伊豆高原駅近辺にて
2005年10月02日(日)午後
さて、伊豆高原駅である。我々は駅前にくれば安いメシ屋があると考えた。もちろん「ねこの博物館」近くでも食事が出来そうな喫茶店はあったが、腹に保つ食事をするのには駅前であろう。だけれども、ここは私が想像する駅とは随分違っていた。観光駅なのである。バス停から降り立って周囲を見回しても、緑の木々ばかりで建物は駅ビル1つしか見あたらない。
その駅ビルは周囲にほとんど建物が見あたらない中、随分と異彩を放つ。
ここならばメシを食えそうだ。
だけれども美津濃君は、こういう観光客相手のところは高いと難色を示す。
そしてこの駅ビルを通り過ぎると、街が見える。
これならば、地元民用の店で安く昼飯を食える。
・・・しかし、飲食店はいずこ?
歩けども歩けども見あたらない。
コンビニさえも!
駅前にあったスーパーで惣菜を買って食おうとも思って来た道を引き返したが、スーパーの向こうに交通量の多い道路が見える。あっちならば何かあることであろう。
こっちの方が商業が盛んだ。
なにやらそば処の看板も見える。
この門を潜って石段を上ったところにそば屋はあったが、なにやら高そうな店。
しかしここまで散々歩いて、逡巡してはいられない。
メニューを見て私は息を呑んだ。
やっぱり高い。1000円を切る品がない。
丼でもそばでも。
しかし出せない金額ではないし、駅ビルに戻って1000円でそば一杯だ。
結局同じである。
私は親子丼を注文したが、これはなかなか上等だった。1000円の価値はある。しかも丼しか出てこないかと思ったが、様々なものが添えられる。さらに味付けはどれも上品で丁寧だ。店の落ち着いた広々として雰囲気で、ゆったりしたイスにくつろげたことを合わせれば、安いぐらいだ。
一方で、駅ビルのそば屋は、おそらくはここよりは質も量も劣り、しかも狭い座席に詰め込まれてそそくとさ食べて、すぐに席を立たなければならなかったことであろう。それを考えると、歩いた甲斐はあったのである。
さて次はどこへ行ったものか。
せっかく海の近くに来たのだから、海洋公園へ行くことに。
バス停で時間を見ると、あと30分はある。
歩ける距離でもないので、駅前でのんびりすることに。
駅前に足湯があった。
美津濃君がそこに浸かろうとするが、すぐに足を引っ込める。
熱いのである。
表記によると56度はあるらしい。
それは熱い。
よく見たら近くの観光客もほとんど足を漬けていない
だけれども、3才ぐらいの孫娘をつれた婆様には度肝を抜かれた。婆様は孫の靴を脱がせて、自分で湯加減を見もせずに、いきなり孫の脇の下の手を入れて持ち上げ、問答無用で湯の中に孫を立たせたのだ。私は思わず、「何と言うことを!」と口にしてしまった。婆様に私のコトバが聞こえていたかどうかは知らないが、騒いで足湯から出ようとする孫を婆様は出すまいとする。結局、孫は激しく抵抗して、婆様は結局孫を引っ張り上げるのだが・・・。あれは虐待ですよ、虐待。久々に恐ろしい光景を見た。まあ婆様は湯加減を見なかったから熱すぎることには気づかず、孫が暴れるのは単に「(風呂程度の温度の)足湯を嫌がっているだけ」と解釈したのだろうけど。
そして私も足湯に浸かってみた。
摂氏56度。風呂にしては熱すぎる。
だけれどもこれは慣れですね。
最初の1分間ぐらい我慢すれば、大して熱く感じなくなる。
ちなみに上の写真は、足を湯につけている写真を撮りたいが為に、美津濃君に「早く撮れ!」と叫びながら我慢している図である。表情がやせ我慢のものだ。こうして我慢しているうちに、足が温度に慣れのである。だけれども、いきなり幼子をここに漬け込むことが、いかに非道な行為かはよくわかった。
ちなみに数分漬けていただけで、真っ赤である。
しかし歩きつめていた疲労は、緩和された気がする。
こんなことをやっているうちに、バスの時間がやってきた。
さて、海洋公園へ。