ねこの博物館へ
2005年10月02日(日)朝〜昼
伊東駅でもレンタカーを借りようとの思いが頭をよぎったが、そうしなくて正解だった。路線バスでさえ入り組んだ路地を走り、道幅が狭い。さらに言えば悪路でひどく揺れる。その上、センターラインがない箇所が多く、すれ違うのが大変そうであった。かなりの熟練とカーナビが必要な道である。そしてバスでは、ときどき運転手に乗客が話しかけてバス停がないところで降車していた。さすがは田舎。のんびりしている。というか、そうしなければ生活が不便なのかもしれない。
さて、「理想郷東口」でバスを降りたが、どういったものか。
結構距離がありそうである。
美津濃君が近くの商店で「ねこの博物館」までの道を聞いたら、店のお婆さんは徒歩でいくことに少し困惑したようだった。しかし方角を指し示して、信号があったら右折して、また信号があったら左折と教えてくださった。これで助かった。お礼代わりに飲料水と菓子を買って店を後にした。実際問題として、距離がどれぐらいかわからないので、飲料水と高エネルギーな携帯食料は欠かせない。
観光道路らしく、ここいらの道路は広く、道沿いに観光施設はしばしば見かけた。
狭い道でなくてよかった。
ただし歩道がなく、道の脇には草が茂ってあまり端に寄れないので、車に気を付けねばならないことに変わりはない。その為、常に右側を歩いた。やってくる車に向かう形になるので、ドライバーも警戒し、歩行者としても車の動きを把握しやすい。左側だと歩行者は背後の車を見られないので、案外車道に何気なくはみ出したところ車がやってきて、引っかけられたりするものだ。前の会社の現場研修時代に覚えたことである。
信号をひとつ曲がったが、まだ先は長そうである。
ようやく「ねこの博物館」を示す標識が。ここを左に曲がった。
左折したはいいが、まださらにありそうだ。
「理想郷東口」から歩くこと20分。
ようやく「ねこの博物館」へ到着である。
徒歩20分は大した距離ではないが、それでももっとマシな経路があったはずである。
館内はまず、ヒョウやライオンなど猫科の動物の剥製や骨格標本が並んでいた。古生物に造詣が深い美津濃君は、サーベルタイガーの骨格標本を見つけて喜んでいた。私などは「皇国の守護者」しか連想できない。あと、剥製の中ではステップヤマネコがもっともイエネコに近い面構えをしていた。なかなか美しい。また、最小の猫科動物と言われるクロアシネコの骨格は、おどろくほど小さかった。うちの猫の方が大きい。
標本が並ぶ博物館かと思ったら、2階へ上がったら生きている猫たちがたくさん。
しかも触れる!
ロシアンブルーの毛並みは、想像していたよりもずっとなめらかであった。
だけども、こういうところで四六時中不特定の人間に触られることが、猫にとってよいわけがない。
大抵の猫は、触られることを諦めてひとすら寝るか、あるいは嫌がって小屋に隠れようとした。
もちろん餓えている野良猫や捨て猫の悲劇に比べれば、エサの心配が無く、空調の利いた部屋で安穏としていられる環境の価値は大きい。だが、パンを食える人間はパンを食えない人間よりは不幸ではないが、パンを食えるからと言って幸福とは限らない。この猫たちも、幸福なのだろうか。しかしそれでも、猫をさわれる機会は貴重ですよ。
ついでに二重扉の向こうは、繋がれていない猫たちと戯れるスペース。
久々にソファーに寝ている猫を満喫できました。
ちなみにこの施設、室内トイレは2箇所とも女性用で、男性用は屋外にあるのだ。
NYあたりで男性用トイレの2倍の面積を女性トイレに当てろという法が立案されたと読んだ気がするが、その精神なのか。まあそれはわるいことではないが、屋外は雨の日は大変です。
そして「ねこの博物館」の近くには、「大室高原8丁目」なるバス停が。
やはり近くにバス停があったか。
しかしここは伊東駅から直接来られるバス停なのか。それはわからないが。
まあ歩くのもよいことです。
取りあえず、メシ時ということもあり、バスで伊豆高原駅に向かうこととした。