の匂いを出す。ちょっと部屋から出て、部屋にもどるとあまりのタバコ臭さ−というよりも中南海臭さ−に辟易したものである。そして美津濃氏は高校一年のさっちんにまで喫煙を強要する始末。
さて、箱根に来たら温泉だ。
浴室は交代制の家族風呂らしい。
それにしてもこの風呂。脱衣所から浴室のドアに、外から鍵をかけられるとはどういうことか。中から開けられない。裸で閉じこめられるというのはなかなか恐ろしいことである。風呂から私とPGO氏が先に上がり、もちろんこの鍵をかけておいた。あとはП氏と美津濃氏とで、有意義な時間を過ごしてくれ・・・。
いや、中で抵抗するのですぐに開けたけれども。
まったく危険な風呂である。
そして温泉とくれば卓球。私は今まで何十回も温泉旅館に来ているが、実際に温泉で卓球をするのはこれがはじめてである。「ジオブリーダーズ」など、漫画ではよく温泉旅館で卓球をするシーンがあるけれどもね。そういう定番の行為って、実際にはなかなかやらないものである。だからこそ、出来るときにやるべし
それにしてもこの悪党は、ラケットではなくさっちんの顔面でもってタマを打ち返そうとはMPEG4v2(284KB)。
いやはや。
それはともかく、卓球はかなり白熱した。
「バック(ハンド)の練習だ!」
「そうだバックがいい!」
「Y**とやるときはバックだ!」
「*れませんよ」
「*ーションじゃ!」
「やはりY**じゃないとダメだ!」
などと叫びながら卓球などしておったが、この会話はおそらく、卓球室の裏にある従業員詰め所に丸聞こえだったことであろう・・・。
そしてあとは、ビールと日本酒。コンビニで買ってきたビールを冷やそうと、風呂に入る前に製氷皿の上に載せておいた。が、風呂から上がり、卓球室から戻ると、ビール缶は破裂寸前になっていた。宿の商品が冷蔵庫に詰まっていたため、製氷皿の上の他に入れるところがなかったのだ。いやはや、危なかった。冷凍庫ではなく、冷蔵庫の中の製氷室でもかなり凍てつくもんじゃて。
とにかく一杯。少し氷が入ったビールを飲むこととなった。味がすこし水っぽくなったような気がしないでもないが。
あとはテレビなぞつけつつ、酒を飲んだ。スペイン政権交代のニュースに対して私が「フランコはどうした!」などと叫んだが、それはなかなか受けたようである。笑いながら「もう死んでますよ!」とすぐに返された。スペインにフランコという独裁者がいたことを当然のように認識していて、フランコをネタに使っても受けが取れるのは貴重な連中である。フランコなんぞ大した知識でもないのだが、こんなこともわからん奴が学士でも圧倒的に多い世の中なんでね。
あとは、美津濃氏が「99%クズと思っても、1%のところで踏みとどまるのが友人だ」などと殊勝なことを述べた。その通りだ。人間なんぞは、付き合えば付き合うほど殺したくなる。それでも究極的に手の届く範囲での生存を看過できる人間を、友人と称するわけだ(逆ではない。つまり「友人だから」最後の一線を踏みとどまるわけではない)。我々の関係もまた、平坦ではなかった。今後も、せめて殺し合わない程度の平和的関係を享受したいものである。